【Poly】ポリリズムについて
拍についてのリズム講座、奇数リズムの講座を経て次は多重リズムである「ポリリズム」の解説をしていきます。
ポリリズムとは
言葉としては聞いたことがあるけど実際どんなリズムのことを指すのか。
定義としては「複数の異なるリズムが並列進行する」ものを言います。
この定義だと4分音符と8分音符という「複数の異なるリズム」を同時演奏する場合もポリリズムといえます。
しかし、一般的にこの組み合わせはポリリズムと呼ばないことが多いですよね。なぜならその2つのリズムは4分音符を基準として拍や拍子を共有しているから。4分と16分、8分と16分なども同様といえます。
つまり、私たちが一般的にイメージしているポリリズムとは
複数の異なる拍子が同時進行するポリメトリック
2拍3連など複数のリズムのタイミングが○拍ごと、比較的短い周期で重なるクロスリズム
のことを指していると考えています。
多重リズムの総称である
先にも述べた通り4分や8分など慣れ親しんだリズムの組み合わせもポリリズムとするならば、ポリリズムとは広義に解釈されるものであり、世の中のほとんどの音楽にポリリズムが存在するといっても過言ではありません。
決して複雑なリズムや変態的なリズムアプローチだけがポリリズムなのではなく、ドラマーであるなら手足の組み合わせによるリズムパターンを演奏しますが、それ自体もポリリズムといえます。
つまり何が言いたいかというとポリリズム自体はそんなに敷居の高いものではないので気軽に取り組んでみてほしいということです。
皆さんがイメージしているポリリズムについて少し解説すると
ジャズのドラムソロや楽曲のアレンジで多用される4拍子における「3拍フレーズ」や「1拍半フレーズ」などはポリメトリック的リズムアプローチとなります。
アフリカの音楽などでよく用いられる6/8拍子と3/4拍子が同時進行するクロスリズムともポリメトリックとも呼べるようなポリリズムもあります。
いろいろと細かくポリリズムを分類することもできますが、リズムへの視点が異なるだけで境界ははっきりしていません。当レッスンでは
ポリメトリック⇒多拍子
クロスリズム⇒○拍○連
という解釈でレッスンを行っています。名称は何かを指すときに使われるものでありその指したものの意味をイメージさせることも大事なのは以前紹介したこの記事の通り。
⇒【Beat】オモテ拍、ウラ拍って誰が言い出したんだよって話
メトリック=拍節
メトリックとは和訳すると「拍節」という意味を持ち、一部の変態ドラマー(僕を含む)が好むメトリックモジュレーションとは和訳すると「拍節の変調」といったニュアンスになります。奏者が基準にしている拍節を変えることでテンポが速くなったり遅くなったり感じさせることができる変態テクニック。
ドラマーとは共演者、リスナーに強烈なビートを示すのが役割なのにそのビートを変調させまくるので確実に嫌われます。ニヤニヤするのは一部の人のみ(笑)
話がそれてしまいましたが、ポリメトリックとは「多拍子」といったニュアンスになります。つまり基準となる拍子ともう一つの異なる拍子の両方を感覚として落とし込み、自身のリズム感を「ポリリズム化」していくのです
そのトレーニング方法を次回から紹介していこうと思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!