ママかじゃない方~女の一生~
女性の生き方は選ぶ道によって本当にいろんな選択肢に分かれますが、大きく2種類に分けるとしたら「ママかそうじゃないか」になるのではと思います。ここで言う「ママ」とは広い意味で言うと「子供を産んだことがある女性」となります。でも意味合いとしてはもっと狭く「既婚者で子どもがいる人」、つまり今の日本において「女性の生き方として最もポピュラーである生き方をしている人」をイメージしています。同性ながら、この2つのグループに横たわる溝は、ある意味マリアナ海溝より深いのではないでしょうか。
私はどちらに属するかと言うと「じゃない方」=「子供を産まなかった、子供がいない」人生です。現在40代半ば、自然妊娠もほぼ難しい年齢ですが、私の場合は完全に妊娠、出産は無理です。なぜなら婦人科の病気により30代で臓器摘出をしているからです。私の年代になると友達、仲間内でも婦人科系トラブルを抱えている人は多く、中には「子宮を摘出した」とか「今度子宮摘出手術を受けることになった」という話はよく出てきます。ただ私の場合は両卵巣も子宮と同時に摘出しました。卵巣があるかないかは結構異なります。手塚先生のブラックジャック世界なら、私は男装して船乗り医師にならないといけません(わからない人は「ブラックジャック」を読んで下さい。)
卵巣は女性のシンボルなので、良く決断出来たねと思われるかもしれません。しかし私はこれまでの人生で「子供を産みたい」と思ったことがないのです、本当に。なのであまりにも生理前、生理中の痛みがひどく、生活のQOLが低かったので、主治医から全摘出の時じゃないかと言われた時もそのまま受けとめることが出来ました。子供を産めなくなることよりも、更年期障害が若くして出る方が不安でした。
なぜ子供を産みたいと思ったことがないか。私の実家は家族中が悪く結婚にいいイメージが持てなかったこと。また大学卒業後病気になり、もし自分が出産して子供に遺伝したらと思うとかわいそうに感じたからです。正直自分自身が生きるのに精いっぱいでとても他の余裕がないというのが本音です。
さて、40代半ばで既婚歴なしな独身の私。世間では40代で一度も結婚歴がない男女は、人間としてどこか致命的な欠点があるからだと言われたりします。そうかもしれませんが、じゃあそういう話を吹聴する人に言いたい。予期せぬ病気、超氷河期となった社会情勢。人生自分ではどうにもできない状況というときもあります。「結婚して子供を持つ」ことが一般的な大人の姿とされている今、既婚者はどうしても独身の人を見下しているような気がします、被害妄想、気のせいかもしれませんが。肩身が狭いというやつですね。しかもこのマンティングをするのは、子供がいない夫婦じゃなくて、子供がいる夫婦、特に母親の立場の人が多いです。そういう人は年収の多い夫、社会的認知度が高くイメージのいい仕事をしている夫がいることを誇りにしていて、いい夫をつかまえて(に選ばれて)子供を産んだ幸せな私>結婚しているけど子供がいない女性>独身子供なし女性というように考えているケースが多いと思います。私が謎なのはどうして女性のHNには「〇〇ママ」「弁護士妻の日記」「私妻で母で〇〇です」のようなものが多いのでしょう。特に「〇〇の妻」って自分のキャリアじゃなくて夫のキャリアを全面に打ち出すのはどういう意図があるのかと勘繰りたくなります。その人自身が働いていればいいですが、もし専業主婦の場合、もし離婚することになったらどうするのだろうと考えてしまいます。
一方、同世代で独身、独り身の人も多いご時世でもあります。地元にいた時、私は趣味の社会人サークルに入っていました。ここは基本的に独身の男女がメンバーでした。30~50代メインで趣味の活動で土日集まれるのは、家庭がある人は難しいからでしょう。子供を連れての参加というのも主催者はNOとしていたので、そこはまさに独身者が落ち着いて楽しめる場でした。
それに世の中の偉人のマザーテレサから始まり、素敵な女優さん、天海祐希さんとか石田ゆり子さんとかだって独身です。そんな彼女たちに向かって「どこか欠陥があるからだ」と言いますかね。それってもう単純に本人が選んだ「生き方」であり、他人が批判したりマウンティングしたり、とやかく言うものではないと思います。
なぜこんなことを書こうと思ったのかと言うと、女性向けファッション誌からビジネス向けの雑誌まで、30代以上になると「ママ、子供あり」がデフォとなるものが多いからです。毎日これからの自分の働き方を考えて、起業した人の話を追ったりしています。そこでぶつかるのが同じ女性が働く、という話にしても「家庭がある人、子供がいる人」中心のものが多くて、独身向けが少ないと感じます。情報発信媒体、例えば人気音声配信Voicyを聞いても「働くワーママ」というカテゴリーで発信して人気となっている人が多いです。もちろんライフスタイルが違っても発信自体が有益なものは聞きます。しかしそこでも自分のマイノリティさを感じます。
人口的に数が多いからその人達向けの情報が多いのは世の常、マーケティング的にも仕方ないのでしょう。逆を言うと、「40代以上の独身女性向け」情報はある意味「ニッチ」なのかもしれません。私は日経ウーマンを昔から読んでいます。今お勧めなのは「ARIA」です。まさに40代以上のシングル女性向けビジネスの内容を発信しています。以前はこの系列で30代向けの「DOORS」も一緒に購読していましたが、今は読んでいません。年代もライフスタイルも異なって参考にならないことが増えたからです。30代と40代の女性というのは、本当に肉体的にも大きく変わりますからね。
ファッション雑誌だと年代的にはちょうど「VERY」でしょうか。以前はセレブママ向けというイメージでしたが、最近はリーズナブルな服を紹介したり、昔より読みやすいのでたまに読んでいます。「CLASSY」も結構好きですが、やはり30代向けだとちょっと違うんですよね。後は「マリソル」もいいですね。「GLOW」も40代向けですが、宝島社の雑誌は付録に力を入れている分、本誌の内容と厚み自体薄くなり、読み応えに欠けます。
話戻って、女性の働き方というワードで探索すると、いい記事にも出会えますが、どうしても子供がいる人向けが多いことから今日記事にしました。情報がないなら自分で作ればいいと思って、今取り組んでいます。私の学年は日本で一番子供の数が多いボリュームゾーン。その中のソロライフをしている同世代女性が集まれば影響力も増すと思います。独身女性の老後問題として、保証人問題など頭を悩ます問題があります。その辺を一緒に解決していきたいです。
最後に自分がマジョリティじゃなくマイノリティと引け目を感じても、この言葉を思い出して気にしないようにしたいです。
みんなちがってみんないい