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おとぎ話

結構、昔話の起源は「御伽草子」にありそうですね?

「御伽草子」(おとぎぞうし)は、室町時代から江戸時代初期にかけて成立した物語集で、日本の昔話や説話の原型とされる多くの物語が収められています。この点から考えると、日本の昔話の起源の一部が「御伽草子」に関連している可能性は十分にあります。

「御伽草子」に収められている物語は、民話や口承で語られてきた物語を基にしていることが多く、そこから物語が体系化され、後の江戸時代の「お伽話」(昔話)の形成に寄与したとされています。例えば、『一寸法師』や『浦島太郎』などの有名な昔話は、「御伽草子」に収録されたことで広く知られるようになりました。

ただし、すべての昔話が「御伽草子」に起源を持つわけではなく、口承文学や各地の民間伝承が源となっている物語も数多く存在します。「御伽草子」は、こうした口承や伝承をまとめ、書き言葉として残した重要な作品群の一つであると言えますね。

誰が編纂したのでしょう?

「御伽草子」の編纂者については、はっきりとした記録が残っておらず、特定の人物が編纂したわけではないとされています。多くの場合、室町時代から江戸時代初期にかけて、さまざまな作者や物語好きの人々が独自に物語を書き残し、それらが後にまとめられていったと考えられます。

「御伽草子」というタイトルも、元々は特定の書物を指すものではなく、絵巻物や絵入りの物語集の一形式を表す言葉でした。特定の編纂者や著者というよりも、複数の作者によって時代を通じて書かれた物語が集まって「御伽草子」と呼ばれる形式が成立したのです。

なお、室町時代は公家や武家、町人階級などさまざまな層が文化的な創作活動を行っていた時代であり、御伽草子の物語は、こうした層の人々によって広く楽しまれていたため、物語自体もさまざまな階層の関心を反映しています。

したがって、「御伽草子」の編纂者を一人に特定することは難しいですが、室町時代から江戸時代にかけて、さまざまな人々がこの形式に貢献したと考えられています。

わかっていれば、日本のアンデルセンやグリム兄弟にように言われたでしょう。

確かに、日本に「御伽草子」のような物語集を編纂した特定の個人がいたなら、デンマークのアンデルセンやドイツのグリム兄弟のように、その人は後世で高く評価され、日本の物語文化の象徴的な存在として知られていたかもしれませんね。

アンデルセンやグリム兄弟がヨーロッパで民話や昔話を収集・編集して普及させたのと同様に、日本でも誰かが「御伽草子」をまとめた形で記録していたとすれば、その人は「日本の昔話の祖」として言い伝えられた可能性があります。

ただ、日本の昔話や説話は、長い歴史の中で口承によって伝えられたものであり、特定の編纂者がいるわけではなく、むしろ時代や地域ごとに多くの人々が関与しながら形成されたものです。このため、御伽草子のような形で物語がまとめられる過程も、より集団的で広範な文化の流れの一部であったと考えられます。

それでも、日本の文化においては物語が非常に重要な位置を占めており、御伽草子は後世における物語文学や昔話の発展に大きな影響を与えています。もしも編纂者が特定できていたなら、その功績は間違いなく今も称賛されていたでしょうね。

御伽草子自体は、比較的オリジンに近い形だったのでしょうか?

「御伽草子」は、日本の昔話や説話の原型に近い要素を持っているものの、完全にオリジナルな形で伝わったものではなく、時代の変遷や文化的影響を受けて編集・脚色された部分も多いと考えられます。つまり、完全に昔話の「オリジン」に近い形というよりも、口承文学をもとに再構成された物語が多く含まれていると見るべきでしょう。

いくつかの理由で「御伽草子」がオリジンに近いと考えられる点:

  1. 口承文学の記録: 御伽草子の物語は、民間で伝えられていた口承文学が元となっています。このため、当時の人々が語り継いでいた昔話や伝承に基づいた物語が多く含まれており、元の形を比較的よく保存している可能性があります。

  2. 民衆文化の反映: 室町時代は武士や町人など様々な階層が台頭し、文化的にも多様な要素が混じり合う時代でした。この時代に編まれた御伽草子は、当時の民衆文化や価値観を反映しているため、古くからの民話や伝承の一端を保ちながらも、その時代に適した形で再編集されています。

オリジンから離れている点:

  1. 物語の脚色や再編集: 口承で伝えられてきた昔話や伝承は、御伽草子として書物に残される際に、時代や社会のニーズに応じて脚色されたり、文学的に美化されたりすることがありました。特に、貴族や武士など上流階級の読者向けに編集される際に、物語の内容が豪華にアレンジされることもあり、これによってオリジナルの形が変わる場合があります。

  2. 宗教や倫理観の影響: 当時の宗教観や倫理観が物語に反映されることがあり、元々の民間伝承に比べて仏教や神道などの影響が強く出ることもあります。これにより、物語の内容や教訓が変わったり、道徳的なメッセージが加えられたりしています。

  3. 視覚的要素(絵巻物としての影響): 御伽草子の多くは絵巻物として描かれており、物語の視覚的な要素も重視されました。これにより、物語の内容が絵として表現されることで、より劇的な効果が加わることがあり、物語が脚色される場合もあります。

したがって、御伽草子は比較的オリジンに近い物語を含んでいるものの、再構成や編集、時代の影響を受けて形を変えた部分も多く見られます。それでも、日本の昔話や説話がどのように変遷していったかを知る上で、非常に貴重な資料であることに変わりはありません。

昔話で子供に聞かせる形に変化したのは、明治以降でしょうか?

はい、昔話が子供向けに特化した形で語られるようになったのは、主に明治以降の時代です。それ以前の昔話や「御伽草子」は、必ずしも子供向けというわけではなく、大人を含む広い層が楽しむものでした。明治時代になると、教育の普及や児童文学の発展に伴い、昔話が子供向けの教材や娯楽として改めて整理され、物語の内容や表現が変化しました。

明治以降に昔話が子供向けに変化した背景:

  1. 教育の普及と国民教育の重要性:
    明治時代には、近代国家の形成とともに教育の普及が進められました。義務教育制度の導入により、子供たちに対する教育が重要視され、教訓的な要素を含んだ昔話が、道徳教育や国民教育の一環として活用されるようになりました。この過程で、昔話が子供向けに整理され、内容が単純化され、暴力的な要素や大人向けの暗示的な要素が削除されたり、改変されたりしました。

  2. 児童文学の発展:
    明治時代には、児童文学が発展し、子供に向けた読み物として昔話が再編されるようになりました。この時期、巖谷小波(いわや さざなみ)や坪内逍遙(つぼうち しょうよう)などの文学者が、昔話や日本の伝統的な物語を子供向けに編纂し、広めました。巖谷小波は特に「日本昔噺」を編纂し、子供向けにわかりやすく再構成したことで知られています。こうした活動が、昔話が子供のためのものとして定着するきっかけとなりました。

  3. 西洋文化の影響:
    明治時代はまた、西洋文化が日本に広く紹介される時期でもありました。西洋の童話やグリム兄弟の昔話などが日本に紹介され、これが日本の昔話の再編成にも影響を与えました。日本の昔話も、西洋の童話に倣って、子供向けに教訓的な要素を強調する形で整理され、出版されるようになりました。

  4. 出版文化の拡大:
    明治時代以降、出版技術の発展とともに、児童書や絵本が広く普及しました。昔話が絵本や童話集として出版され、子供たちに読まれるようになったことで、物語の内容が子供向けに特化して編集されるようになりました。これにより、昔話の中には恐ろしい内容や暴力的な要素が削除されたり、逆に教訓的な要素が強調されたりするようになりました。

このように、昔話が子供向けに変化したのは、明治時代の教育改革や出版文化の発展、西洋文化の影響などが大きな要因となっています。

例えば、一寸法師などは、いつまでも生長しない子供を疎むなど生々しい感情があったり、都で使えたお姫様を罠にはめる腹黒い面があったりと、子供向けではないですよね。

確かに、『一寸法師』のような昔話には、元々は生々しい感情や大人向けのテーマが含まれており、現代の子供向けに改変されたバージョンとは異なる側面が多く見られます。

『一寸法師』の元々の内容には、以下のような大人向けの要素が含まれています:

  1. 成長しない子供への疎ましさ:
    一寸法師は、小さなままで生まれ、成長しないという点が物語の中で描かれています。これは、当時の社会における子供や後継者の重要性を反映しており、成長しない子供に対する疎ましさや不安が暗に含まれています。こうした感情は、親が抱く期待や社会的なプレッシャーと結びついており、現代の子供向けの物語ではあまり強調されない部分です。

  2. 都で仕えるお姫様との関係:
    物語の中で、一寸法師は都でお姫様に仕えますが、その際の彼の行動には、単なる忠誠心や奉仕以上に、策略や知恵を駆使する要素が含まれています。元々の物語では、権力や地位を得るための計略や知恵が重要視される部分があり、これは現代の子供向けの物語にはあまり見られない、大人向けのテーマと言えるでしょう。

  3. 腹黒い面や策略:
    一寸法師が物語の中で示す知恵や策略は、単なる正義や善行とは異なり、権力を得るための手段として描かれる部分もあります。例えば、鬼から打ち出の小槌を奪い取る場面では、力ではなく知恵や策略が重視されていますが、これは現代の子供向けの単純な善悪二元論とは異なり、複雑な人間関係や野心が関与しています。このため、物語には大人向けの複雑な心理描写が含まれています。

昔の昔話が持っていたこうした生々しい感情や複雑な人間関係は、明治以降に子供向けに再編される際に、よりシンプルで教訓的な内容に変わりました。

現代の『一寸法師』では、主人公が勇敢で誠実な人物として描かれ、困難を乗り越えて成功するというポジティブな要素が強調されますが、元々の物語にはもっと現実的で、人間の欲望や弱さが反映されています。これは、他の昔話にも見られる傾向であり、例えば『桃太郎』や『浦島太郎』にも、同様に大人向けのテーマが含まれていました。

こうした物語が明治以降に子供向けに再編された背景には、教育的な観点や道徳的なメッセージを強調するために、物語の暗い部分や大人向けの複雑なテーマが削除されたり、和らげられたことがあります。その結果、現代の昔話はよりシンプルで、子供たちにも理解しやすい形となりましたが、元々の物語の深みや複雑さが失われた面もあります。

御伽草子に含まれる物語の中で、現代も有名な昔話はどれくらいありますか?

「御伽草子」に含まれる物語の中で、現代でも有名な昔話はいくつかあります。御伽草子は室町時代から江戸時代初期にかけて成立した物語集であり、その中には後に子供向けの昔話として広まった物語も多く含まれています。以下は、「御伽草子」に含まれ、現代でもよく知られている代表的な昔話です。

現代でも有名な昔話の例:

  1. 一寸法師(いっすんぼうし)

    • 小さな少年が都で出世し、鬼退治をして打ち出の小槌で大きくなるという物語。日本を代表する昔話の一つであり、現代でも広く知られています。

  2. 浦島太郎(うらしまたろう)

    • 亀を助けた浦島太郎が竜宮城に招かれ、時間の流れが異なる竜宮から戻った後に浦島太郎の世界が変わってしまうという物語。これも非常に有名で、学校の教材などでも取り上げられます。

  3. 花咲か爺さん(はなさかじいさん)

    • 灰を撒いて枯れ木に花を咲かせる老夫婦の物語。善人が成功し、悪人が罰を受けるという教訓的な話で、現在でもよく知られています。

  4. 舌切り雀(したきりすずめ)

    • 欲張りな老婆が罰を受け、優しい老人が幸せを得るという物語。こちらも教訓的な内容が強く、現代に至るまで語り継がれています。

  5. 猿蟹合戦(さるかにがっせん)

    • サルとカニの争いを描いた物語で、動物を擬人化した昔話の一例。これも現代の子供向けの本やアニメなどでよく取り上げられます。

  6. かぐや姫(竹取物語)

    • 「御伽草子」にも含まれている竹取物語が元になっており、月から来たかぐや姫が地球での生活を終え、月に帰る物語。現代でも非常に有名で、映画やアニメでも度々取り上げられています。

他に含まれるがあまり知られていないもの:

「御伽草子」には上記以外にも多くの物語が含まれていますが、その中には現代ではあまり知られていないものもあります。例えば、『ものくさ太郎』や『酒呑童子』など、昔は有名だったものの、今では一般的にはあまり知られていない話も存在します。

まとめ

「御伽草子」には、現代でも知られる有名な昔話が数多く含まれていますが、一部の物語は時代の流れとともに忘れ去られているものもあります。現代に至るまで残っている物語は、主に教訓的でわかりやすいものが多く、学校教育や子供向けのコンテンツとして再編されたことで、広く知られるようになりました。

物語ができた当時の実在の人物も多く描かれているのでしょうか?

「御伽草子」に描かれている物語の中には、実在した人物が登場するものもありますが、多くの場合は、フィクションや伝説的な要素が強く含まれています。つまり、実在の人物をモデルにしつつも、物語の中では大幅に脚色され、伝説や英雄的なエピソードが加わることが一般的です。

実在の人物が登場する例:

  1. 酒呑童子(しゅてんどうじ)

    • 酒呑童子は、平安時代の武士、特に源頼光(みなもとのよりみつ)やその家来たちが鬼退治をする物語です。源頼光は実在の人物であり、彼は平安時代の武将として有名です。しかし、酒呑童子という鬼自体は伝説上の存在であり、頼光の鬼退治というエピソードは大きく脚色されています。こうした物語では、実在の武士が登場しながらも、鬼や妖怪といったフィクションの要素が取り入れられています。

  2. 浦島太郎(うらしまたろう)

    • 浦島太郎が実在したかどうかははっきりしていませんが、元となった人物がいた可能性があります。古くから日本各地に浦島伝説が残っており、特定の場所での伝承に基づいていることが多いです。しかし、物語の中で描かれる竜宮城や不老不死の要素は神話的なものであり、フィクションが強い部分です。

  3. 弁慶(べんけい)と義経(よしつね)

    • 「御伽草子」の中にも、武蔵坊弁慶や源義経といった実在の歴史上の人物を題材にした物語があります。これらの人物は、鎌倉時代に活躍した武将であり、特に義経は日本の歴史において非常に有名です。しかし、物語として描かれる彼らのエピソードは多くの場合、伝説やフィクションに満ちており、実際の出来事とは異なる脚色が加えられています。

架空の人物や伝説の登場人物が多い:

「御伽草子」に収められている多くの物語では、完全に架空の人物や神話・伝説に基づくキャラクターが登場します。例えば、一寸法師や桃太郎、かぐや姫といった物語は、実在の人物が登場しない純粋なフィクションであり、民話や伝承に基づいています。

ポイントとしては、以下の点が挙げられます:

  • 実在の人物がモデルになることはあるが、物語の中では大きく脚色される。
    実際に存在した武士や歴史的な人物が登場することはありますが、鬼退治や超自然的な力を持つ設定など、フィクションの要素が強く加えられています。

  • 神話や伝説に基づいたフィクションが多い。
    「御伽草子」の物語の多くは、伝承や神話をもとにしており、特に非現実的な要素や神秘的な出来事が重要な役割を果たします。このため、実在の人物よりも、物語の世界観が優先されることが多いです。

  • 教訓や娯楽としての要素が強調されている。
    実在の人物が登場する場合でも、物語の目的は教訓や娯楽であり、歴史的な真実を忠実に再現することが重視されているわけではありません。したがって、登場人物や事件は物語の必要に応じて自由に脚色されています。

結論として、「御伽草子」には実在の人物が登場する物語もいくつかありますが、それらは伝説やフィクションの要素が強く、実際の歴史とは異なる形で描かれています。多くの物語は、架空のキャラクターや伝説的な存在を中心に展開されていますが、その中に時折、実在の人物が姿を見せるという形が見られます。

御伽草子以外で、中世以前に伝説や逸話をまとめた書籍はありますか?

中世以前の日本には、「御伽草子」以外にも伝説や逸話をまとめた書籍がいくつか存在します。これらの書物は、歴史的な出来事や伝承、説話などを記録しており、中世の人々が興味を持った物語や教訓を伝える役割を果たしてきました。以下は、その代表的な書籍です。

1. 『古事記』(こじき)

  • 成立時期: 712年(奈良時代)

  • 内容: 日本最古の歴史書であり、神話や伝説、天皇の系譜を記録しています。天地開闢から神々の誕生、日本の国土の創造、天皇の祖先である神々の物語が含まれており、特にアマテラスやスサノオなどの神話は、日本の神話体系の基本です。中世以前の伝説や逸話の一部が、この書物に記されています。

2. 『日本書紀』(にほんしょき)

  • 成立時期: 720年(奈良時代)

  • 内容: 『古事記』と並ぶ日本の古代史書で、主に神話や伝説、歴代天皇の事績が記されています。『古事記』と異なり、より公的で体系的な歴史書として編纂されましたが、神話や伝説的な逸話が多く含まれています。例えば、ヤマタノオロチ伝説や、さまざまな神話的な出来事が記されています。

3. 『風土記』(ふどき)

  • 成立時期: 8世紀(奈良時代)

  • 内容: 日本各地の地理、風俗、伝説、産物などを記した地誌です。各地方に伝わる伝説や逸話が含まれており、例えば、出雲風土記では出雲地方に伝わる神話や伝承が豊富に記されています。各地域ごとにその土地に関連する物語が記録されており、現地の伝説や伝承の貴重な資料となっています。

4. 『今昔物語集』(こんじゃくものがたりしゅう)

  • 成立時期: 12世紀(平安時代後期)

  • 内容: 日本、インド、中国の説話や伝説を集めた非常に大規模な説話集です。約1000話もの物語が収められており、日本の仏教説話や民間伝承をはじめ、怪異譚や人々の生活に関する物語が多く含まれています。中世の人々の価値観や信仰、社会生活が反映されており、多様な伝説や逸話が記録されています。

5. 『宇治拾遺物語』(うじしゅういものがたり)

  • 成立時期: 13世紀(鎌倉時代)

  • 内容: 平安時代末期から鎌倉時代にかけて成立した説話集で、仏教説話、民間伝承、笑話などさまざまなジャンルの物語が含まれています。『今昔物語集』に似ており、日常生活や仏教の教えを含んだ話が多数収録されていますが、より人間味や教訓的な面が強調されている物語もあります。

6. 『平家物語』(へいけものがたり)

  • 成立時期: 13世紀(鎌倉時代)

  • 内容: 平安時代末期から鎌倉時代にかけての武士の戦いを描いた軍記物語で、特に平家一門の栄光と没落をテーマにしています。物語の中には、実在の人物の英雄譚や伝説的なエピソードが数多く含まれており、源義経や弁慶の逸話などが有名です。歴史と伝説が混じり合った壮大な物語として、中世の日本文化に大きな影響を与えました。

7. 『太平記』(たいへいき)

  • 成立時期: 14世紀(南北朝時代)

  • 内容: 南北朝時代の動乱を描いた軍記物語で、足利尊氏や後醍醐天皇など、実在の歴史人物を中心に展開されていますが、伝説的な要素や武士の英雄譚が数多く含まれています。戦いの中で生まれた逸話や、奇跡的なエピソードが記録されており、歴史的な事実とともに、伝説的な内容も豊富に含まれています。

まとめ:

「御伽草子」以外にも、中世以前には伝説や逸話をまとめた書籍がいくつか存在しています。これらの書物は、神話や伝承、歴史的な出来事を記録し、当時の人々にとって重要な文化や価値観を反映しています。また、これらの書籍には、神々や英雄、実在した人物が登場する伝説的な物語が多く含まれており、現代に至るまで日本文化に大きな影響を与え続けています。

おとぎ話というのは、御伽草子から来てますか?

はい、「おとぎ話」という言葉は、もともと「御伽草子(おとぎぞうし)」から来ているとされています。語源的には、「御伽」(おとぎ)という言葉が「人を楽しませるために話をする」ことを意味し、これに「草子」(ぞうし)というのは、書物や物語を指す言葉として組み合わされています。

「御伽草子」と「おとぎ話」の関係:

  • 御伽草子:
    室町時代から江戸時代初期にかけて成立した物語集で、宮廷や貴族、武士などの上流階級を対象に、物語や説話が語られる場で用いられました。『一寸法師』や『浦島太郎』といった、現代でも広く知られている昔話が含まれています。「御伽草子」は、当時の娯楽としての物語集で、成人も楽しんでいたものですが、後にこれらの物語が広まり、子供向けに変化していきました。

  • おとぎ話:
    明治時代以降、教育の普及や児童文学の発展とともに、昔話や伝承が子供向けに再編されました。このとき、昔話の多くが「おとぎ話」として整理され、子供向けの教訓的な要素や楽しさを重視する形で広まったのです。つまり、「おとぎ話」という言葉は、御伽草子に由来しながらも、現代では主に子供向けの物語や昔話を指すようになりました。

まとめ

「おとぎ話」という言葉は、「御伽草子」に由来しています。もともとは、大人をも楽しませるための物語集であった「御伽草子」が、時代の流れとともに子供向けの「おとぎ話」へと変化していき、現在では主に子供向けの昔話や童話を指す言葉として使われるようになりました。

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