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【実録!ロマンス詐欺】Day11: 顔面偏差値・限界突破


このnoteでは、ロマンス詐欺により3ヶ月で3500万円をむしりとられたアラフォー女子が、この先同じ思いをする人が一人でも少なくなるよう、自身の体験を当時の心情とともに包み隠さず公開します。


ロマンス詐欺師Carlとのやり取りを綴ってきたこのnoteも、ようやく彼とLinkedInで知り合ってから11日目の記録に突入した。
この11日目は記念すべき日である。
そう、この後私の正常な判断能力を完全に失わせ、全財産+消費者金融での借金Max+持ち物売り払いMaxで作った3500万円を差し出させるに至った最大の理由となるCarlの顔写真が送られてきた日なのだ。

とりあえずはいつものようにDay11のメッセージの一部。

日本語訳すると・・


Carl:「おはよう、まさこ。
ちょうど毎朝のミーティングが終わったところだよ。シンガポールはまだ雨季で、暑くて湿気が多いから少し不快に感じるんだ。東京の天気はどう? 急な気温の変化は風邪をひきやすいから、体調には気をつけてね😊

僕がXXにいたときは、リモートワークができてすごく便利だったよ。
もし可能なら、自宅にマッサージチェアを置いてみるのもいいかもしれないね。毎晩仕事の後に30分くらい使えば、すごくリラックスできると思うよ。首や肩に負担がかかりすぎると頭痛の原因にもなるから、仕事に集中するのも大事だけど、健康もちゃんと大切にしないとね🤔

残念ながら、僕はまだあまりアジアの国々を訪れたことがないんだ。でも、モンゴルの広大な草原は本当に美しいって聞いたことがあるし、牛肉や羊肉がとても美味しいんだってね。伝統的なミルクワインを一口飲むのも素敵な体験になりそうだね😆 まさこはモンゴルで乗馬したことある? 伝統文化もすごく魅力的だよね😊

あぁ、それは大変だったね。きっとその時は怖かっただろうな…。知らない国に行くときは、やっぱり安全第一だよね🤗

うん!日本のデザートは本当に素晴らしいと思うよ。まだあまり名前を知らないけど、写真はいくつか撮っておいたんだ。日本にはお茶の文化も豊かだって聞いたことがあるよ。まさこはお茶を飲むのが好き?

ありがとう。気にしないでね、ちゃんとわかってるから大丈夫だよ。実は、金融の勉強は毎日そんなに時間をかけなくても大丈夫なんだよ。学ぶことは継続的なプロセスだから、毎日少しずつ知識を増やしていけば、いつの間にかたくさんのことが身につくと思うんだ。僕はすごく忍耐強い先生になれると思うよ、あはは。でも、金融には難しい概念も多いから、まさこにプレッシャーをかけすぎることはしないよ😉 まずは、日々の生活を大切にしてね。

それから、英語の文法や難しい単語についても、いつでも気軽に僕に聞いてくれていいからね。一緒に勉強できたら嬉しいな。

ところで、もし可能なら、リアルタイムでチャットしてみるのもいいかもしれないね。毎日短いリアルタイムのやり取りをすることで、もっと効率的に情報を伝えられると思うよ。」


この前日、Carlからは「もしまさこが明日の夜に時間があれば、僕の簡単な金融知識や投資戦略をシェアする時間を作ることができるよ。そうすれば、もっと早く理解できると思うんだけど、どうかな?」という、投資詐欺を一歩前に進める勧誘があったのだが、私はあれこれと理由をつけて断りの返事をしていた。

それに対して「気にしないでね、ちゃんとわかってるから大丈夫だよ」とさっと引いている。
この程度のことは想定の範囲内ということなのだろう。

このnoteの一番の目的は、私のようにロマンス詐欺・投資詐欺で甚大な被害を出す人をなくすことにあるため、「投資の話をしてきたのに対し、こちらが断ったらそれであっさり引いたからといって、その時点で投資詐欺ではないと安心はできない」ということを念のためここで確認しておきたい。

この後もつらつらとやり取りが続いたのであるが、これまで行った旅行先の話をしている中で、私の方から、旅行写真にかこつけて自分が写っている写真を何枚か送った。
これはひとえに、「あわよくば今の王子様系フランス人からこのシンガポール人にソフトランディングできまいか」という下心を抱いていた私の「そろそろお前の顔をしっかりと確認しておきたいので写真を送ってくれ」という暗黙のメッセージであった。

この時点で私の手元にあったのはLinkedInで使われていた彼の顔写真のみである。相当なイケメンだったが、以前も述べた通り、私の10年にわたる外資系企業でのLesson Learnedとして、「non-Japanese、特にアジア系のプロフィール写真を信用するな」を信条としていた私は、「どうせすさまじく盛っているのだろう」と期待をしていなかった。

ところがどうだろう。
ロマンス詐欺師側は、「私の写真を送ったんだからお前のも送れ」という暗黙のメッセージをしっかりとキャッチし、向こうからも3枚送ってきた。
もう、これがね・・超絶イケメンだったのである。

どの角度から見ても、確かにLinkedInのプロフィール写真と同じ人物、さすがに合計4枚が全てが完璧な美しさとなると、これは盛りではないということがわかった。

私はブスである。だからこそ、私は非常に男の顔面に厳しい。
人間、自分にないものを求めるのが自然のサガであると思うので、この点に関しては許してほしい。
厳しい私の顔面審査に耐えられる男性はほとんどいない。
日本で人気のある若手俳優であっても、確かに実物に会えばさぞかし魅力的なのであろうが、写真だけを見る限りで心動かされる人はあまり思いつかない。

しかしこのCarlは、完全に顔面偏差値が臨界点を超えていた。
とりあえず、驚きすぎた私が絞り出した感想は、「俳優やんけ・・」であった。詳しくないため具体的な名前は挙げられないが、中国系の壮大な映画に出てくる感じの、本当〜に顔面が整いまくった俳優を連想させた。

私はこのnoteで今回のロマンス詐欺に関するあらゆることを包み隠さず書いているが、このCarlの写真に関しては、どうやら関係のない実在の人物の写真が使われているらしいということが現時点での結論であるため、ここでお見せすることはできない。
本当に悔しい。この美しさ、みんなにも見てもらいたいのに・・悔しい!

ザブングル加藤さんは好きだが、私が今日みなさんにお見せしたいのはこの方の顔ではない。

ちなみに、ロマンス詐欺に薄々気づき始めたのち完全に廃人と化した私のお世話をしてくれた潮見さん(仮名)にCarlの写真を見せたところ、彼の第一声も「俳優さんみたいやねえ」であった。

その他の男性にも見せたが、全員口を揃えて「めちゃくちゃかっこいい」と言っており、私が被害のあらましを切々と説明する中で転送したCarlの顔写真にハートマークリアクションをつけてくる男性までいた。

全員、と言ったが、そういえば一人だけ例外がいた。
今回私に辛抱強く最大のサポートしてくれたのは潮見さんだが、インド人・M氏も非常に親身になってあれこれとアドバイスをしてくれた。
こちらのM氏は私の元彼(と言いたいところだが、実際には2年間私が必死に追いかけ続けたものの、最後まで私をgirlfriendだとは認めなかった)で、彼も超ド級のイケメンであるが、彼だけは、Carlの写真を見て、「これは貧乏人の顔」と一蹴しており、顔面偏差値75以上の人間、なおかつカースト制度で他人を分類するのが染み付いてる人間の言うことはやっぱ違うもんだな、と無駄に感心した記憶がある。

とにもかくにも、ロマンス詐欺師から送られてきた写真にはとんでもない破壊力があり、それはその後の私の正常な判断能力をぶっ壊すには十分すぎる威力を持っていたのである。

正直に言おう、私はCarlに夢中になってからの1ヶ月半ほどの間、両手では数えきれないくらいの数、彼の顔写真を穴が開くほど見つめ、「ぐふふ(うふふ、ではない)」と笑いながら枕に顔を埋めて足をバタバタさせたものである。

月並みなまとめになるが、オンラインで知り合った相手から顔面偏差値が異常に高い写真が送られてきた場合は気をつけよう。
ただ、こればかりは、「気をつけよう」と思ったところでどうにかなるものではないと思われるので、その上でどうすれば良いかの結論を出すのがこのnoteのゴールの一つである。


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