DTAオンライン決戦、参加のためのわかりやすいやつ
シーア「あれ、ここ……どこ?」
???「おはようございます、目覚めたみたいですね」
シーア「えっ!? だ、誰……?」
リッカ「私はリッカ。リポートスターズ小隊のリッカです」
シーア「あ、えっと、アウトサイダー隊のシーアです。あの、これは……」
リッカ「ここは万能情報管理庫の中。あなたも私も、仮想人格としてこのサーバー内に再現された、いわゆる偽物に過ぎません」
シーア「自分を思いっきり否定されたみたいでそれはなんだかやだな……」
リッカ「ではバーチャルアバター存在としておきましょう。それより、私たちがここにこうして存在する理由はわかりますか?」
シーア「えっ、と……それが分かればあまり困ってないというか」
リッカ「ですよね。では私から説明します。私たちはD-phoneの戦闘能力を電子的に計測すべく、そのランダム性および実践的観測性を重視して仮想人格として用意された、戦闘シミュレーションプログラムです」
シーア「待って待って待って。多いよ文字が」
リッカ「大丈夫です、私の指示に従っていけば、何も問題なくことが進みます。まずは落ち着いて」
シーア「う、うん……つまり、私たちはその、他のD-phoneたちを戦わせれば良い、ってこと?」
リッカ「正解です。どうしたら戦えるのか、それを今から伝授します」
シーア「わかった、やってみるよ。よろしくねリッカ」
選出
リッカ「まずは戦闘を行うD-phoneの選出を行いましょう」
シーア「うん。これは誰でもいいの?」
リッカ「はい。一般的に販売され、流通しているシルフィーやクロムといったD-phoneから、ユーザーが独自にカスタムしたD-phoneでも問題ありません」
シーア「じゃあ、戦うんだよね。イメージが強いし、マレットにお願いしようかな」
リッカ「では私は、同じリポートスターズ小隊からシキを選出します」
シーア「……あれ、目の前に出てきたけど、二人とも動かないね」
リッカ「はい、シミュレーションですから。ここから彼女たちの特性を数値化し、命を吹き込んでいきます」
陣営
リッカ「最初に行うのは陣営の決定です」
シーア「陣営? 陣営っていうのは、センチネルかドラグーンかってこと?」
リッカ「そうです。他に現在確認されているのは、どちらにも助っ人として入ることができるフリーライダー、そして破壊活動のみを繰り返す両陣営の敵、ブラックラビッツです」
シーア「マレットはドラグーンの信号を使ってるんだよね」
リッカ「ではマレットさんはドラグーン陣営ですね。シキは私と同じ、フリーライダー所属です」
シーア「これ、たとえば『ボディはミレニアだけど、頭はシルフィー』みたいな、どっちも使えるカスタムされてる場合はどうするの?」
リッカ「そのD-phoneが日常的に使用している回線に準拠してください。自分と同じ陣営のD-phoneとは戦闘比較を行わないので、戦う場合は陣営を分けるなりした方が良いでしょう」
シーア「なるほどね!」
タイプ
リッカ「次はタイプを決めましょう。タイプは全部で5+2種類あります」
シーア「7じゃなくて?」
リッカ「5+2種類です。基本の5種類に加えて、特殊な2種類のタイプが存在します」
シーア「じゃあまずは基本の5種類を教えてよ。いきなり+2って言われたからびっくりしちゃった」
リッカ「すみません。基本の5種類はそれぞれ索敵、妨害、攻撃、防御、補充です」
シーア「ごめんやっぱり覚えられなさそう! 一個ずついい?」
リッカ「もちろんです。これらはそれぞれ、そのD-phoneの得意なことに対応しています。それぞれの闘い方を考えて貰えば、自然とこれらに振り分けられるはずです」
シーア「マレットはかなり戦うの大好きで、自分からガンガン攻めるタイプだから、攻撃タイプかな?」
リッカ「シキは相手の前に立ちはだかり、足止めをしつつカウンターを入れる闘い方をするので、防御タイプです」
シーア「あ、ついでだからひとつ聞いていい?」
リッカ「はい、もちろん」
シーア「索敵、妨害はなんとなく想像つくんだけど、補充ってなに?」
リッカ「補充は、平たく言えば他のD-phoneのサポートを行うのが得意なD-phoneですね。電力を分け与えたり、射撃精度を上げたり、アプリの強化をおこなったりというイメージです」
シーア「なるほど。でもそれって「支援」じゃないの? なんで補充なんだろう……」
リッカ「それは次の項目で説明しましょう」
ステータス
リッカ「D-phoneはそれぞれ、5ステータスでその戦闘能力の高さが表現されます」
シーア「なんとなくわかったよ。それ、タイプと合致してるんだ」
リッカ「その通りです。ステータスはそれぞれ情報、機動、火力、耐久、電力です」
シーア「索敵が情報、妨害が機動、攻撃が火力、防御が耐久、補充が電力と繋がってるんだね。あ、だから補充だったんだ」
リッカ「そうです。なので、ハッキングなどの情報戦が得意なD-phoneはこの分類方法で自然と索敵タイプとなります。もちろん、情報を抜くのではなくウィルスを送り込む闘い方をするんだ、という場合は、妨害タイプと表現したって構いません」
シーア「厳密なルールじゃなくて、より自分のイメージに近づけるためのガイドラインみたいなものなんだね」
リッカ「その通りです。なので、先に紹介した「ウィルスを送り込む情報妨害型D-phone」なら、タイプは妨害で、情報のステータスが高くなります」
シーア「ステータスが、高くなる……?」
リッカ「こちらを先に説明すべきでしたね。ステータスは5項目に31点を自由に割り振る形で設定されます」
シーア「自由に割り振る……って結構難しくない?」
リッカ「はい。フラットにすれば6が4項目、7が1項目になります。まずはその数値から、得意不得意を考えて振り分けていくと良いでしょう」
シーア「んー、マレットは攻撃と防御が高くて、機動力もあるし……あ、でも考えなしで電池の持ちもアプリ使ってるとあんまりだから、情報と電力を減らせばいいのかな」
リッカ「そんな感じでイメージを数値化していってください」
シーア「ステータスは0にしてもいいの?」
リッカ「構いませんが、戦闘はステータスを上から比較していくものになります。最大5回、数値比べをするんですが、0だと勝利することも無くなるので、あまり推奨していません」
シーア「じゃあ最低でも2とか3はあったほうがいいんだね」
リッカ「ここがとても難しいんですよね。ですが、勝敗を分ける大事なものなので、よく考えてください」
シーア「ちなみにだけど、合計が31点にならなくてもいい、とかは?」
リッカ「もちろん大丈夫です。破損などを表現するために合計値をわざと少なくすることは問題ありません。ですが、戦闘シミュレーションとしてそれをわざわざ行うことは、勝利の可能性を減らしますし、お互い同条件での戦闘にならないのであまり推奨していません」
シーア「なるほど……」
リッカ「最後に、先ほど決めたタイプに付合するステータスに「タイプボーナス」で+1を加えます。これは合算ではなく、横に+1と書いておくと良いでしょう」
スキル
リッカ「ステータスは決まりましたか?」
シーア「うん、どうにか…情報3、機動7、火力10+1、耐久10、電力1にしたよ」
リッカ「わかりやすく火力と耐久に割り振った代わりに、電力が犠牲になった感じですね。そしたら次はスキルです」
シーア「スキル……なんだか難しそう」
リッカ「これは文字通り、戦闘で発動する特殊能力のことです。とはいえ、こちらもテンプレートから選択して名前をつけるだけなので、そう難しいことはありません」
シーア「テンプレート?」
リッカ「こちらです」
シーア「急にメタいなぁ……って、かなり膨大じゃん!」
リッカ「そう見えますが、恐れることはありません。どれも似たようなスキルの発動条件が異なっているだけです」
シーア「本当だ、どっちもパワーアップ系のスキルだけど、トレースシグナルは相手が索敵タイプの場合で、レーサーシールドは相手が妨害タイプの場合だ」
リッカ「基本的にステータスの変動値が大きければ大きいほど、厳しい条件がついてきます」
シーア「なるほど、バーンアウターは相手の火力ステータスを下げるスキルだけど、相手の火力が10以上ないとそもそも発動しないんだ」
リッカ「はい。逆にハードコートは自分の耐久+1ですが、発動条件はなく、無条件に発生します」
シーア「上がり幅が小さいけど、必ず出る、って感じなんだね」
リッカ「この中から自分の出場させるD-phoneに合ったスキルを選べば大丈夫です」
シーア「でも、名前はどうにかならない?」
リッカ「スキルの内容が間違っていなければ、名前は好きに変えてもらっても構いません」
シーア「厳密じゃないんだ……じゃあマレットのスキルは「ハンドマニピュレーター」にして、内容はピンチヒッターにしようかな。相手が攻撃タイプだと、自分の火力が上がるやつ」
戦闘
リッカ「ではこれでバトルの準備が整いました」
シーア「私のマレットと、リッカのシキだよね」
リッカ「はい。お互いのステータスをここで確認してみましょう」
マレット(ドラグーン所属、攻撃タイプ)
情報:3
機動:7
火力:10+1(タイプボーナス)
耐久:10
電力:1
スキル:ハンドマニピュレーター(相手が攻撃タイプの場合、自分の火力+4)
シキ(フリーライダー所属、防御タイプ)
情報:4
機動:4
火力:10
耐久:8+1(タイプボーナス)
電力:5
スキル:妹には指一本触れさせん!(相手の火力が10以上の場合、相手の火力−3)
リッカ「では戦闘開始です。まずは「タイプ有利」を判断します」
シーア「タイプが有利だと、何かあるの?」
リッカ「どちらかといえば不利だと何かある、という感じですね。自分の苦手なタイプが相手の場合、タイプボーナスが打ち消されます」
シーア「えっ、じゃあ相手は合計で32点なのに、こっちは31点ってこと!?」
リッカ「その通りです。矢印の方向に有利、不利として、防御→攻撃→補充→索敵→妨害→防御と輪を描きます」
シーア「む、難しい……有利でも不利でもないタイプは、何も起こらないんだね」
リッカ「その通りです。そしてシキはマレットに対して有利なので、マレットのタイプボーナスが打ち消されます」
シーア「ほ、本当だ! ずるい!」
リッカ「ずるくはないです。次はスキルのチェックを行います。マレットのスキルは、シキが防御タイプなので発動条件を満たしておらず不発。シキのスキルは逆に発動条件を満たしていますね」
シーア「マレットのステータス見てこれ組み立てたんじゃ……」
リッカ「シーアさんが考えている間に私はすでに終わっていました。さて、スキルの発動も確認できたので、効果を処理して最終ステータスを確認しましょう」
シーア「うぅ、負ける気がする……」
リッカ「まずは情報ですが、マレットが3に対してシキが4なので、これはストレートでシキの勝利ですね」
シーア「順番に行くってことは次は機動ステータス勝負だね。マレットが7で、シキは……4だ! これは勝ったよ」
リッカ「次は火力ですが、シキのスキルによって−3を受けているうえ、タイプ補正がかかっていませんから、10−3で7ですね。
シーア「対するシキはしっかり10持ってる……! 負けたぁ!」
リッカ「ここまでマレット1勝、シキ2勝です。残り二つをマレットが勝てれば逆転ですが、防御は……」
シーア「マレットが10、シキがタイプボーナスを入れても8+1で9しかないよ!」
リッカ「得意なステータスだったはずなんですが、負けてしまいました」
シーア「この勝負わからなくなってき……しまった! マレットの電力は1なんだった!」
リッカ「対するシキは5なので、総合結果でシキが勝利です」
シーア「悔しい〜!」
引き分け
シーア「今回はうまい具合に勝負がついたけど、これ数字を比べるだけなら、引き分けの場合もあるんだよね?」
リッカ「もちろんです。お互い2勝し、引き分けが一つはいると、結果は引き分けになってしまいます」
シーア「なんだかモヤモヤするなぁ」
リッカ「そんなモヤモヤを解消するために、引き分けルールが存在します」
シーア「そうなんだ! どんなの?」
リッカ「手早く勝負を決めるために、まずはタイプ有利である方が勝利です」
シーア「タイプの有利不利って、むしろなかなかならないんじゃ……」
リッカ「はい。なのでそしたら次は機動を比較します」
シーア「あれ? さっきとやってること同じじゃない?」
リッカ「いえ、これはあくまで先攻後攻を決めるものです。数値の大きい方が先行となり、先攻の火力が後攻の耐久を上回れば、先攻の勝利です」
シーア「上回らなかったら?」
リッカ「先攻後攻を入れ替えて、今度は後攻の火力が先攻の耐久を上回るかを見ます」
シーア「それでも引き分けってこともあるよね」
リッカ「最後に電力を見て、大きい方が勝ちです」
シーア「電力も捨てちゃダメってことかぁ。でも、もし、もしもだよ、それでも決着がつかなかったら……」
リッカ「そこまで戦って決着がつかないのであれば、両者の実力は互角だと考えるしかありません。完全に引き分け、です」
シーア「ふーん……ねぇ、タイプも有利不利なくて、機動も同じだったら、先攻はどっちになるの?」
リッカ「どちらも先攻になります。同時に数字を比較して、貫いた方が勝ちです。ちなみに、同値では「ギリギリ守った」と判定されるので、数値はしっかり上回らなければいけません」
シーア「……これ、図にした方がいいね」
リッカ「準備しておきます」
大型機・概要
シーア「ところで、気になってたんだけど、スキルテンプレートシートに「大型機」「一般機」ってあるけど、これは何?」
リッカ「大型機は「超巨大なD-phone」のことで、一般機は「戦闘能力を持っていない、あるいは特化していないD-phone」のことを指しています」
シーア「まずは大型機から教えて!」
リッカ「はい。大型機は文字通り大きいもの、具体的には次の三つの条件のうち、一つでも当てはまっていれば大型機として判定します。
・装備をすべて付けた状態で自立させることができない、または装備に持ち上げられてD-phone本体が地に足をつけることができない
・装備の最も長い部分を測った際の大きさが15㎝以上。これは高さ、幅、奥行きのどれかでかまわない。ナナメ計測は禁止とする。
・D-phoneの身長より倍長い武器(16cm以上)を持っている、またはD-phoneの身長より長い武器(8cm以上)を二つ以上持っている。これは「手にしている状態」であり、背面のハードポイント(穴)に何らかのアタッチメントを使って装着している状態は含めない。」
シーア「結構難しいんだけど!」
リッカ「地に足がつかない、装備に支えられている、装備や武器がD-phone本体より倍ほどの長さがある、といった印象のものです」
シーア「ヴォルパーティンガーは間違いなくでしょ、あとはガネーシャとかブリングルスディとか、エヴァシリーズとか?」
リッカ「フェリルナビットは該当しますが、モード・ケルベロスは該当しません」
シーア「なんとなくわかったよ。作り方はどうするの?」
大型機・作成
リッカ「大型機も陣営とタイプまでは同じです」
シーア「ふむふむ……」
リッカ「ですが、ステータスの割り振りは21点しか使いません」
シーア「あれ!? 大きいから強いんじゃないの?」
リッカ「強いですよ、とても局所的ではありますが」
シーア「どういうこと?」
リッカ「大型機は通常機とは違い、得意なステータス、タイプと噛み合ったステータスを0にした方が良いです」
シーア「でもさっき0は弱いって……」
リッカ「大型機は、タイプ補正が+1ではなく、+∞になります」
シーア「プラスムゲン!?」
リッカ「そのステータスでの勝負なら絶対に負けない、ということです」
シーア「なるほど……それで残りの4ステータスで2勝することを考えればいいわけだから、情報11、機動10、火力0+∞、耐久0、電力0でもいいんだ」
リッカ「もちろんです。しかし引き分けになった場合や、タイプ不利でタイプボーナスを失うと、一気に弱体化します」
シーア「そ、そうだった……! これも難しいね」
リッカ「ステータス配分が決まったら、最後に大型機スキルから一つを選んで完成です」
一般機
シーア「じゃあ最後は一般機だね……非戦闘型だっけ」
リッカ「もしくは武器はあれど、戦うことが苦手なD-phoneですね。デスクトップシンガーなどもここに該当します」
シーア「じゃあまずは陣営とタイプを選んで……」
リッカ「ストップです。一般機は「タイプ:一般」となります」
シーア「何それ!?」
リッカ「タイプボーナスがかからないタイプです」
シーア「一気に戦闘が苦手っぽい感じになるね……」
リッカ「加えて、ステータスに分配できるのは21点」
シーア「タイプボーナスもなし、21点だけって、それじゃ勝てないよ!」
リッカ「はい。勝てません。が、それで良いのです」
シーア「ど、どういうこと?」
リッカ「一般機のスキルは、敗北して効果を発揮するものだからです」
シーア「本当だ、勝負に負けた場合、って書いてある」
リッカ「後続のD-phoneを助けるためのスキルが多いのが、一般機スキルの特徴です」
シーア「なるほど、自分は早々に撤退しつつ、仲間を助ける、それが一般機なんだね!」
おしまい
シーア「よし、これでたくさん作って……たくさん作って、これどうするの?」
リッカ「Twitterにてこのルールの提唱者である @ExtDTA が不定期的に「DTAオンライン決戦」を開催しています。その時々でハッシュタグは変わりますが、その期間内にエントリーし、戦わせ、戦闘シミュレーションデータを収集するのが目的です」
シーア「たくさんのD-phoneが集まる様子も見れて面白そう!」
リッカ「次回開催が楽しみですね」
シーア「よし、それまでたくさんのD-phoneのデータを集めておかなくちゃ!」
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