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【 44日目 】医療情報技師試験 過去問解説 2021年度 医療情報システム系 問01~問05
【 目標 】
◆ 医療・医学系、医療情報システム系の合格
【 前提 】
◆ 2022年に一度受験し、情報処理技術系のみ合格
◆ 2023年は医療・医学系と、医療情報システム系の合格を目指す
【学習の流れ】
◆ 主に、医療に関する用語をまとめ、理解を深める(5問/1日)
◆ まず、2021~2022年度の医療用語の学習を実施
◆ 次に、頻出するとされているポイントを絞って学習を実施
◆ 解答群の用語などを一つ一つ調べ、まとめる
【 2021年度 医療情報システム系 】
<問1>
電子的に作成された文書を印刷して原本とすることができる条件はどれか。
<解答>
1) そのまま印刷する
2) 印刷して押印する
3) 印刷して電子的文書を削除する
4) 印刷して日付とサインを記載する
5) 印刷して電子的文書に印刷記録を追加する
<解説>
電子的に作成された文書を印刷して原本とするためには、印刷した文書に日付とサインを記載する必要がある
電子的に作成された文書はデジタル形式で存在し、そのままでは印刷物としての法的な効力が認められない場合がある
しかし、文書に日付とサインを記載することで、文書がいつ作成されたものであるかと、誰によって作成されたのかが明確になる。このような記載により、印刷された文書が法的な効力を持つことができるようになる
<問2>
診療情報の1次利用にあたるのはどれか。(2つ選択)
<解答>
1) 裁判所の命令による情報提供
2) 経営のための統計資料の作成
3) 法令で定められた感染症の保健所への報告
4) 検査部門で発生した検査データの診断への活用
5) 審査支払機関への診療報酬明細書のよる医療費請求
<解説>
◆ 情報の1次利用
診療情報をそのままの形で利用すること
患者の診療や、治療に関わる目的で情報を使用することが目的
診療に直接関わる目的で情報が使用されるため、患者の同意などのプライバシー保護の観点で厳格な制約がある
例① 検査部門で行われた検査結果を診断に活用
例② 医療費請求のために診療明細書を作成する 等
◆ 情報の2次利用
診療情報を集計・分析し、統計的なデータや研究目的で活用すること
医療の品質改善や疫学研究など、広範な視点で情報を活用することが目的
情報が匿名化 & 個人特定が困難な形で提供される場合があり、情報の利活用と、個人情報の保護のバランスが求められる
例① 複数の医療機関から集めたデータを統計的に分析し、治療効果や
副作用のリスクを評価する
例② 特定の疾患の発生状況や傾向を調査する 等
1) 裁判所の命令による情報提供 → 2次利用
2) 経営のための統計資料の作成 → 2次利用
3) 法令で定められた感染症の保健所への報告 → 2次利用
4) 検査部門で発生した検査データの診断への活用 → 1次利用
5) 審査支払機関への診療報酬明細書のよる医療費請求 → 1次利用
<問3>
医療情報倫理について誤っているのはどれか。
<解答>
1) 臨床実習を行う学生にも適用される
2) 人そのものに対する倫理規範と同質である
3) 医療倫理に情報倫理を付加したものである
4) 電子カルテにより行いうる意思決定に関連する
5) 患者個人を記述する情報の集合に対する規範である
<解説>
医療情報倫理は、医療情報の取り扱いに関する倫理的な規範や原則を指す
医療情報の保護、患者のプライバシーの尊重、患者の同意に基づく情報の利用などが含まれる
一方、情報倫理は、情報の収集、保存、処理、利用などの活動に関する、倫理的な規範や原則を指す
医療倫理と情報倫理は異なる概念であり、医療情報倫理は情報倫理に付加されたものではない
◆ 医療情報倫理
医療現場で生成される患者の個人情報や、医療関連の情報に関して、適切な取り扱いと利用を行うための、倫理的な原則や規範のこと
医療情報は、患者の診療や治療に関する詳細な情報を含み、患者のプライバシーや機密性を保護する必要がある
以下のような主な原則や規範に基づいている
① プライバシーと機密性の尊重
② 情報の正確性と完全性
③ 患者の同意と自己決定権の尊重
④ 匿名化とデータセキュリティ
<問4>
医療情報システム利用者の責務で誤っているのはどれか。
<解答>
1) 必ず自身のIDでログインする
2) 作業を終了する場合や離席する場合は必ずログアウトする
3) 自身でパスワードを管理し、他者に利用されないようにする
4) 電子保存システムに入力した際は確定操作を行い、責任を明示する
5) 利用者が個人的に使用しているソフトウェアを端末にインストールする
<解説>
医療情報システムは、特定の目的に合わせて設計・構築されたシステムであり、セキュリティや適切な情報管理を確保するための制約や規則が存在する
利用者が個人的に使用しているソフトウェアを、医療情報システムの端末にインストールすることは、システムの安定性やセキュリティを損なう可能性がある
医療情報システム利用者は、システムの適切な利用に関するガイドラインやポリシーに従い、システム専用のソフトウェアやアプリケーションのみを使用するべきである
<問5>
医療情報担当者倫理綱領(Code of Ethics for Health Informatics Professionals)について誤っているのはどれか。
<解答>
1) 医療情報担当者は医療従事者にかかわる責務を負う
2) 医療情報担当者は施設及び雇用者に対する責務を負う
3) 目的の1つは倫理的見識を一般人に明示することである
4) 目的の1つは施設を評価する際の基準として用いることである
5) 医療情報担当者は患者などの記録の対象者に対する責務を負う
<解説>
医療情報担当者倫理綱領の目的の中に、施設を評価する際の基準として使用することは、明示されていない
医療情報担当者倫理綱領は、医療情報の適切な取り扱いと患者のプライバシーの保護を促進するために作成されている。医療情報担当者は、これらの倫理的な原則と責務に従って行動することが求められる
医療情報担当者倫理綱領の主な目的は
① 医療従事者にかかわる責務を負うこと
② 施設及び雇用者に対する責務を負うこと
③ 倫理的な見識を一般人に明示すること
④ 患者などの記録の対象者に対する責務を負うこと
などがある
◆ 医療情報担当者倫理綱領
医療情報の管理や利用に携わる専門家(医療情報担当者)に対して、遵守すべき倫理的な基準や、指針を示した文書
医療情報の適切な管理と利用において、公正さ、透明性、個人情報の保護などを確保するために重要である
【 今日のまとめ 】
◆ 情報の1次利用
診療情報をそのままの形で利用すること
患者の診療や、治療に関わる目的で情報を使用することが目的
診療に直接関わる目的で情報が使用されるため、患者の同意などのプライバシー保護の観点で厳格な制約がある
例① 検査部門で行われた検査結果を診断に活用
例② 医療費請求のために診療明細書を作成する 等
◆ 情報の2次利用
診療情報を集計・分析し、統計的なデータや研究目的で活用すること
医療の品質改善や疫学研究など、広範な視点で情報を活用することが目的
情報が匿名化 & 個人特定が困難な形で提供される場合があり、情報の利活用と、個人情報の保護のバランスが求められる
例① 複数の医療機関から集めたデータを統計的に分析し、治療効果や
副作用のリスクを評価する
例② 特定の疾患の発生状況や傾向を調査する 等
◆ 医療情報倫理
医療現場で生成される患者の個人情報や、医療関連の情報に関して、適切な取り扱いと利用を行うための、倫理的な原則や規範のこと
医療情報は、患者の診療や治療に関する詳細な情報を含み、患者のプライバシーや機密性を保護する必要がある
以下のような主な原則や規範に基づいている
① プライバシーと機密性の尊重
② 情報の正確性と完全性
③ 患者の同意と自己決定権の尊重
④ 匿名化とデータセキュリティ
◆ 医療情報担当者倫理綱領
医療情報の管理や利用に携わる専門家(医療情報担当者)に対して、遵守すべき倫理的な基準や、指針を示した文書
医療情報の適切な管理と利用において、公正さ、透明性、個人情報の保護などを確保するために重要である