サンタクロースS
例年は阪神開催だが、今年は京都2000mでの開催。先週からDコース替わりとなったが、すでに外差しの競馬となっている。
京都2000mは内回りコースで3コーナーから急な上り坂と下り坂がある以外はすべて平坦のコースとなっている。スタートしてから1コーナーまでの距離は309mと短く、先行争いが激化しやすい一方で直線も328mとそこまで長くはない。またコーナー角も内回りながら札幌とほぼ同じで緩やかなカーブとなっている。また内回り故にコーナーはごちゃつきやすく、外差しが優勢な今はインをタイトにせめてコーナリングと共に外に出す競馬ができる馬がよさそう。外差しとはいえ、極端な追い込みは基本的には届かないと見る。
エゾダイモン
2走前のWASJで1着になり、前走はレインボーステークスでハンデ56㎏を背負いながら9着。先行脚質ではなく、4コーナーも最後方にいることが多い馬で切れる脚は持っているが、小回りは向かない。WASJは札幌2000mで珍しく発馬を決めたが後方でじっくりと構えて、ゴールまでぐんぐん伸びて1着。着差はないが、馬場の割にタイムは標準でペースもミドルペースだったことを考慮すると内容は平凡。鞍上もデムーロであることを考えると前にはいかないし、いくら外差しが決まるとはいえ、最後方からだと内回りは厳しい。ここは軽視したい。
エラトー
前走は紫苑Sで2番人気8着。紫苑Sまでは2連勝で駆け上がってきた馬だったが、スタートでアオって中団の内目を追走するも、レコード決着で上りも速く対応できなかった。ここが斤量55㎏を背負っての古馬戦となり、紫苑S以来の競馬となるが、もともと洋芝適性の高い馬で2走前は2番手から追走して小回りも問題なく、余裕の1着。自己条件ならもうちょっと上は目指せそうで、芝が荒れて時計のかかるようになった今の京都は合っている。前走はアオった分もあるのが、そもそもそんなにスタートの下手な馬ではない。折り合い面も問題ないし、古馬相手に通用するならここは上位の存在。
エリダヌス
前走はユートピアSで10着。上りのかかる展開での好走が多く、前走のように府中で決め手比べだと直線は伸び切れないで凡走する。今の荒れてきた京都の馬場は悪くない。2走前はリステッドの格上戦で新潟牝馬Sで2着となっており、1着のホールネスは次走エリザベス女王杯で3着の実績。ここでも比較的前が流れる展開で持久力を問われており、この馬の好走できるペースだった。コーナーの4つあるコースの方が良く、3勝クラスでも成績は残している。前走からの巻き返しは期待できる。ポジションも比較的前の方で運べる。
ガイアメンテ
2連勝で臨んだ前走のアーモンドアイカップは2.5馬身差でタッチウッドの2着。タッチウッドがそもそも抜けて強かったので前走の結果は順当。前走はスローで折り合って先行し、手ごたえも十分に4コーナーを回って2着。最後は突き放されたが、良馬場の東京でも走れたのはGood。3走前は洋芝で2走前は不良馬場であることを考えると時計のかかる馬場の方がよさそうだし、芝の荒れた京都も合う。ここは軽視不要でいきたい。
ゲンパチムサシ
前走は阿武隈Sで6着。3勝クラスは0-0-0-3でまだ掲示板内もない。2勝クラスは新潟1800mで勝利しており、3勝すべてがローカル開催。脚質は後方から伸びてくるタイプで3勝クラスになってからは速い上りをあまり使えていない。直線が平坦になるのはよさそうだが、現状は様子見したい。
シャザーン
前走は2023年のセントライト記念で3着。
以下は昨年のメモ。
”前走は日本ダービーで9着。差し馬で折り合いも問題なかったが、前残り展開にやられての9着。皐月賞は大外から伸びるも6着まで。外々を回るという選択は悪くなかったし、前がつぶれて展開が向いた割には6着というのは物足りない。この夏を経てどのくらい成長したかがカギだが、皐月賞の内容を見る限り評価は甘くなる。決め手は鋭いので差しが決まる展開なら。”
基本的には後方からくる馬でここが自己条件となるが、まずは1年以上の休み明けである点に注意が必要。この世代のクラシックは正直あまりレベルが高くないのでそこからどのくらい上積みがあるかによる。ただ1年以上の休み明けであることを考えると一回は様子見しておきたい。よほど追切がいいとかでないとあまり買いたくはない。京都も初めて。
シュタールヴィント
3勝クラスは0-0-0-4で今だ馬券内はないが、2走前の高山Sは逃げて4着。3走前、4走前は後方からの追い込みをしており、脚質には自在性がある。前走も逃げて4着で上りの速い決着に飲み込まれた。ここ2戦で4着続きであることを考慮すると今回は多少なりとも人気は出そうで、前走はしかも休み明けで割引が必要と調教師コメントがあった。ただ今の京都は馬場が荒れてきており、逃げ馬には辛い馬場になっている可能性はある。また枠が内枠に入らないと厳しい。ただここ2走の4着は決してフロックではないと思うので穴としては面白い。逃げ残りを狙うパターン。
セレブレイトガイズ
前走の下鴨Sが昇級戦で後方から伸びるも9着。今回と同じコースではあったが、そもそも1年の休養明けで屈腱炎だったこともあり、初戦は無理をしない内容。今回は2戦目となるが、この中間も半年空いており、中間に何があったのかは要チェック。ただ前走は1年の休み明けの割には0.4秒差だし、スタートが良かった割には控えての後方からというレースで無理をしていない。ここで出てくるのは少々不気味。
ドットクルー
前走は京都1800mの嵯峨野Sで5着。スタートは出たが、鞍上がもう少し溜めることを考えてインで控えて最後に伸びて5着。中団で内めを通ってじわじわと伸びる競馬で同じ競馬を今しても芝のコンディション的には伸びないが、前走では超ハイレベルのメンツ相手にこの競馬で0.2秒差なら評価は高い。2走前の大原Sも地味にハイレベル戦でこれは4か月半の休養明けというのもあったが、惨敗。前走で内容がすこぶる良化しているし、戦ってきた相手も強いので前走くらいの競馬ができれば十分に足りそう。そして前走が全く人気がなかったので今回もまだ人気はなさそう。ここはねらい目。
ニホンピロタイズ
前走はオリオンSで7着。3勝クラスは0-1-0-15と完全に頭打ちの状態。ここは買えない。
ニューノーマル
前走は修学院Sでハンデ53㎏を背負って9着。新馬にも追切では後れを取っていたし、まだまだ足りていない。3勝クラスの戦績は0-0-1-7。一度だけ3着があるが函館のレースで前潰れの展開に恵まれた。洋芝条件では好走しており、1勝クラス、2勝クラスはともに福島。さすがにここだと見劣りする。来年の夏の北海道開催でまた買いたい。
ホウオウプロサンゲ
3歳馬で前走は常総Sで2番人気10着。期待されていた素質馬でセレクトセールでも高額取引された馬。故に人気しやすい。前走はスタートでアオって後方からになり、また前に馬を置いて我慢はできていたもののスローペースで切れ味勝負になり、結果は10着。そもそも2勝クラスもやや低レベルのメンツ相手に勝ち上がっており、2000mよりも1800mの方がいいというコメントもある。前走は馬がぎりぎり我慢できたという感じで距離が伸びていいとは思わない。気性面も少々心配で人気なら買いたくない馬。
モズロックンロール
3勝クラスは0-0-1-6で3着が1回のみ。前走はアーモンドアイカップで6着。タッチウドが逃げ切る展開で2番手はガイアメンテで番手追走していたことを考慮すると前残り決着しているレース。3着のウインオーディンは4コーナー12番手からの競馬で追い込んできており、6着のモズロックンロールは15番手からの競馬で上りは2位。この馬としては良い内容で2走前は追い不足の中で8着。京都2000mは今のクラスで3着が1回あり、それ以来の舞台となる。この時は馬群が凝縮して、この馬は4コーナーで大きく外を回されるも追い上げて3着と強い競馬。この競馬ができるならクラスでももっと通用しそうではある。揉まれるとあまりよくはない馬なので外を回したい。折り合い面でいえば2000mがベスト。
ロワンディシー
前走は修学院Sで3着。跛行で3か月の休み明けだったが、追切はしっかりと消化できており、前走はペースが良く、噛まずに運ぶことができた。折り合い面もスムーズで一番外を回る形になってもじわじわと脚を伸ばしての3着。3勝クラスはこれで0-0-2-8となった。京都2000mで成績を残したし、この舞台は合っているようにも思える。しかも内回りで4コーナー大外から差してきたのを考慮すると内容は結構強い。最近は1600~1800付近で走っていた馬だが、かつては中距離で成績を残してきた馬。ここ2走も2000mで6着、3着と中距離の方が合っていそう。2勝クラスはマイルで勝利したものの、本質的には中距離か。脚が一瞬なので京都2000mの舞台は合っていると思う。
ワイドアラジン
前走は嵯峨野Sで11着。直線までは5番手追走も最後は退いて案外な結果。比較的前が残っている展開でのこれは微妙。2走前は休み明けで14㎏増とやや重めの中、直線も止まらずの4着でこれに比べると前走はさっぱりな内容。コーナー2回の方がよさそうで2走前は0.3秒差の4着なら悲観すべきではない。3走前の阿武隈Sは3着だが、これは内前残りの恵まれた展開。ハンデ55~56㎏だと好走できるが、今回は58㎏を背負ってのレースでこれが重い可能性がある。そういう点では軽視したいが、2000mの実績を考慮すると見限りたくはない。
これから回避が出てくるとは思うが現時点での印は
◎ガイアメンテ
〇エラトー
▲エリダヌス
☆ドットクルー
△ロワンディシー、モズロックンロール、ワイドアラジン、シュタールヴィント、セレブレイトガイズ
上位は強いが、結構伏兵も潜んでいる印象。三連複なら3列目は手広く買いたい。ガイアメンテ、エラトーあたりは今回のメンツの中でも上位ではある。シャザーンやホウオウプロサンゲはまだまだ疑う余地があると思う。