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感謝について最近のエピソード
こんにちは。
渡邉です。
今日は「感謝」について書きたいと思います。
前提として、僕は大学で臨床心理学(内観療法)を勉強し、感謝について卒論を書くくらい感謝というテーマに関心があります。人よりは少し多めに感謝について考えてきたかもしれません。
だから職場では感謝の重要性を日々周りの方々に聴いてもらっているのですが、今回は後輩が感謝の深まりを実感し、僕に話してくれたので共有したくnoteに残しておきます。
皆さんにとっての感謝はなんですか?
みなさんは感謝を感じたときどんな行動に出ますか?
なにか手紙を書きますか?
贈り物を買いますか?
ありがとうのハグをするでしょうか?
はたまた、そんなに感謝するような出来事がない方もいらっしゃるでしょうか。
感謝にいろんな表現方法があると思いますが、もし皆さんが思い浮かべた感謝行動が”べき論で意図的にとる行動”になっているとしたら、それは本質的感謝ではないと思いますし、それっていくらか相手に伝わるものだと思うんですよね。
私の思う本当の感謝は、
・感謝を伝えたくてたまらない!という感情がともなうこと
・伝えるときに涙が出ることもあるくらいその事象に対して感動していること
・「そうだった…」と相手の思いやりや存在自体に気づき、経験してきたことをしみじみと振り返ること
こんな考えや感情が頭に起こっていて、とにかく幸せな雰囲気に包まれているとき、それは深い感謝なのだと思います。
どこにもやったほうが良い感謝はありませんし、それは感謝をしていない状態だから始まる発想でしょう。
やったほうが良い感謝もこれを全面否定したいわけではありません。
きっとそのような感謝を考えている人はどこかモヤモヤする瞬間があったり、礼儀礼節として形骸化してしまって感情がおいついていなかったりするのではないでしょうか。
感謝について深く語る人はいるが、自分は大事と思いながらもその深みについてはよくわかりません。という方も多いように感じています。
そのモヤモヤやよくわかりませんという感覚に対して、少し働きかけることができる話かもしれません。ぜひ続きを読んでみてください。
後輩が話してくれた話
僕の会社では「感謝」は行動指針の一つとされています。
そんな会社ほかにもあるかと思いますが、そういう会社で起こりうることは、「感謝をすべき」「感謝しておけばいい」という感覚を持つ人は少なからず生まれるということです。
僕の後輩もそのうちの一人でした。
「社内で感謝をすべきと言われているから、納得できないようなことがあってもとりあえず”ありがとう”を伝えねば」
こんな思考だったと言っていました。
「だから感謝の大切さがそこまでよくわからない」とも。
そんなことを感じながら仕事を進めている中で、僕がその後輩に助けてもらった場面がありました。(簡単に言うと僕だけ初参加のミーティングで僕に対して趣旨の説明がどこにもなかったので、開始前にzoomに入室して趣旨を参加者に広く聞いたときに、その後輩が頑張って答えてくれたのです。)
そのとき僕としては本当に助かったなと思ったので、あとで感謝のメールを書きました。次のような調子で。
(後輩)さん、今日はミーティングについて教えてくれてありがとう!
他の先輩方も聞いている中で、説明するということはとても勇気のいることだと思います。それでもしっかり説明してくれたので、僕はミーティングに安心して前向きに望めたと思います。(後輩)さんが説明してくれたから積極的に発言することもできました。本当にありがとう。
このメールについて後輩が話してくれたことは、
「相手の気持ちやそう思う背景を察して、ありがとうとともに言葉にしてくださると、こんな嬉しいんですね。確かにほかの先輩に聞かれながらミーティングの趣旨を説明するのは、ちょっと言葉を間違えたら怒られるかもしれないとか考えるとかなり勇気のいることでした笑」
ということでした。
(そう感じてくれたならよかった笑)
後輩が続けて、
「私はただ、感謝をいうべきと思ったときに伝えるようにしていましたが、相手が何かをしてくれたらから感謝するのでなくて、相手のその思いやり行動や言葉にするまでにどんな苦労や犠牲があったのかということまで、私は全く想像していませんでした。」
「いつも案件の相談に乗ってくれる上司だって、自分の仕事があるのに、自分に必ず時間を割いてくれるし、いままでフィードバックの多い先輩だなとしか思っていない人だって、言うこと自体気持ちのいいものではないのに、いつもしっかり教えてくださるって、どんなに有り難くて、当たり前ではないことなのか、という感情も湧いてきました。」
このとき後輩はボロボロに泣きながら話してくれました。
横で聞いていた他チームのリーダーが
「大人になるってそういうことだよね~。」
とリアクションしてくださり、その場はとてもジーンとした空気が漂っていました。
後輩の様子から見えた本当の感謝
僕が皆さんに共有したいことは、
「感謝とは、単にありがとうを伝えることではなく、なぜ今の自分がそのように存在できているのかを、他人の関わりに焦点を当てることで、人のやさしさや思いやり、時には深い愛情に気づき、おかげで生きていられるという感情である」ということです。
何をするにも周りの関わりのなかで自分の人生が進んでいくんです。
人間誰しも、ネガティブな出来事が記憶に残りやすいですし、そうであれば人との関わりの中で記憶しやすいのもネガティブな関係性でしょう。だからこそポジティブなことを思い出す必要がある。
僕の話で言えば、
小学生で習い事の帰りは親に迎えに来てもらっていました。親は仕事終わりから習い事が終わる20時に直行で迎えに来てくれます。そのときに親の仕事の疲れなど想像できず、車の運転が荒いとよく文句を言ったものです。それに対して親はなにか言い返すこともなく、ごめんごめん。と優しく反応してくれました。あのとき、仕事帰りでどれだけ疲れていただろうか、疲れていても欠かさず迎えに来てくれて、今日はどんな一日だったかと気に掛けようとする親の愛情はどんなものなのだろうか。
親が「ごめんごめん」と発しただけのワンシーンでしたが、色々な背景があると感じ直しました。親に限らず、今まで過ごしてきた当たり前に周囲の苦労が無数に隠れているのだと思うんです。
まとめると
本当に深い感謝、自分の幸福感を高める感謝は、周囲の犠牲に焦点を当てるということです。次の対比ができるかもしれません。
表層の感謝:自分視点。周囲の関わりによって、どれだけ自分の不満が解消されたか、ラッキーが引き起こされたか。自身単体の幸福度のみが指標になっている。
深層の感謝:相手視点。周囲の人の関わりが、どのような感情や努力、苦労をもとに成り立っているか。周囲の人を含む社会全体の苦労や犠牲が指標になっている。
この深層の感謝を深めていくと、感動力が高まっていきます。そして人は感動すればするほど、自分も同じように人に感動を与えられることをやりたいと人生や仕事の意味を見出していくものです。これがアイデンティティになっていく。。。この話も重要なので別の記事にしようと思います。
とにかく、目の前に巻き起こる出来事や人とのコミュニケーションに、深層の感謝をするきっかけがたくさん散りばめられています。そんな気持ちで身近にいる人のことを思い浮かべてみてください。
・あなたに対してなされた行動にその人のどんな思いが隠れているでしょうか。
・その人は何を大切にしたり、こだわったりしているでしょうか。
・その考え方はどんなご経験から来ているのでしょうか。
・相手なりの考えや信念がなかった場合、あなたは今のように生きていられるでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました!