コロナ禍での決断。最後のわがまま。
ひとつ決断をした。
ここ一カ月間は思考と決断の数が多かった。感情の動きも多く、この思考や感情を文章に残しておきたいので、自分のために書く。
結論から言うと、
明日からジョージアという国に1カ月間ビジネス留学に行くこと。
時はさかのぼること一か月半前、8月中旬のまだまだ暑さが続く夏日。夜ジムから帰ってきてベットでだらだらしながら寝る前にTwitterを開いた。いつも通り適当にスクロールしながら、気になるツイートだけパッと目を通す。そこで一つのツイートに目が留まる。ジョージアという国でノマドワーカーとして働く方が企画するプログラムがリリースされたよというもの(https://nomadnia.net/)。最初は興味本位でホームページを開いてみた。見終わった後の感情は「めちゃめちゃ面白そう」。これだけだった。でもすぐに頭で考えるとそもそもこんなご時世で海外に行けるの?世間的にまずいんじゃないの?隔離とかないの?なんてことが頭によぎった。
僕は面白そうとかそういう感情だけで後先考えずに行動するタイプではない。いったんその日は放置した。
そして次の日。また次の日。朝起きても忘れずにその事を思い出す。気になるという感覚は消えなかった。とりあえず話だけ聞こうと思い、説明会に応募した。正直自分が参加する決断をするとはその時はまだ全然思っていない。
説明会に参加してみて「これは自分のためになる」と確信した。言語化するのは難しいし、多分挙げたらキリがないほど出てくると思うけれど、「自分にとってプラスになる」という気がしてならなかった。
ただ説明会終了後即決断ができなかった。
(決断は人より早い方であると思う)
すぐ決断できない理由は3つあった。
一つ目はやはりコロナ禍であること。8月の中旬はオリンピックの真っ最中で、日本での感染者数も毎日5000人を超えていた。ご時世的にも海外に行くという流れは全くなく、まだまだあまり良しとされない風潮がある。そして僕自身コロナはそれほど気にしていなかったが、地方にいる親がコロナの事を常に気にしている。親の説得含め、コロナ禍で挑戦がなかなかしづらい状況であった。
二つ目はお金。口座の貯金残高を見て、どれだけ計算してもシンプルにお金が足りなった。
三つめは内定先。実は、僕は9月から内定先で早期入社というシステムで入社することが決まっていた。学生ではあるもののコロナ禍で特にすることないし、早めに入社して同期で誰よりも成果上げてやろうと思っていた。
これらの三つの理由ですぐに決断はできなかった。
そこで説明会参加から数日後、主催者であるKOHさんとZOOMで1on1の面談をしていただいた。本当に自分にとってメリットがあるのか確かめたかったからだ。KOHさんはいくつかの質問に中立的に事実を述べてくれた。そして最後に決断に迷った時はどんなことを考えているかということを聞いてみた。するとKOHさんは、
「自分は良い具合に人生どうでもいいと思ってるからすぐ決断できる。そして二つの選択を両方経験できるわけではないから、そこを考えることに意味はない。それよりも一つの事を選択してそれ以降そこで成果を挙げるように集中する。」と言っていた。
この面談後すぐに参加する決断をした。三つの障壁と参加することのメリットを天秤にかけたら、参加することのメリットの方が大きいと思ったから。自分にとってプラスの方が大きいと確信を持てたからである。
それから一つずつ障壁を取っていく。
一番ハードルの低い内定先への早期入社辞退から。いつもお世話になってる人事の方に電話をした。入社直前で絶対怒られると思ったが、人事の方は「いいね!学生しかできないことやっておいで!」と背中を押してくれた。もう入社後の部署もメンターも決めて、PCも用意してくれていたらしい。入社後は成果で恩を返そうと思う。。
次に親への説得。ここが一番と言っていいほど大事だった。一回それとなくこの事を母親に話すと大反対された。田舎に住んでいて主にテレビから情報を得ている親にとって、都会に住んでいるだけでも心配しているのに、海外なんて更に危ない。という意見だった。まあ予想はしていたけれど、自分で決めたから何とか説得したかった。そして高校の時に留学した友人なんかに電話で相談してみた。その友人は留学のための資料を自分で用意して見せたり、予定を自分で立てて親に何度もプレゼンしたらしい。これしかないと思った。ジョージアという国に関してコロナ感染者数の比較や、治安などをパワーポイントにまとめて両親に電話でプレゼンした。親にこんなことするのは初めてだったので、多分熱意や本気度が伝わったのか、「本気で行きたいなら仕方ない。行っておいで。」と許してくれた。親の広い心に感謝。。
最後にお金。シンプル。渡航のためには約15万円ほど足りなかった。普段のバイトでは頑張っても月10万円しか稼げなかったので、どうしようと思ったが、考えた結果住み込みバイトしかないと思った。生活費を限りなく抑えて、稼ぐにはこれが最適解だった。そうと決まれば即応募。住み込みバイトに行ってる友達なんかにも色々相談しながら、応募する。速攻決まるでしょと思ってたけれど難航。普段であればたくさん求人があるはずが、コロナの影響で観光地のホテルや旅館もキャンセルが相次ぎほとんどなくなっていた。数少ない中で一つ決まったと思ったら、関東に住んでる人はコロナが心配なのでやはり受け入れできないとの連絡が来たりして、中々決まらなかったりした。そんな中でも諦めず探し続け、地元の近くの富裕層向けホテルでレストランで働くことが決まった。8月後半から9月の後半の一カ月間は住み込みバイトでほぼ毎日働いていた。周りの人に恵まれて毎日何とかやり切ることが出来た。一カ月間働いた中での一番の気づきは、やりたいことがあると、やらなければならない、やりたくないことも頑張れるということ。ここでの学びはいくつかあったので機会があれば別のnoteで書きたいと思う。
このようにして何とか越えなければならない壁を一つ一つクリアした。一見無理だと思うことでも、思考し行動し続ければ案外何とかできてしまうもんだ。
出発のための大きな壁は乗り越えて、準備は整った。いよいよ明日の夜日本を出発する。正直この一カ月半はバタバタしていてしんどかった。そしてコロナ禍ということもあり、ワクチン接種証明書を用意したり、PCR検査を受けたり、面倒な準備も多々あった。今の心境的には出発できる状態まで持ってこれたことへの安堵感と、今後の一カ月間への期待と不安が入り混じっている。今後自分にできることはこのプログラムに参加して良かったと本気で思えるように最大限遊び、学ぶ。吸収できるものを全て吸収してくるつもりだ。この決断をして良かったと思えるような未来を自分で作る。
選んだ道を正解にできるように頑張ります。
2021.10.01 小畑陸