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20200112_加藤泉-LIKE A ROLLING SNOWBALL@原美術館
「加藤泉ーLIKE A ROLLING SNOWBALL」
原美術館(東京)
2019年08月10日 ~ 2020年01月13日
http://www.tokyoartbeat.com/event/2019/3D1B
新作を含む69点もの絵画、彫刻作品を展示。なお、同時開催だったハラ ミュージアム アーク(群馬・伊香保)では、1994年から2019年のあいだに制作された143点もの作品を展示。
正直、加藤泉作品はあまり好きではなかったので積極的に観ようとしたこともなかった。しかし、これだけの規模でまとまって観て、全く印象が変わった。
ペインティングと彫刻をまとめて観れたのがよかったのだと思う。あまり惹かれない作風だったので敬遠していたが(というか鑑賞者を不安/不快にさせたりする要素がある作品はアートとして価値があると思っているので避けるのはおかしいのだが自分の受け入れ体制が出来てないときに見ても刺さらないことはあるから、そのへんは気分に任せて数を観るという方針でやっている)という認識から一歩進めた気になれた。
鑑賞者によって様々な解釈ができるようにかなり意識的に制作しているのは少なくともよくわかった。
あと彼にとってペインティングと彫刻は、日本の小説家が海外作品の和訳をやったりするような(村上春樹とか)感覚や効用があるのではないか?とも思った。ペインティングを進化させていくために彫刻はかなり重要な存在なのだろう。たぶん。
展示のための作品選びや展示方法は加藤本人が行ったようだ。最初の部屋の新作の巨大な作品から始まり、最後の部屋の彫刻(撮影不可)まで、かなり展示のリズムを意識しているのは感じた。
ちなみに図録は日本語、英語、中国語の3カ国語だった。初めてみたが、アート市場規模から考えると妥当ではある。なるほど。
そして原美術館はかなり久しぶりに来た。今年で閉館が決まっているし、今年は何度か行きたい。