【Beat】オモテ拍、ウラ拍って誰が言い出したんだよって話

前回に続き、リズム考察編です。
前回では拍を感じるというものがどういった感覚かといった話でしたね。そこでDownとUpの話が出てきたので今回はそこに焦点を当てたいと思います。

楽典では表拍、裏拍という用語はない

(楽典とは・・・西洋音楽において、音楽用語の概念や記譜に関することがまとめられた教科書)

筆者はクラシック科ではありませんでしたが音楽大学出身ですので基礎的な楽典の内容は頭に入れています。その時に「表拍」「裏拍」という言葉は存在してなかったことが気がかりでした。(勉強する前から表拍、裏拍という風に教えられていたため)

代わりに楽典には「強拍」「弱拍」という言葉が存在します。これはアクセントをつけるとかの「強調」ではなく、拍としてのエネルギーが「重い」「軽い」といったニュアンスになります。その強拍を俗に表拍、弱拍を裏拍といつしか呼ばれるようになり今やポピュラー音楽ではそちらの言い方のほうが一般的になっていったようです。

ちなみに英語名では強拍を"Down Beat" 弱拍を"Up Beat"と呼びます。

日本語では強弱、英語ではアップ・ダウン

よく英語や英会話の授業でも日本語に言い換えるとどうもニュアンスが異なりうまく説明できないといった事態が起こりますが、なぜDownが強でUpが弱なのか、、、西洋音楽のノウハウが詰まった楽典の時点で私たちは異なるニュアンスで理解していることになりませんか?

そして少し調べたところアップ・ダウンは指揮者の腕の振り方が由来とも言われています。振り下ろすからDown Beat、振り上げがUp Beatと呼ばれていたらしいです。

このことからも前の記事にもありましたが音楽において「落ちる感覚」が拍感であるという認識はあながち間違いではないのではと思っています。

アップ・ダウン≠強弱≠表裏

屁理屈かもしれませんがそれぞれの言葉が拍について同じ意味を指しているはずなのに、どれも全然解釈が異なりますよね。拍とは感覚的なものなのでイメージや解釈の仕方で捉え方や感じ方が大きく変わってしまいます。

「裏」と認識しているからできない

リズム感に自信のない人や「裏拍が難しい・・・」悩んでいる方は「裏」と思っているからできないのではないかと考え、レッスンでこの件について説明し、それに沿ったトレーニングをしたらいつも劇的に改善します。

音楽は五感で感じたこと、心で感じたこと、頭の中で描いたイメージを音や歌で表現していく芸術です。

つまり解釈や認識の違いで出てくる音やリズムも大きく異なっていくので、できないからとがむしゃらに練習する前に「どのように解釈し、どう表現していこうか」とイメージを膨らませ方向性を決めてから取り組むのがよいのではないかと考えていますし、そのように指導するように努めています。

最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が日本人のリズム感の向上につながればと思います!


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