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あたりまえで今さらですが、
デザイナーの〈ナカキタ〉です。
先日、ほんとうに久しぶりにブース施工の現場に立ち会いました。
デザイナーというと四六時PCの前にへばりつき、外に出ないイメージがあるかもしれませんね。夜中までの残業とか、徹夜なんか普通にあって。たしかに、そういう一面もあるかもしれません。
忙しくて、目の前の作業に追われると、つい外に向ける意識が疎かになりがちです。特に今はネットの中に救いを求めれば大概のものは手に入ることができるでしょう。たしかに、便利ではありますが、、、。
デザイナーと言ってもいろんな分野がありますが、常に流行にアンテナを張り、世間の空気感に敏感でいなければならないのは共通しています。同じインプットでもそれを生身で実感するかしないかで成果物に違いが生まれるのは間違いないと思います。だからこそ現場に出る機会は大切にしたいと思うのです。
また、空間デザインに携わっていると、単に造形をデザインする以外に大切なことがいくつかあります。
・1メートルのスケール感は造作の前に立つと変わります。
・図面では簡単に描いてしまう高さも実際にハシゴの上に立つと足がすくむ高さです。
・カタログで選んだ素材は現場ではどう見えるでしょうか。
実感してみないと分からないことがたくさんあります。デスクの前から動かないでいるとそういうことが曖昧になってしまいます。空間をデザインする者にとってそれは怖いことです。
もうひとつ、現場から離れていると忘れがちになることがあります。
ブースがどう出来上がっていくか、その中で自分の描いたデザインや図面がどういう役割を演じているかです。ブースは何人ものスタッフが関わって仕上がっていきます。PCの画面の中では、指先であらゆることが可能です。色をを変えたり、備品の数を増やしたり、高い場所に照明を取り付けるのもクリックひとつで一瞬です。あたりまえですが現場ではそういう訳にはいきません。図面に間違いや不完全があると生じる手間は想像以上のものです。全体のスケジュールにも影響を与えます。
たかが線一本、一ヶ所の寸法指示、どんな些細なことでもいい加減にはできません。
重そうな道具袋を身につけてブースの周りを往き来しているスタッフを眺めながらそんなことを考えていました。
ブースは素敵に出来上がりました。クライアントにも満足だと言ってもらえました。次回への課題も見つかりました。そこに自分が少しでも関われた実感も安堵も、その場にいたからこそ味わえたのでしょう
あたりまえで今さらなのですが、そんなこと忘れないように次の案件に向かおうと思います。