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ロシアは日本たばこのお得意様

日本のJTって、民間会社というわけではないのですか?

JT(日本たばこ産業株式会社)は、もともとは国営の「日本専売公社」としてたばこや塩、後に切手などを扱う専売事業を行っていました。しかし、1985年の民営化によって現在の「日本たばこ産業株式会社」(JT)が発足し、法的には民間企業の形態をとっています。ただし、完全に民間資本だけで成り立っているわけではありません。

具体的には、日本政府(財務省)はJT株式の一部を保有しています。JT法(日本たばこ産業株式会社法)では、政府が一定割合(3分の1以上)の株式を保有することが義務付けられており、そのためJTは上場企業でありながら、国が重要な株主として存在するという特殊な状態にあります。このような背景から、純然たる「民間企業」とは言いにくい面があり、事実上は「政府が一定の影響力を有する特殊会社」といえます。

配当は国の収入というわけですね。

はい、政府が株式を保有している分、その持株に応じた配当は国の収入(国庫収入)となります。これにより、政府はJTの利益に応じて配当収益を得ることができ、その資金は国の一般会計などに組み込まれることになります。

JTが、ロシアで利益を上げていて、ロシア政府に莫大な税金を払っているのは本当でしょうか?

JT(日本たばこ産業株式会社)の海外事業を手掛けるJT International(JTI)は、世界各地でたばこ製品を販売しています。その中でもロシアは同社にとって重要な市場のひとつであり、長年にわたり現地生産・販売活動が行われています。

ロシアでの事業展開と税金支払いについて:
たばこ産業は各国で非常に厳しい課税対象となっており、たばこ会社は販売量に応じて多額の税金(たとえば、消費税や物品税、法人税など)を各国政府に支払います。ロシア政府も例外ではなく、たばこ製品には高率な課税が課されます。

JTIのロシアでの販売実績は過去から大きく、たばこ市場シェアにおいても上位を占めてきました。売上が大きいほど当然納税額も増加するため、結果としてJTIはロシア政府に対して多額の税金を納めていると考えられます。実際、同社は公式発表やアニュアルレポートなどで各市場における事業規模を明示しており、その中には税金に関する記述も含まれています。(ただし、具体的な納税額がどの程度かは、開示情報や報道によって一定の変動があります。)

まとめ:

  • JTI(JTグループ)はロシアで大規模な事業を展開しており、これに伴いロシア政府へ多額の税金を支払っているのは事実と考えられます。

  • 納税は主として法人所得税やタバコ関連の物品税、販売税などであり、これらはロシア政府の財政収入となります。

以上の点から「JTがロシアで利益を上げ、結果的にロシア政府へ多額の税金を払っている」ことは、公開情報から整合する事実と言えます。

ウクライナ関係の経済制裁には寄与していなさそうですね。

ウクライナ侵攻後、多くの欧米系企業がロシアから撤退あるいは事業縮小を行い、経済制裁に同調する動きが見られました。この流れの中で、JTグループ(JTI含む)もロシア事業に関していくつかの発表や検討を行ったと報道されていますが、完全撤退や実質的なロシア市場からの全面離脱を明確に実行したという情報は(少なくとも一般的に大きく報じられた段階では)あまり見当たりません。

考えられる要因:

  1. 規制・制裁範囲の問題:
    対ロシア制裁はエネルギーや金融、軍需関連など特定の分野を中心に行われています。たばこ産業が直ちに国際制裁の対象となる分野とは限らず、法的に明確な撤退義務がない場合、企業としては事業継続が可能となります。

  2. 事業上の困難性:
    ロシアはJTIにとって収益性の高い市場とされており、即時撤退は株主や投資家、サプライチェーン上の取引先、従業員などへの影響が大きくなります。そのため、一部企業は撤退に慎重になる傾向があります。

  3. 公表されない内部調整や方針:
    一部企業は事業縮小や新規投資中止、広告活動の停止など「段階的な対応」を取ることがあります。これらが公式発表で明確な「制裁協力」として打ち出されない場合、外部からは「制裁への貢献」が見えづらくなります。

総合的な評価:
ウクライナ侵攻後の国際社会によるロシアへの経済制裁には、欧米を中心に多くの多国籍企業が同調し、ロシア事業の縮小や撤退を実施してきました。一方でJTのようにロシアで既に大きなシェアを有する企業が、速やかに全面撤退まで踏み切らない例も存在します。この結果として、少なくとも外形的には、JTがロシア政府への税収源となっている以上、ウクライナ関係の経済制裁に積極的に寄与しているとは言い難い状況にあると言えるでしょう。

会社も日本国も儲かっているので、黙っているんでしょうか?

利益を背景に「黙認」しているかどうかは、当事者(JTおよび日本政府)の公式な意図や内部方針が公にされていないため、断定は困難です。ただ、以下のような背景や要因は考えられます。

  1. 政府の立場:
    日本政府はウクライナ侵攻に対して欧米諸国と協調した制裁を行っており、ロシアへの投資や金融取引、特定技術移転などに関して各種の規制を実施しています。ただし、たばこ業界やJTのような企業活動に対して、国際的な枠組みで明確な撤退要請がかかっていない分野もあります。そのため、政府として「制裁違反」をしているわけではなく、法的に止める義務がない事業については直接口出ししにくい側面があります。

  2. 経済的利益と政策判断:
    JTは財務省が一定数の株を保有する特殊会社です。そのため、JTの配当は国の収入源にもなっています。ロシア市場でJTが得る利益は、間接的に国庫にもプラスになります。また、JTは国際的に競合他社との厳しい市場競争にさらされており、その収益性維持は株主—つまり政府・民間投資家双方—にとって重要です。こうした「経済的メリット」を考慮すると、政府側が積極的に事業撤退を促すインセンティブが弱まっている可能性があります。

  3. 企業側の思惑:
    JTにとってロシアは大きな市場であり、即時撤退は収益面での大打撃となります。また、従業員や現地のサプライチェーン、長年培ったブランド力などの損失も大きく、株主利益という観点から簡単には放棄できない事情があります。

総合的にみると、ウクライナ侵攻後に欧米企業が相次いでロシアから撤退・縮小する中、日本政府が明確な停止圧力を行わない背景には、「制裁対象外分野」であることや、日本政府・JT双方の経済的利益という要素があり、結果として「黙っている」ように見える状況が生じている可能性はあります。ただ、それが意図的な「黙認」なのか、政策的配慮の結果なのか、あるいは単に国際制裁の対象外領域における企業経営判断の尊重なのかについては、明確な裏付けや公式見解が必要です。

たばこ税は非常に高いので、そっちで儲ければいいと思ったりします。増税に反対する喫煙者は少数ですしね。

たしかに、たばこ税はすでに高率に設定されており、国や自治体がたばこ税収入を増やそうと考えた場合、税率をさらに引き上げることが一つの選択肢として浮かぶでしょう。喫煙率が年々低下傾向にあり、喫煙者は社会全体で少数派となりつつあることから、増税に対する強い世論の反発が必ずしも起こりにくいとの見方もあります。しかし、この点についてはいくつか注意すべき点があります。

  1. 需要の価格弾力性:
    たばこは価格弾力性が比較的高く、税率引き上げによる価格上昇は、喫煙者が禁煙・減煙したり、違法な密輸品や代替製品(電子タバコ等)へシフトしたりする要因となります。その結果、増税によって必ずしも税収が比例的に増えるとは限りません。

  2. 税収の安定性:
    喫煙者の減少傾向は、将来的な税収基盤の縮小を意味します。もともと健康増進政策を推進する観点からは喫煙率低下は望ましいですが、その一方で税収面の安定性には課題があります。増税を繰り返すことで一時的な税収アップは可能でも、長期的には減煙による税収減少が進む可能性があります。

  3. 社会的影響・逆進性:
    たばこ増税は、所得の低い層ほど実質的な負担が重くなる「逆進性」が問題とされることもあります。また、国内消費へさらに重税をかけることで、一部の国民からは「政府は喫煙者を財源として狙い撃ちにしている」との批判が生じる可能性もゼロではありません。

  4. 国際競争・経済政策との整合性:
    ロシア事業を維持するか否かは、JTの経営判断や政府の外交・経済政策とも関わります。単純に国内たばこ税増収でロシア撤退による収益ダウンを穴埋めする、という発想は政策や経営上の判断として必ずしもストレートには成立しません。

まとめると、たばこ税増税は財政収入確保の一つのツールではあるものの、喫煙率低下や市場変化により、必ずしも安定的かつ持続的な財源にはなりにくい側面があります。また、ロシア事業撤退の問題は外交・経済・企業統治など複合的な要因が絡むため、単純に国内増税で代替するという考え方は現実的には難しい部分があります。

もともと健康に良くないと言っているんだから、低所得者層の喫煙率を下げるためにも、直接的な禁煙効果のあるたばこ税の増税は国民健康の増進にも役立ちますし、間接的に医療費の軽減にもつながりませんか?

たばこ税の引き上げは、公衆衛生面と財政面で一定の効果が期待される手段として、国際的にも注目されています。

公衆衛生上の効果:

  1. 喫煙率の低下:
    たばこの価格が上がると、特に若年層や低所得層において、たばこを購入し続けることへの経済的負担が増大します。その結果、喫煙開始を抑制したり、喫煙者に禁煙・減煙を促したりする効果が期待できます。

  2. 健康被害の軽減:
    喫煙は心筋梗塞、脳卒中、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などのリスクを大幅に上げることが科学的に証明されています。喫煙率の低下は、将来的な発症数の減少につながり、国民全体の平均的な健康水準を押し上げることにつながります。

医療費軽減の可能性:

  1. 長期的な医療費抑制:
    喫煙関連疾患は治療コストが高く、また長期的治療や介護が必要となるケースも多いです。喫煙率が下がれば、こうした疾患の新規発症数や重症例が減少し、結果として医療費全体の軽減が見込まれます。

    1. ただし、医療費削減効果が本格的に現れるのは中長期的な視点が必要であり、即時的な財政効果として現れにくい点には留意が必要です。

政策上の考慮点:

  • 逆進性の再考:
    増税には逆進性(所得の低い人ほど負担が重い)という問題があるものの、今回は「喫煙自体が健康に悪い」という点と「価格上昇が喫煙抑制策として効果的」という健康政策上の大義があるため、逆進性への批判は相対的に小さくなる可能性があります。

  • 包括的な対策との組み合わせ:
    税率引き上げは有効な手段ですが、同時に禁煙サポートプログラムや教育啓発活動など、他の健康増進策と組み合わせることで、より持続的かつ総合的な健康増進効果を期待できます。

総合すると、たばこ税増税は、喫煙者数の減少→関連疾患の減少→医療費軽減というポジティブな連鎖を生み出す可能性があります。また、特に低所得層での喫煙率低減は、公衆衛生の観点からも税制を通じた政策介入として効果的と考えられます。

値上げして、ついでにロシアへの間接的経済制裁もすればいいんです。

ご提案のように、たばこ税を引き上げることで国内の喫煙率を低下させ、健康増進や医療費削減に寄与するとともに、ロシアとの経済的関わりを縮小するような措置(たとえば、ロシア関連事業からの撤退や輸出入規制の強化など)を同時に行うことは、一見合理的にも思えます。しかし、実際の政策決定やその実行にはいくつかの課題があります。

  1. 政策目的の異なる二つの施策

    • たばこ税の増税は、主に国内の公衆衛生や財政(医療費抑制・税収確保)を目的とした内政的な政策です。

    • ロシアへの間接的制裁強化は、ウクライナ侵攻に対する国際的な制裁措置の一環として、対外的な外交・安全保障上の政策手段です。

  2. 制裁分野の整合性
    現状、対ロシア制裁はエネルギー、金融、ハイテク技術、防衛関連などの戦略的重要分野が中心となっています。たばこ産業が優先的な制裁対象となっているわけではないため、制裁実施には国際的な合意や他国との連携が不可欠です。日本が単独で特定産業に限った制裁を発動する場合、国際的整合性や効果が疑問視される可能性があります。

  3. 国内・国際世論および利害関係者との調整
    増税による国内喫煙者減少は比較的受け入れられやすい一方、ロシア事業からの撤退や取引停止は、JTをはじめとする企業、投資家、サプライチェーン、さらには関係する労働者や現地パートナーにも影響します。これらの利害を勘案しながら制裁措置を実行するには丁寧な調整が必要です。

  4. 実効性および持続性
    制裁は相手国に対する国際的な圧力手段であり、効果を高めるには国際社会との連携が重要です。たばこ関連の制裁がロシア経済にどれほどの影響を与えるのか、効果が限定的であれば、政治的コストに見合わない可能性もあります。

総じて、たばこ税引き上げとロシア制裁強化の同時実施は理論上可能なアイデアであり、一部で合理性がないわけではありません。しかし、実務的には内政・外交両面で考慮すべき課題が多く、単純に「ついで」に実現できるようなものではありません。政府がどの程度そのような戦略的組み合わせを意図するかは、国際関係、国内政治、経済状況、産業界への影響など、複数の要素を総合判断する必要があります。

ウォッカ工場への攻撃が、ロシアへの大きなダメージと聞きました。

ウォッカはロシアの文化的アイコンであり、国内消費や輸出も含め、同国の経済に一定の寄与をしています。しかし、「ウォッカ工場への攻撃がロシアへの大きなダメージとなる」という見解は、いくつかの前提や文脈が必要です。

  1. 文化的・象徴的価値:
    ウォッカはロシア文化を象徴する存在です。ウォッカ工場への攻撃は、軍事的・経済的な影響に加えて、ロシア社会や国家アイデンティティへの象徴的ダメージを与えうるとされる場合があります。しかし、単なる象徴的打撃が、戦略的な軍事・経済ダメージに直結するかは別問題です。

  2. 経済的側面:
    ロシアがウォッカの国内消費や輸出で一定の収益を得ていることは確かですが、ロシア経済全体におけるウォッカ産業の割合は、原油・天然ガスなどの資源エネルギー部門や、軍需産業、重工業、穀物輸出と比較すれば大きくはありません。ウォッカ工場への攻撃がロシア経済に与えるダメージは、エネルギーインフラや輸送路、軍需生産施設への攻撃ほど本質的・長期的ではないでしょう。

  3. プロパガンダ・心理戦効果:
    ウォッカ工場への攻撃が「大きなダメージ」と言われる背景には、対ロシア戦略としての心理的・プロパガンダ的要素がある可能性もあります。海外メディアや一部解説者は、ロシアの象徴的産業を標的とすることで相手国の士気を削ぎ、国内外で政治的圧力を強める戦術として注目することがあります。

まとめ:
ウォッカ工場への攻撃がロシアに全く影響を与えないわけではありませんが、それが「大きなダメージ」かどうかは、他の戦略的インフラ(エネルギー、物流、通信、軍事工場など)への打撃と比較すべきです。純粋な経済的・軍事的な観点では、ウォッカ産業はロシア経済全体における相対的なウェイトが小さく、その攻撃による直接的な戦略的影響は限定的と考えられます。一方で象徴性や心理戦効果、文化的ダメージといった間接的な面で評価がなされる場合、一定の宣伝効果や心理的インパクトとして「大きなダメージ」と表現されることはあり得ます。

いや、別の意味で、ウクライナへ赴く兵士の多くがアルコール依存症で、ウオッカがないと働かないようです。

そのような指摘は、戦況に関する噂や風刺的な言説としてしばしば耳にすることがありますが、事実関係については慎重に検証する必要があります。以下に考慮すべきポイントを挙げます。

  1. 軍内部でのアルコール統制
    ロシア軍を含め、多くの近代的な軍隊では、前線におけるアルコール摂取を厳しく制限・禁止しています。戦闘能力や規律維持、安全面から考えれば、兵士の酩酊状態は明らかに不利であり、指揮系統や軍法上も問題とされます。
    そのため、実戦下で大量のアルコールを兵士たちが継続的かつ公然と消費するのは制度的に困難なはずです。

  2. プロパガンダやステレオタイプの影響
    ロシア人のウォッカ消費量は歴史的・文化的に広く知られていますが、それを前線の兵士に当てはめるのはステレオタイプに基づく一面があるかもしれません。敵対勢力に対するイメージ戦略や嘲笑、士気低下を狙った心理戦的な噂・誇張表現が生まれやすい状況下では、このような話が流布されることもあります。

  3. 補給線・物流の現実性
    前線では、食料・弾薬・燃料・医薬品などの必需物資を優先的に補給する必要があり、アルコールの大規模な輸送や配給は軍事的合理性に乏しい行為です。実務的な観点から見て、アルコール依存に陥った兵士が戦わないためにウォッカが前線へ大量供給されるような状況は、軍事組織として破綻した状態を意味します。

  4. 個別の例外や統制不能地域の可能性
    一部で規律が崩壊している部隊や、前線と後方の区別が曖昧な地域では、地元でアルコールを入手する兵士がいる可能性は否定できません。そうしたケースが報じられ、そのイメージが拡大解釈されている可能性もあります。

結論として
「ウォッカがないと兵士が働かない」というような状況は、現代の正規軍としてはきわめて異例かつ非効率的で、軍事的合理性を欠くと考えられます。その種の話は、プロパガンダや風刺、敵対国に対する嘲笑的な言説として流布される可能性が高く、信頼性の高い情報源による実証は乏しいのが現実です。

ロシア政府が、そんなネガティブ報道をするわけがないじゃないですか?

確かに、ロシア政府やロシア国営メディアが自ら「兵士がウォッカなしでは戦えない」などのネガティブな情報を積極的に発信することは極めて考えにくいです。こうした不名誉な報道が生じる場合、以下のような経路を考えることができます。

  1. 反対勢力や敵対国側の情報戦
    ウクライナ政府や西側諸国、あるいはそれらに近い報道機関・情報機関が、ロシア軍の士気低下や組織の混乱、統制不能な一面を示すためのプロパガンダとして、そうした情報を拡散している可能性があります。実際、戦時下では情報は戦略的な「武器」となり、相手国軍のイメージを貶め、内部不満を誘発するような情報を意図的に拡散することがあります。

  2. 非公的な証言や流出情報
    ロシア側であっても、元兵士、民間人や一部の内部告発者がこっそりと海外メディアやSNSなどに情報を流す可能性があります。軍内部の不満分子、部隊から逃亡した者や家族が、匿名や非公的なルートで「前線での実態」を語った場合、それが海外ジャーナリストやウクライナ側の情報部門を通じて国際世論に紹介されることがあるかもしれません。

  3. 客観的な調査報道や国際的NGOのレポート
    戦争地帯では、記者、フリーランスジャーナリスト、国際NGO、研究者などが間接的な情報や現地取材を通じて、公式報道では語られない実態を捉える場合があります。こうした第三者のルートによる情報発信は、ロシア政府が望まない形での「ネガティブ報道」を生む可能性があります。

結局、ロシア政府自身がネガティブな自国兵士の状態を発表することはまずありませんが、情報戦の環境下では、敵対勢力や独立系メディア、匿名の告発者など複数の主体が「ロシアにとって不都合な報道」を拡散することは十分ありえます。

フィリップモリスは、ロシアから撤退しましたか?

フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)は、ロシアによるウクライナ侵攻後にロシア事業からの撤退方針を明確に打ち出した多国籍たばこ企業の一つです。しかし、実行状況については以下のような経緯と課題があります。

経緯

  • 2022年3月頃以降:ウクライナ侵攻を受けて、PMIはロシアでの新規投資・新製品投入の停止、事業縮小への意向を表明。同年中にはロシアからの完全撤退も検討していると公表しました。

  • 撤退の難航:ロシアでの事業売却や撤退には、現地での法規制や政府の許認可、資産の評価・売却手続きなど多くのハードルが存在します。また、買い手探しも容易ではなく、同様に撤退を目指す多国籍企業が多い中で条件面の折り合いがつけにくいことも考えられます。

最新状況(2023年~2024年頃までに伝えられた情報)

  • PMIは公式声明や決算報告、メディアインタビューなどで「ロシア事業からの完全撤退を目指す」とたびたび表明していますが、実際に完全撤退が完了したとの明確な報道・公式発表は、執筆時点(2024年末)までに確認されていません。

  • 一部報道では、PMIがロシア部門売却に向けて交渉を進めていると伝えられていますが、ロシア政府側の規制や政治的思惑が絡み、進展が難航している可能性が指摘されています。

まとめ
フィリップモリスはロシアからの撤退方針自体は明確にしているものの、諸事情により、実際に全面的な撤退が完了したとの公式な発表は(少なくとも一般的に報じられた範囲では)まだ行われていません。従って、現段階では「撤退方針はあるが、完全な撤退は未完了」という状況とみられます。

では、国際的に嗜好品系は、あまり重要視されてないかもしれませんね。

一般的に、国際社会が制裁や外交政策を検討する際、まずはエネルギー資源、戦略物資、ハイテク技術、軍需産業など、国家安全保障や世界経済の基盤を左右する分野が優先的な対象となります。たとえば石油・天然ガスや半導体技術などは、国際的な供給網や安全保障に直接影響を与えるため、制裁や規制の最前線に位置します。

一方、たばこやアルコールといった嗜好品は、文化的・象徴的価値は大きいものの、国際的な戦略物資としてはエネルギーや食料、先端技術ほどの優先度を持ちません。こうした嗜好品は経済全体における割合が相対的に小さいことが多く、制裁や外交カードとしての効果も限定的です。また、禁輸や撤退によって相手国に致命的なダメージを与えづらいという特徴があります。

そのため、国際的な制裁や外交戦略の文脈では、嗜好品系の産業は重要視されにくい傾向があります。企業レベルではイメージやブランド、社会的責任から撤退や事業縮小を決断することはありえますが、国家間のパワーバランスを左右するような「優先課題」として、嗜好品が取り上げられることは相対的に少ないのが現実です。

たばこがないなら、葉巻を吸えばいいじゃない? キューバはお友達ですし。

「たばこがないなら葉巻を吸えばいいじゃない?」という皮肉は、歴史的に有名な「パンがなければお菓子を食べればいい」といった発言(実際は誤解・伝聞とされますが)を連想させるウィットの効いた表現です。実際、ロシアは旧ソ連時代からキューバと政治的・経済的につながりが深く、キューバ産の葉巻(シガー)は高品質な嗜好品として国際的に評価されています。

しかしながら、いくつかの現実的考察が必要です。

  1. 嗜好品市場の性質:
    葉巻はたばこよりも高級品として扱われることが多く、一般的には価格も高価で入手しづらい傾向があります。仮にたばこ供給が制約を受けたとしても、葉巻が手軽な代替品になるとは限りません。日常的な喫煙者にとって葉巻は嗜好品の中でも「特別な一服」として楽しまれることが多く、たばこを日常的に吸う層がそのまま葉巻に切り替えることは難しいでしょう。

  2. 市場規模と流通の安定性:
    キューバの葉巻は世界的なブランド力があり、富裕層や嗜好品愛好家に支持されますが、供給量や価格、流通経路はたばこ製品とは異なります。また、ロシア国内での葉巻市場はシェアとしては比較的限定的であり、国民全般に行き渡る規模の安定供給源とは考えにくいです。

  3. 外交・経済関係:
    ロシアとキューバは歴史的に友好関係があるものの、葉巻供給を通じてロシア国内の喫煙需要をまかなうほどの経済的インパクトを与えることは現実的ではありません。制裁や禁輸が発動される製品分野であっても、嗜好品による代替は基本的に付加的・限られた効果しかないでしょう。

要約すると、「たばこがないなら葉巻で代替」という発想は、皮肉やレトリックとしては面白いものの、実際には一般的なニーズや市場構造、価格帯を考慮すると実行性や持続性に欠けます。キューバとの友好関係はあっても、葉巻がロシアのたばこ市場や関連政策を大きく左右する存在にはなりにくいのが実情です。

まあ、皮肉ではありますが、同様に、ウオッカがないなら、ヘアトニックを飲めばいいじゃない?というのもありましたね。

その種の発言も一種のブラックユーモアや皮肉として語られることがあります。旧ソ連圏を含め、一部の地域や時代には、正規の酒類が入手困難になった際に、ヘアトニックや香水、工業用アルコールなど、本来飲用に適さない代替物を飲んでしまうような例が笑い話や風刺、あるいは悲劇的な逸話として紹介されることがありました。

こうした言説は、極端な状況下での人々の行動を誇張的に描き、物資不足や社会的混乱に対する風刺として用いられることが多いです。「ウォッカがないなら、ヘアトニックを飲めばいいじゃない?」といった表現は、本来あり得ない代替案を提示することで、物資不足や政策失敗、あるいは社会の歪みを浮き彫りにする典型的な皮肉表現と言えるでしょう。

いずれも真に推奨される行為ではなく、実害(健康被害)を伴うため現実には危険であることは言うまでもありません。いわば、極限状態や社会的不備を揶揄するための風刺的・比喩的な表現として語られているものです。

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