17 適応
雅也「にしてもGOGOショーすごかったな!めっちゃアクロバットな動きしてたじゃん!」
康太「そうだね〜。あの太めの人かわいかった〜。」
あ、そうだ、動揺してて推しGOGO作るの忘れてた!あ〜クソッ。でもまあ、中性的な男がタイプって言っちゃってるし、あの中に俺のタイプはいなさそうだったな…。
…にしてもあの女の人はどうなったんだろ。もう一人の男に連れていかれてたけど…。
と、思いをはせる暇もなく、次の場所に移動だ。シトリンデザートを通ってアメジストマンションに向かう。
一輝「集合時間17時だからここ乗ったらすぐダイヤモンドヘブン行かないとな。」
雅也「だな。」
アメジストマンションはフリーフォールのライドが目玉だ。康太はこれがちょっと苦手らしく、降りてから少ししんどそうにしていた。
アメジストマンションからダイヤモンドヘブンへ行く途中、俺は仕掛けた。
一輝「あ、今すれ違った人、割とタイプだった。」
俊「え、うそ、どんな人だった?」
雅也「おお、一輝もそういうこと言うようになってきたな!」
サラッと自分がゲイかのような発言をする。一ヶ月前の自分なら考えられなかった。
雅也「お、じゃああそこでホットドッグ食ってる三人組なら誰?」
一輝「あ〜〜〜、右以外の二人は好き。」
康太「お〜。」
以前の俺は、嘘をつく度に自分が自分でなくなる感覚がしていた。でも最近は、自分の中に新しい自分が生まれるような感覚になっている。
適応してきてるんだな。この感じならいける気がする。
ダイヤモンドヘブンに着いた。今の時点で時間はもう16時20分。ライドは諦めて、土産を買うことにした。
すると、男の人三人組が神妙な顔で近づいてきた。
男性客A「あの、さっき男に絡まれてませんでした?」
一輝「えっ!」
この人あのとき見てたのか!いや、そうだけど俊たちいるし今はちょっと…。
男性客B「あの人 気をつけた方がいいっすよ。よくこの辺で問題起こしてるやつなんで。」
一輝「あ、そうなんですか。あの…。」
男性客C「あなたも別にノンケなんかじゃないですよね、たまたま…」
一輝「ちょっと待ってください!先行ってて!」
俊「え、おう…。」
男性客3人を俊たちから離し、説明した。
一輝「あいつらにはあんまり詳しく行ってないんでちょっと…。」
男性客C「あ、そうなんですか、すみません。」
男性客B「俺ら、あの人どうなったかなと思って心配してたんすよ。」
一輝「あ、あの、園側に通報とかしてないですか?」
男性客A「いや、してないです。多分周りの人も見てただけだったと思いますよ。」
そうか、良かった。と安心した次の瞬間、男性客の一人が言った。
男性客B「でもあいつデカい声でノンケ呼ばわりとか最低っすよね。こんな普通の人がノンケなわけないじゃないすかねえ!」