46 本心を
一輝「え…俊…!?」
康太「やっぱりそうだよね〜。知ってた〜。(笑)」
雅也「俊…そうだったのか。」
康太「え、僕しか気付いてなかったの〜。」
俊「俺は…入学式の次の日、一輝に初めて話しかけたときからもう一輝が好きだったんだ。」
あのとき…!
俊「一目惚れだよ。一輝の普通っぽい見た目がすごいタイプでさ。それで一緒にいるとすごく楽しくて、どんどん中身にも惹かれていった。」
俊「懇親旅行の夜、一輝と一緒のベッドで寝たいって思ってたけど、言い出せなくて。今思えば康太は気付いてたから雅也の方に行ってくれたんだよな。」
康太「うん、丸分かりだったからね〜。(笑)」
俊「一輝も俺のことが好きなんじゃないか。でもただの友達だと思ってるかもしれない。本当の気持ちを知りたい。俺の気持ちも伝えたい。だから、告白しようと思ってたんだ。」
俊「でもあの日、雫に先を越されて終わったと思ったんだ。絶対雫にならオッケー出すと思ったから。でも一輝は雫をフった。もうこれは、俺と付き合いたいから以外に考えられないって思った。…恥ずかしいよねホントに。」
俊「だからあのときカミングアウトされてホントにショックだったんだ…。その次の日は一日寝込んでたな。俺のこの思いはどうやっても一輝には届かない。騙されてたとかそんなことよりも、それが一番辛かった。」
一輝「俊…ごめんな…。でもそれは…俺にも…。」
俊「分かってる。どうしようもない。だからこそ、俺は一輝を避けて、俺の中から一輝を消そうとしたんだ。」
俊「でも…出来なかった。やっぱり一輝が好きだから。」
雫「いつだったか俊くんから話しかけてくれたんだ。一輝くんのどういうところが好きなのかって。それから仲良くなって。だから今日も一緒に帰ってたんだ。」
俊「そう。一輝がノンケって分かった時点で、別に雫は恋敵でもなんでもないから。純粋に同じ人を好きな者同士で話せる仲になったんだ。こんな経験初めてだったよ。」
俊…本当はずっと俺のこと…。
亮佑「…もういいか。なんか勝手にベラベラ喋ってるけどよお、お前ら。」
亮佑「なあ、なんでさっき、俺らのやった行動全部お前に教えてあげたと思う?」
一輝「…。」
亮佑「なんで俺がお前らの好きだなんだの話をゆっくり待ってあげたと思う?」
俊「…。」
亮佑「お前らはここでくたばるからだよ!」
バンッ
俊を狙った亮佑のバットの攻撃を雅也が腕で受け止めた。
雅也「…バットなんかに頼ってんじゃねえよ。」