アイコム株式会社 IC-V82と模倣品対策
レバノンでの無線機の爆発で、使用されたアイコム株式会社(以下アイコム)の無線機IC-V82について調べてみました。
アイコム株式会社の模造品対策
昨日、9月24日にアイコム株式会社から「当社製品の模造品対策の強化について」が発表になりました。英語版はここ。
模倣品
アイコムは公式発表でIC V-82は販売終了して10年のモデルであること、今回用いられたのは模倣品の可能性を公表しています。
模倣品対策で途中の出荷からホログラムを貼って対策をしているようです。
さて、中国のAliEpressを見てみると本記事のトップページの画像の通りIC-V82がUSD60.96などで販売されています。
(下のYoutube画像ではUSD42.45でした。)
掲載されている写真をみると、本体にICOMのロゴがなく、ICOMが登場するのはマニュアルのみで、模倣品のように見えます。
このモデルに使用できるバッテリーパックBP-210も互換品が多数掲載されているようです。乾電池を入れるパックもあり、構造がシンプルなのでしょう。
ところでこのモデルは下部にDTMFデコードユニットまたはデジタルユニットを内蔵可能なようです。
英語版ですが、取扱説明書ダウンロード可能でした。
爆発の方法
インターネットや各社のニュースに登場する映像を確認すると、無線機本体ではなく、バッテリーに爆発物を埋め込んだものと推測されているようです。
どのように爆発させたかが気になるところです。今のところ時限措置だったのではないかと推測されています。
オプションのDTMFユニットを付けて、Pager機能を利用するとしても、起爆タイミングに必要な信号をどこからとりだすのか?謎が多いです。
アフターマーケット対策・対応
安全保障輸出管理で、今回のアイコムのような問題が発生することを想定し、民生品を生産・出荷している場合、
関係部門と協力して中古市場のモニタリング、模倣が可能なものであれば模倣品対策またはモニタリングが必要です。
中古品や模倣品に対して対策をとっていることがこうしたときに必要となり、会社への不信感を払しょくする材料に使えます。
こうしたこと大変ですが、コストとのバランスも考えて関係部門(営業、現地代理店、販売店などと)行動することになります。
極めて大変です。
取材・マスコミ対応
Youtubeにアイコム株式会社への取材映像がアップされていました。
対応しているのはアイコム株式会社の榎本芳記取締役でした。
コーポレートガバナンス報告書によると(下のマトリクス)、法務リスクマネジメント分野は中岡社長か瀬戸常任監査役が担当になるところですが、今回は財務会計担当の榎本芳記取締役が対応したようです。
取材・マスコミ対応も想定しておくことも必要になります。
まとめ
簡単ではないですが、
・輸出管理の通常業務とは別にこのような対応が発生しないようにしておく
・こうしたことが発生したときに適切に・短時間で対応できるように
他社の事例を収集しておく、行動を決めておく、BCP対策をしておく
ということです。