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社長が思うエクスメディオの社会的役割(後編)


社長交代の裏側に、現場のメンバーのエネルギーあり

●後藤)さて、前編に続き「社長が思うエクスメディオの社会的役割」というテーマで、広報担当の後藤が社長の澤田さんを直撃する本企画。

前編の終わりに、私から「澤田さんがエクスメディオに入社したのは2020年2月、代表取締役社長に就任したのは2022年2月ですよね。ぶっちゃけ何があったのですか……?」という、おそらく皆が聞きづらい疑問をぶつけてみました(笑)。

●澤田)はい。「なぜ社長が代わったのか?」という質問は、採用面談などでもよく聞かれますし、一般的に見ても会社の大きな変化ですので、ちゃんとお話しする責任があると思います。

簡潔に説明すると、2021年秋に前任者が体調を崩し、長期的に現場を離れざるを得なくなったため、その当時、現場でプロダクトオーナーを担当していた私がバトンを引き継ぎました。

●後藤)突然のことでしたし、私も心配でした……。

●澤田)ええ、私も含めて、多くのメンバーが同じ気持ちだったのではないでしょうか。

もともとエクスメディオは、精神科医とAIエンジニアが共同創業した医療ITベンチャーです。創業者の掲げた「テクノロジーの力で世界の健康寿命を5年延ばす」というミッションと、自社プロダクト『ヒポクラ』に共感したメンバーが集まっています。

それを考えると、やむを得ない状況とはいえ、バトンを引き継ぐことは相当悩みました。正直、一度は辞退させていただいたほどです。

ただ、最終的に腹を決めたのは、現場のメンバーの『ヒポクラ』に対する情熱やエネルギーをここで止めてはいけない、それはあまりにも惜しいと思ったからです。

2021年10月からエクスメディオの9期が始まり、私も含めて現場のメンバーは、新たに注力する『ヒポクラ Pro』シリーズの準備、既存機能の改善、医師の先生方へのヒアリングなどを、前向きかつ精力的に進めていました。

私は、経営サイドの事情で悩みながら、プロダクトオーナーとして現場サイドを見る状況にあったので、ここで自分が逃げたら、経営サイドの事情で現場の夢もプロダクトの将来もどうなるかわからない……創業者のようにカリスマ性も知性もない私だけど、現場のエネルギーを一つにまとめることに集中し、これまでとは違う形で、エクスメディオの旗振り役を担おうと覚悟しました。

そして、営業やエンジニアなど他の部門のリーダーと力を合わせて、2022年2月から新体制のスタートとなりました。

●後藤)なるほど、そういった思いまでは知りませんでした。新体制に代わり、全メンバーが参加する全体会で、澤田さんが今後の方針をお話しされましたよね?

●澤田)そうですね。新体制の礎となる考え方をスライドにまとめ、「これからの体制」「追いかける使命と利益」「今期事業の方向性・判断基準」「大切にする文化・姿勢・心理的安全性」などを共有しました。

スライドの最後には、こんなことを書いていますね。

こんなタイミング、そうそうないと思います。最悪に厳しい状況と見るか、のびしろしかないと見るか。思いきりやりましょう。狙いある試みを、次々にしかけましょう。責任は私が取ります。/その際、必ずしも私やあなたのやりたいことではなく、このチームとして結果を出す(勝ち筋を見つける)ために、最善の施策選択をしていきます。バットを振りたいかもしれませんが、送りバントをお願いすることもあります。/それはチームのため(持続可能な事業・会社をつくるために意味があること)と思って、ぜひいとわずに協力してください。この1年間、本気で頑張った先に、得られるものは必ずあります。/体制図を描いていて、意味のない役割などない、全員が大切なメンバーと感じました。/経営者としても人間としても、未熟な点があります。創業者でもないからこそ、私の好きな“則天去私”の気持ちで、強く頑張ります。エクスメディオというチームが勝てるように、必死で考え、動きます。ベクトルをそろえる人、モチベートする人、言い続ける人になります。/スピード・積極的・協力的。あらためまして、よろしくお願いいたします。澤田

●後藤)出ました、SSK(スピード・積極的・協力的)。

●澤田)はい。これまでも行動指針はありましたが、エッセンスを3語に凝縮しました。形骸化させないために、Slack(社内のコミュニケーションチャット)のスタンプもつくりましたね(笑)。

●後藤)「スピード」「積極的」「協力的」スタンプは、私もちょくちょく使っています(笑)。それ以後も定期的に澤田さんが方針共有し、解像度が上がっていくプロセスは、まさにベクトルをそろえる取り組みだと感じています。

冒頭の疑問は解消しましたので、いよいよ「社長が思うエクスメディオの社会的役割」を聞かせてください。

医療者のみならず、患者さん・生活者の立場で『ヒポクラ』の未来の姿を考えていく

●澤田)わかりました。過去に全体会で話したことや、直近共有した3か年計画をもとに話しますね。

エクスメディオが運営する『ヒポクラ』は、各科の医師が専門知識・知見を共有し、臨床力を高め合う医師専用SNSです。最大の特長は、Doctor to Doctor(DtoD)のコミュニケーションがサービスの根幹にある点だと考えています。

現在約6万名の医師が会員登録しており、全科の先生方が匿名で気兼ねなく議論を深める場は、さながら”オンライン上の総合病院”のようです。

●後藤)たしかに。医師向けサービスの多くがメディア型(医師が情報を受け取る1way型)であるのに対して、『ヒポクラ』はエンゲージメントの高いSNS型(医師同士が情報や意見を発信する双方向型)というのはわかりやすい特長ですね。

●澤田)はい。さらに、2022年からはサービスの可能性を広げる新たな取り組みとして、特定領域の専門医が集まりディスカッションできる『ヒポクラ Pro』シリーズを立ち上げ、その種類を増やしていく計画です。

●後藤)第一弾が、2022年5月にスタートした全国の血液内科医が集まる『ヒポクラ 血液内科 Pro』ですね。専門医の先生方にとって、医局の助け合い × 学会の多様性を併せ持つ”オンライン医局”を目指していきます。

●澤田)さすが広報担当。一つひとつ補足してくださり、ありがとうございます。

●後藤)協力的な姿勢が大切ですから!(笑顔)

●澤田)ありがとうございます。ここまで直近の具体的な取り組みを紹介してきましたが、ここから長期的に大切にしている視点をお話しします。

それは、現在『ヒポクラ』を利用されている医師の先生方、取り組みを応援してくださる製薬メーカーなど医療関連企業のみならず、患者さん・生活者の立場で『ヒポクラ』の未来の姿を考えていくことです。

●後藤)先日の全体会でも「3年後、5年後、10年後、未来の姿」が共有されましたね。

●澤田)そうですね。「テクノロジーの力で世界の健康寿命を5年延ばす」というミッションをドリルダウンし、「もし、あなたや家族が病気になったとき、『ヒポクラ』会員医師にかかれば安心できる未来をつくる」というビジョンを共有しました。

その実現に向けて、大きく二つの切り口で社会的役割を果たしたいと考えています。

一つは、医師・メディカルスタッフの臨床力・医療リソースの底上げに貢献し、患者さんがどこにいても質の高い医療を受けられる世界をつくることです。

これはまさに現在の『ヒポクラ』が価値を発揮している、医師同士が強み(専門分野)と弱み(非専門分野)を補い合う臨床互助や、『ヒポクラ Pro』で、臨床力向上につながるインタラクティブなエデュケーションを強化することで、医療の均てん化に貢献していきます。

もう一つは、『ヒポクラ』を積極的に利用している医師・メディカルスタッフは向上心が高く、献身的な方々ですので、その素晴らしさを私たちが伝えていくことで、患者さんがより適切な医療を選択できる世界をつくることです。

その結果、『ヒポクラ』が医療者・患者双方のインフラになることで、10年前よりも医療の進化を実感でき、暮らしの安心と健康寿命の延伸に貢献している未来を目指します。

●後藤)はい。私も医師の先生方とお話しする中で、その先にいる患者さんのことを常に考えるようにしています!

私たちが、今から医師・メディカルスタッフになることは難しいですが、自分や家族が患者になったとき、医療がどうあってほしいかを考えると、『ヒポクラ』との向き合い方が変わってきますよね。

●澤田)おっしゃる通りです。これは医師の先生方や、製薬メーカーなど医療関連企業の皆さまにも、本質的に共感いただける視点だと思っています。

●後藤)今後もこのビジョンのもと、広報担当としては、エクスメディオの具体的な取り組みや成果・成長を発信していきます。今日はお疲れさまでした。ありがとうございました。

●澤田)はい、ありがとうございました。長話になり恐縮ですが、この記事を読んでくださった方に、エクスメディオや『ヒポクラ』の思いが少しでも伝われば幸いです。

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