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おにぎり

どこかの国でコンビニのおにぎりが500円だというどなたかのノートをよんで思い出した。

当時私はベルギーに住んでいた。息子は別の国の大学に通っていたが、長い夏休みはベルギーに帰省していた。ある年の夏休みが終わって大学にもどる時に、帰路で食べていくようにとおにぎりを数個もたせた。

クリスマス休暇もベルギーに帰ってきた。なんだかゴミまでいれて膨らんだ息子のバッグを片つけていたら、夏に持たせたおにぎりがそのまま潰れて入っていた。

髪の毛もぼさぼさで帰省したので「どうして髪をとかさないの?」と聞いたらブラシを持っていないというので「失くしたの?」と聞くと、いままで一度もブラシを持ったことがないので、一度も髪をとかしたことがないという。ちなみにブラシは持たせていた。

見たことのないブカブカのパンツで帰ったので「自分で買ったの?」と聞くと、穴があいたパンツをずっと履いていたら先輩がくれたと言った。

飛行機のなかで髪の毛ボサボサでサイズの合わないパンツをはいた若い男に会ったら、その男のカバンには5ヶ月前のおにぎりがはいっているかもしれない。

選べなかったわけだけど、女の子がよかったと思うことは何度かあった。