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リスクを上回る楽しさはある、けれどキミを思うひとのことを忘れるな オートバイ事故を起こさないために

毎週週末が近づくとまた誰かが死ぬのかなと漠然と思う
そして実際に週末のオートバイ事故のニュースを目にして
その度に暗澹たる気分になるのだ

自分では注意しても防ぎきれない事故はある
けれどカーブを曲がり切れずとか自分で防げる事故もとても多い気がする
白バイ隊員が右直事故にあったニュースを見て右直事故の難しさを痛感したが右直事故(側道、駐車場からの進入を含み)こそボクたちライダーが最も気を付けるべきもので意識と技術と経験がとても大切になってくる

しかし、かく云う自分だって今日右直事故にあわないという自信はない
自信はないがこれは防げる事故だと思っている

オートバイに乗り始めた頃
走るたびにドキリとしたりヒヤリとしたりしていた
けれどまずはこの体験がものを云う
急に横からクルマが出てきたことにドキッとするとは全くそのクルマの存在がノーマークだったということだ
けれどその時、ドキッとしたクルマの存在に本当に気付けない状況だったのか自問することが重要だ
警察のネズミ捕りにあって「汚いやり方だ」と抗議したらレーダーの見える場所まで連れていかれて「隠してないでしょ」と云われた
警官が云うとおりレーダーは100m手前から確認できたしそれが小さな子供だったり進入しようとするクルマだったら見逃しているということと一緒なのだとも云われて何も返せなかった
追尾してくる白バイだってそうだ
良く周囲を確認していれば白バイはミラーで確認できる

こういった体験からの気付きが「経験」になっていくのであって最悪なのはシビアケースに会っているのにそれに気付いてもいないこと
ヒヤリとしてもそれから学ばないこと
それではいつになっても事故のリスクを減らしていけない

そして実際に交差点や路面に店が並ぶ幹線道路を走る時
ボクはいつも「右直右直」と声に出して意識するようにしている
そういう場所ではなるべく自分と他の交通との位置関係を変えずに(身軽なことを逆手に取ったすり抜けや急な進路変更は最も危険だ)出来れば回避できる場所を常に意識する
F1パイロットの中嶋悟がレース中は常に自分の位置を上空から俯瞰するように捉えていると云っていたがまさにそれが理想だ

その上で急制動の技術を上げておく
リアの意識的なロックやABS搭載車なら確実にABSを効かせられるレバー入力
経験と意識と技術でリスクは減らせる

それに比べて単独の自爆事故は原因がはっきりしている
脇見か技術不足だ
運転中に前方を注視するのは大原則だ
周囲の状況を(俯瞰する如く)確認しながら前方に常に意識を向けていれば事故はかなり防げる
とにかく自分が事故の第一当事者になってはいけない

そして自爆事故
もちろんコーナリング中が多い
路外に逸脱するだけでなく反対車線の交通を巻き込んだりもする最悪の事故だ

そこで問いたい
「あなたはオートバイをどうやって曲げていますか?」
どんな方法でもいい
自分なりのコーナリングメソッドははっきりさせておくべきだ
カーブが苦手なんて臆面もなく云ってるやつはどうかしている
曲がり方が曖昧なのによくも公道で走ってるなと思う
スピードのコントロールもコーナリングの内だ

リアブレーキ使えてますか
ブラインドの先に自転車いたらどうしますか
濡れたマンホールがライン上にあったらどう回避しますか

こんなことも出来ずに今まで公道をおしゃべりしながら走ってたなら
それはただただ運が良かっただけだ
そしてその運はいつ不運に変わるのかもわからない

もちろん最初にも云ったが事故は防げないケースも多い
だからどんなに経験しても意識してもどんな技術を身に付けても事故にあう可能性はゼロにはならないだろう
ボクだってこんなに偉そうに事故を語っていても今日オートバイで事故にあうかもしれないのだ
けれど防げる事故も必ずあると信じる
毎週毎週オートバイの事故のニュースなんて見たくないのだ

ロングツーリングに出掛ける前日だけでなく
明日オートバイに乗ろうかなというとなぜだか漠然とした不安感が少し心の隅にあるのをボクは感じる
心配性だなんて恥ずかしいなと思ったこともあるけど
これが事故に対する不安からのものならばこの感じはとても大切なことだと今は思っている

オートバイに乗ることはとても楽しい
リスクを上回る楽しさが確実にある
けれどキミを心配してくれている人のことを絶対に忘れるな
キミはたとえ事故で死んでも後悔すらできないけど
キミの死が残された者のその後の人生をも左右することもあるのだから

楽しみで乗っているオートバイで死んではいけない
危険と怖さを十分わかったうえで今日も走り出して欲しいと心から願う

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