山へ向かう終着駅(ちょっと気になる駅の風景 #1)
山に向かう鉄道は関西にもいくつかあり、京都では叡山電鉄が代表的な存在。鉄道で登ることができる限界の場所に終着駅があり、そこから先はケーブルカーなどの別の手段で高度を上げていく形が多い。
叡山電鉄叡山本線八瀬比叡山口駅。駅舎のエントランス側からの外観はエメラルドグリーンの屋根が印象的な洋風の木造駅舎である。しかし、建物の中に入ると全く別世界となる。
1925年の開業時に建築された駅舎は、比叡山へ向かう結束点として風格を備えている。武骨な鉄の柱で構成された大屋根の吹き抜けは、ヨーロッパの避暑地といったイメージの素晴らしい空間となっている。
構内は2線があり、通常は1番線に電車が入る。昼でも少し暗い駅舎内でベンチに座っていると、いつも時間を忘れてしまう。四季を通じて楽しめるが、開放的なつくりは夏が一番似合うと思う。