1 ある日、突然、世界は変わった
俺は中学時代、同級生をいじめていた。
その同級生は、ゲイだった。
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俺は一輝。見た目も体型もいたって普通の男だ。今日は会珠(かいじゅ)高校の入学式。俺は今日から高校生として楽しい青春を送れるのを楽しみにしていた。
朝 目が覚めたとき、なんとなく違和感を感じた。いつもと同じ世界なのに、何かが違うような。
一輝の父「おはよう一輝。今日から高校生だな!3年間だけの高校生活、思いっきり楽しめよ!」
一輝「おはよう。まあ楽しむよ。」
一輝の父「今日入学式終わったら、俺いつもの人とまた会ってくるから。」
一輝「そうなんだ。頑張って。」
俺の家は父子家庭だ。母さんは俺が小学校に入学してすぐに死んだ。ずっと男手一つで俺を育ててくれた父さんだけど、最近いい感じになってる人がいるらしい。
俺としては再婚も出来るならしてほしい。それで父さんがいろいろ楽になるならその方がいいから。
家を出て、見慣れない通学路を歩く。すると、見慣れた顔が現れた。
誠慈「一輝じゃん、おはよ。」
誠慈は中学のときのクラスメイトだ。グループこそ違ったがそれなりに仲は良く、たまに遊んだりしていた。中学の同級生で同じ高校に来たのは誠慈だけだ。
一輝「ついに俺らも高校生だな!あー、やりたいこといっぱいだわー。」
誠慈「だな。例えば何やりたい?」
一輝「そうだなー、中学んときは男とふざけてばっかだったし、やっぱまずは彼女欲しいな!」
俺がそう言うと、突然誠慈が足を止めた。
誠慈「…ん?今なんて言った?」
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[その頃、ある病院に一人の男の子がいた。その男の子は意識不明の状態で緊急搬送された。速やかに手術が行われ、一命は取り留めたが危険な状態が続いていた。意識は戻らない。]