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安全保障輸出管理 直近の外為法違反

以下は2020年以降の輸出に関する外為法違反をインターネットから拾ったものです。
都道府県の警察による逮捕、経産省による警告、行政処分などの事例があります。
不起訴、控訴棄却となったものも記載しました。こうしたことに巻き込まれないようにしたいです。

2024年7月10日 外国為替及び外国貿易法違反容疑で貿易会社社長を逮捕

軍事転用の恐れがある水上バイクなどをロシアに不正輸出したとして、大阪府警は、7月10日、ロシア国籍の貿易会社(アストレード株式会社)社長を外為法違反(無承認輸出)の疑いで逮捕しました。

2023年6月30日 外国為替及び外国貿易法違反企業に対する警告を行いました

経済産業省は、本日、株式会社SEALS(法人番号:7020001047346)に対し、厳正な輸出管理を求めることを主な内容とする警告を行いました。

https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230630006/20230630006.html

2021年11月17日 外国為替及び外国貿易法違反容疑で元役員を逮捕

株式会社ソニックの元役員ら3人は、2020年年7月1日、潜水艦など軍事用途に転用可能な高性能ソナー(水中音波探知機)を無許可で横浜港から輸出したとして、兵庫県警などから2021年11月17日、外国為替及び外国貿易法違反の容疑で逮捕され、元役員は同年12月に略式命令により罰金の処分を受けた。

2021年7月9日 外国為替及び外国貿易法に基づく輸出禁止処分等を行いました

7月9日(金曜日)、経済産業省は、宏栄産業株式会社、有限会社ジャストジャパン及びECOBANK株式会社による外国為替及び外国貿易法違反事件に関し、法人1社及び個人2名に対して、同法第53条第1項に基づく輸出禁止処分の通知を行うとともに、法人1社に対して、厳正な輸出管理を求めることを内容とする警告を行いました。

2021年3月12日 外国為替及び外国貿易法に基づく行政処分(輸出禁止等)を行いました

経済産業省は、本日、中島勇による外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」という。)違反事案に関し、外為法第53条第2項及び第3項に基づき、輸出禁止等の行政処分を行いました。

2020年4月3日 外国為替及び外国貿易法に基づく行政処分(輸出禁止)を行いました

経済産業省は、本日、松本(まつもと)進(すすむ)による外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」という。)違反事案に関し、外為法第53条第2項に基づき、輸出禁止の行政処分を行いました。


次の2件は不起訴、控訴取消しとなった事件です。
こうしたことも起こりうるのでしっかり証拠を残すことが必要です。
証拠がないと反論できません。証拠があっても…

(不起訴 2022年7月25日)2021年7月6日 有限会社利根川精工の外為法違反容疑に係る告発について

経済産業省は、外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」という。)に違反し、無許可で輸出しようとした疑いで、令和3年7月6日付けで、有限会社利根川精工(法人番号:9010802016746)を警視庁に告発しました。

2022年7月25日、東京地検は不起訴にする旨発表しました。
有限会社利根川精工は2024年8月末をもって閉鎖することを決定したそうです。

合同会社第一輸出管理事務所の本事件の振り返り記事です。
http://www.1st-xcont.com/TonegawaCaseReview.pdf

(控訴取消し・控訴棄却 2021年7月30日)2020年3月11日 外国為替及び外国貿易法違反で代表取締役ら3名を逮捕

突然2021年7月30日に控訴取消しとなり、国家賠償請求をしています。


経済産業省 安全保障貿易管理 事後審査(外為法違反)のページ

https://www.meti.go.jp/policy/anpo/violation00.html

日々の取引等で違反事例を発見した場合、毎年行う監査で見つけたときなど、速やかに経済産業省に自己申告・事後審査しましょう。
米国法の場合は、米国の担当機関に自己申告しましょう。


輸出管理部門のToDo

これら警告・違反者情報は経済産業省でリスト化していません。
対象が国内の会社・団体・個人取引ということもあり、CISTECが発行するCHASER情報にも掲載されません。
各社独自にデータ化することになります。
また、対象者が国内の会社・個人で、顧客審査を国内事業・国内取引の方々にお願いすることになります。

現時点で、行政命令の有効期間内の会社・団体・個人はありませんが、過去に事件を起こした・警告を受けている個人・団体をどう扱うのかは各社の判断になります。他の会社より慎重に最終用途・顧客を確認するのか、同等に行うなど。


システム化

ところでこうした会社名の照合作業、人間系で実施するのではなく、勝手に照合するシステムがあるといいですね。
先日、米国商務省BISのEntityリストに、会社名がなく、住所を記載したものが登場したことから、会社名だけでなく住所での照合も必要になっています。

住所だけが記載されたEntiryリスト
Address 01, Unit D, 16/F One Capital Place, 18 Luard Rd, Wan Chai, Hong Kong.
Address 02, Unit 04, 7/F Bright Way Tower, No. 33 Mong Kok Road, Kowloon, Hong Kong.
Address 03, Room 19C Lockhart Centre 301-307, Lockhart Rd. Wan Chai, Hong Kong.
Address 04, Room 803, Chevalier House 45-51, Chatham Road South, Tsim Sha Tsui, Hong Kong.
Address 05, Flat/RM 2309, 23/F, Ho King Commercial Centre, 2-16 Fa Yuen Street, Mong Kok, Kowloon, Hong Kong.
Address 06, Office 4, 16/F Ho King Commercial Centre, 2-16 Fayuen Street, Hong Kong.
Address 07, Room 1318-19, 13F, Hollywood Plaza, 610 Nathan Road, Mong Kok, Kowloon, Hong Kong.
Address 08, Room 1318-20, 13F, Hollywood Plaza, 610 Nathan Road, Mong Kok Kowloon, Hong Kong.

顧客審査の対策で、会社名を変えるということがあり、住所で特定をしようという動きです。

皆さんの会社では、新規・既存の顧客(得意先、納品先、購入先、物流会社など)とこうした懸念顧客情報との照合はどうしてますか?
システムでほぼ自動で照合作業をしていますか?
住所の照合をしていますか?
会社名や住所の表記揺れどうしてますか?
会社名や住所のメンテナンス(会社名変更、住所変更など)どうしてますか?
大変ですね。
以前に「安全保障輸出管理 システム」でシステムについて取り上げました、そのうちこの部分の機能について掘り下げてみるつもりです。



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