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【ツイステ考察】なぜ推しはオバブロしたのか(4章)
私の最推しが4章でオーバーブロット(以下オバブロ)しました。推しのことを四方八方から眺めて理解したがるのが性癖と独占欲なので、今回は4章でオバブロした彼を心理学的に考察していきたいと思います。
あくまでも、素人の浅い知識&私の中の彼の話なので「そういう捉え方もあるかもねー」くらいに読んでください。当たり前ですが、4章やパソステのネタバレを含むのでご注意ください。
【目次】
①ストレスの発端は性格と環境
②いい従者を演じ続けた結果のオバブロ
③ドッカーンの起爆スイッチ”コントロールの喪失”
④最後に
①【ストレスの発端は性格と環境】
前提として、人の性格による行動を動機付ける3つの要因は「遺伝的動機」「社会的動機」「個人的動機」があります。「遺伝的動機」はその名の通り、遺伝によるもの。これはジャミルに性格テスト(ビッグファイブ)を受けてもらったり、遺伝子検査しないと分からないので(予測としては開放性・協調性・情緒安定性が低くて、外向性・誠実性が高い)、飛ばします。
「社会的動機」は社会・文化的規範やマナーによって学んでいくもの。さまざまな状況下で求められる、適切な振る舞いです。ジャミルの場合は息子、兄、従者、同級生、生徒…など。
兄というワードが出てきましたが、あくまで推測になるものの、ジャミルは長男なのでは?と私は見ています。
というのも(これも推測ですが)、長男であろうカリムの従者に充てられている点と、アドラー心理学での誕生順位の性格傾向に彼が非常に当てはまるからです。
アドラー心理学(本人と後継者によるもの)によれば第1子の性格傾向は
・1番に生まれ、1番でい続けたいと思う
・公正であろうとし、支配的になる傾向にある
・失敗を嫌い、失敗するくらいならその行動をしないことを選ぶ
・周囲の期待に応えて喜ばせようとすることがある
・能力を育てたり、責任ある行動をとったりする
・安定感があり、順応能力がある
・プライドが高い
・自分の地位を脅かす存在がいると、嫉妬深くなる…など
読めば読むほどジャミル…となってしまう私です。「自分の地位(1番でい続けること)を脅かす存在がいると」は、通常は下のきょうだいに対してですが、いったんカリムだと考えてみましょう。
すべての決定権を持つアジーム家からはカリムとは”兄弟のように”と言われ(正式に命じられたわけではないものの、アジーム家は絶対と教えられてきた幼いジャミルにとって、言葉の綾と命令をどこまで聞き分けられたのか)
自分を守り、理解してくれる存在であるはずのバイパー家からは”兄弟なんてとんでもない。主従関係だ”と言われ、ダブルバインドに置かれた彼は、主従関係だと理解はしているものの、納得ができないという歪んだ状態のまま、成長してしまったのではないでしょうか?
②【いい従者を演じ続けた結果のオバブロ】
「遺伝的動機」と「社会的動機」がぶつかることは、私たちにもよくあることです(例:内向的な性格なのに、先生に選ばれたので、クラスメイトの前で堂々とスピーチをする必要がある)。
また、先ほどは言及しませんでしたが「個人的動機」とは、「社会的動機」とは別に、なりたい自分になるために起こす行動のこと(例:内向的な性格を変えて、誰とでも話せる陽キャになりたい)。どちらも、悪いことではなく、私たちの可能性を広げてくれる、チャンスともいえます。
ですが、日常的に生まれつきの性格を抑えた行動を取り続けると、自律神経が覚醒した緊張状態に陥り、慢性化すると健康に悪影響を及ぼすことが研究で明らかになっています。
ジャミルの場合、「遺伝的動機」も「個人的動機」も従者であることで抑えられ、NRCに入学したことにより、「社会的動機」の”従者であること”のみを求められることが365日ひっきりなしに続きました。
賢い本人的にもストレスがかかっていることを認識しつつ、そう思うことさえ従者としてあるまじきことだと感じ、頭から追い出そうとしていたのではないでしょうか?
ですが、思考は抑制すればするほど、かえってそれについて考えてしまったり、本来の自分が漏れて出てしまう場合があります。
③【ドッカーン!の起爆スイッチ”コントロール感の喪失“】
そんなジャミルを唯一支えていたのは「やろうと思えば、いつでも1番になれる」という“コントロール感”でした。
目標を達成するために必要な手段を明確化し、事前に計画を立てて準備しようとする自己解決型のジャミル(アズールもこのタイプ。真逆の他者依存型はカリム)にとって、これが最後の砦でした。
ですが、オクタヴィネル3人組によりそのコントロール感と計画はぶち壊しに。遅かれ早かれオバブロするであろうジャミルでしたが、ここで一気にコントロール感が失われたことにより「ドッカーン!ナイスショット!!!」してしまったのでした。
にしても、独白シーンの
「なら、誰が俺を分かってくれる?」
には彼がずっと背負ってきた苦しみのすべてが込められていて、もう、もう…私の語彙力が宇宙の果てまで飛んで行ったのでした。
④【最後に】
思慮深く、几帳面で、利口で、器用。超が付くほど慎重で、デレカシー溢れる従者ジャミルに、うっとりー。(カリムへの悪口を逆にしてみましたが、ジャミルは自分のことをそう分析しているのかしら)
5章の彼に期待&ご実家の方は大丈夫だったの…?という不安の中、ひとまず今は「フェアリーガラ」!
ホーム画面にあの衣装を身に纏ったジャミルを置いたはいいものの、美しく愛しすぎて、なかなか他の画面に移動できない。罪な男よ、ジャミル・バイパー。
【参考文献】
ブライアン・R・リトル『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(2016)大和書房
内藤誼人『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』明日香出版社
岩井俊憲『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』(2014)日本能率協会マネジメントセンター