時代を代表するデザイン〜現代のデジタルプロダクトへの影響〜
1960年代 東京五輪ピクトグラム
1920年、哲学者のオットー・ノイラートとイラストレーターのゲルン・アルンツによって、統計学で使用する目的で作成されたアイソタイプがピクトグラムの起源である。
一方で、ピクトグラムとして世の中に普及したきっかけは、1964年の東京オリンピック。高度経済成長期真っ只中の日本で多国籍の言語の通じない人々を迎えるにあたり共有認識が伝わるシンボルとして作成された。
デザイナーの勝見勝氏がピクトグラムの著作権を放棄して、オープンソースとなったことで全世界にピクトグラムが広まっていった。もしかすると、デザインで初めて世界的に普及したオープンソースもピクトグラムなのかもしれない。
現代でも、文字を使わない伝達手段としてデジタル上でよくアイコンが使われている。フラットデザインのアイコンの場合、ピクトグラムから着想を得たものも多いのではと思う。そしてアイコンにもオープンソースがたくさんあることにはこのオリンピックのピクトグラムがオープンソースであったことも影響しているのでは?と思う。
おまけ:ディスカッションでで体験
ピクトグラムについて、グループディスカッションでは以下の視点の話しで盛り上がりました!
ピクトグラムは、元となるツールや形を知っている人には理解ができるが、同じ文化や生活を共有できていない人同士では伝わらないこともある
例えば、Wifiのマークはそれを享受していない生活圏の国や地域の人には伝わらない。
例えば、東京オリンピックで使われている黒電話のマークは、未来の人類や若者には伝わらない可能性がある。(電話=スマートフォン、ボタン操作するもの)
つまり、アイコンやピクトグラムには「寿命」と「理解できる人の範囲」がある。結局、誰に向けたものか?を意識してみること、作成することが重要。
1970年代 MOTO-CROSS & FONZ
1971年に米国でアーケードビデオゲームが業務用に発売されたことを皮切りに様々なビデオゲーム機が生まれてくる時代の中、1976年にセガが展開したバイクレースゲームがMoto-CrossやFonz。
ゲーム中に別のバイクと衝突や接触をすると、ハンドルが振動し衝突したことがプレイヤーに伝わる仕組み(ハプティクス)が採用された。当時のプレイヤーはゲームでありながらもリアルな臨場感を得ながらプレイできたに違いない。
一般に公開されたハプティクスとしてはこのゲームが先駆けと言われている。現代ではゲーム機はもちろん、身近なところではスマートフォンなどでハプティクスは使われている。何かアクションが起きる→振動や動きが伝わる→人が触覚で変化を知覚できる、このしくみは変わらない。
おまけ:わたしが最近感動したハプティクス
ゴーストオブツシマで馬に乗っている時のコントローラー振動が臨場感あってとてもよかった🐴
1980年代 Macintosh
パーソナルコンピュータの黎明期に優れたGUIを持つデバイスとして登場。マウスやアイコンを用いたわかりやすいデザインで直感的な操作を可能にし、コンピュータを一般家庭にとって身近なものにした。(それ以前はコンピュータは研究やビジネスで使われるものであった。)
今でも続く、ボタン、チェックボックス、ウィンドウ、スクロールバーなどが誕生する。
グラフィック機能を有することでデザインなどのクリエイティブな作業をコンピュータで可能にしていく。DTPやAdobeが誕生したのもこの頃。
1990年代 WEBデザインのはじまり
CERNのティム・バーナーズ・リーによって研究者間でのドキュメントのやり取りを容易にすることを目的に1991年にWWWが登場。以降、数々のインターネット上のウェブサイトが制作されWEBデザインという概念が出来上がっていった。
最初はテキストのみのスタイルであったが、徐々に色やレイアウトを考慮したデザインや動的なFlashなどを用いたデザイン広まっていく。
Amazon、ebay、Yahoo!などのサイトも制作され、現在のwebサイトにも続くレイアウトが検討、展開されていった。
2000年代 iPhone
携帯電話が一般に普及し、iPodやウォークマンなどのモバイルデバイスの操作が普及していく時代背景の中でiPhoneが生まれた。
An iPod, a phone and an internet communicator. These are not three separate devices, this is one device.
iphoneの誕生により、タッチパネルによる操作やインターフェースを確立。Multi-Touchの概念が生まれる。
今ではタッチパネルに触らない日はない。私はたまに紙にペンで書いていても、いつの間にか指でピンチして拡大して書こうとしてしまう時もある!まさにタッチパネル操作とそのUIを世に広げることになり人々の生活を変えたきっかけである。
おまけ:2010年代も考えてみた
フラットデザインかな?
フラットデザインが本流である流れが今もなお続いている。
あとがき
私は、せっかくなら自分自身の仕事のデジタルプロダクトに繋がっている潮流を知ろうと考えてその点にフォーカスしてデザインをピックアップしました。
一方で、グループメンバーは人々の当時の生活を象徴するものを選んでいたり、時代によって変わるデザインの対象をテーマにしていたり、どれも個性が出ていて面白かったです🎨
(今週はこれからデザイン主導のプロダクトについて1つ選んで発表する予定!やるぞ!)