からだの違い
幼稚園年長~小学校2年生まで、同じアパートにヨシくんという男の子がいた。よく一緒に遊んだし、学校も一緒に登校した。
そんなヨシくんと、ヨシくんの家で遊んでいた時、二人でオシッコをしたくなった。
「一緒にしようぜ」
ヨシくんがそう言って、二人で洋式便器の前に立ち、二人一緒にオシッコをはじめた。
いつも通りオシッコをしていると
「タカシのオシッコの出かた、変わってるね」
と言われて気が付いた。
私のオシッコは、おちんちんの先からシャワーのように左右約15度ずつ、合計約30度に広がって出ている。それが普通だと思っていた。
しかし、ヨシくんのオシッコは、おちんちんから一筋、水道の水のように出ている。
ヨシくんが
「なんでタカシのオシッコはそんな広がって出るの??」
と聞いた。ヨシくんにとっても、自分と違うオシッコの出かたをするのが疑問に思ったんだろう。
「今までこんな出かたするオシッコ、初めて見たよ」
とヨシくんは言った。
「何でだ・・・??」
答えは出ないまま、二人はオシッコを終え、遊びに戻った。
ある程度大きくなって、おちんちんの先の皮のせいでオシッコが広がるように出ていたことが分かった。おちんちんの皮をむいてオシッコをすると、ヨシくんのような一直線のオシッコが自分も出ることが分かった。
ただ、それが分かるまでは、少し気になっていた。
オレのオシッコの出かたは異常なんだ。
あの時が、みんな同じだと思っていた「からだ」が「人それぞれ少しずつ違う」というのを初めて感じた時なのかもしれない。