新型コロナと新たな人類システム
違うのだ。根本的に違うのだ。新型コロナのパンデミックは「我々が遭遇する最大の感染症危機」ではない。
我々はすでに「いままで」と「これから」が非連続な時系列にいることに気付くべきだ。いわば、我々はすでに進化の特異点を迎えているのである。
地球の温暖化は止まらない。人類システムはかつてなく複雑化し、地球環境はかつてないスピードで変化している。それと感染症の進行スピードは無関係ではない。
だから、新型コロナは「最大の感染症危機」ではなく、この規模で起きる「最初の感染症危機」なのだ。
例えば、システムが大きくなればなるほど致命的な「バグ」のインパクトは大きくなる。エンジニアはシステムダウンを避けるために何重ものセキュリティを敷くが、どんなシステムにもバグは起きる。
システムが複雑になればなるほど、対策も複雑になる。コンピューター・システムの場合は再起動が最終手段だが、人類文明システムの再起動は不可能だ。
だとすると稼働させながら治すしかない。冗長化させたシステムの一部を順番に止めてウイルスを消していくのだ。
温暖化のせいで南極大陸の凍土から未知のウイルスが解放されることは想像されていた。
今後5年程度でデング熱もマラリアも日本に定着するだろう。温暖化の影響だ。10年もすればシベリアが一大穀倉地帯になる。
感染症だけではない。活性化した地球は未曽有の地震や大火山の噴火を誘発するだろう。南米やオーストラリアの森林火災はさらに規模が大きくなるだろう。
温暖化により台風はますます強くなる。海水面は上昇し、水害は毎年起こる。首都圏でも人が住めない場所が出てくるのは間違いない。
システムが大きく複雑になればなるほど我々が遭遇するバグは大きくなる。「いままで」と「これから」は全く違う世界が来ることを想像しよう。
人類は引き返すことのできない道を進んでいるのだ。
「もう元には戻らないのだ」
社会には新たなバグに備える冗長性が必要だ。強くなろう。固定観念を捨てよう。テクノロジーを活用するのだ。今までの常識は通用しない。
新たな人類システムが必要だ。
これは変化の始まりであり、人類の進化なのだ。
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