月への道のりの第一歩 タイタンⅡ GLV
アメリカは1961年にケネディ大統領が「人類を月へ着陸させ、安全に地球へ戻す」宣言をしてから急ピッチに宇宙開発が進みました。1961年といえば、1958年にアメリカ初の人工衛星「エクスプローラー1号」が打ち上げられてから2年です。やっとアランシェパードがアメリカ人初の宇宙飛行を成功させ、帰還してから三週間。まだまだ未熟な状態の中、ソ連との賭けに出たのでした。月着陸計画「アポロ計画」を遂行するために、アメリカは、当時遂行中だったマーキュリー計画との間に「ジェミニ計画」を挟みこみました。ここで活躍したのが、タイタンⅡ GLVロケットです。
<基本データ>
・打ち上げ国:アメリカ
・打ち上げ開始:1964年
・打ち上げ終了:1966年
・全長:32m
<歴史・構造>
GLV というのは Gemini Launch Vehicle の略。ジェミニ計画で使用されていました。合わせて12回打ち上げられ、全て成功しました。ロケット打ち上げ技術が安定して供給できていることが伺えます。タイタンミサイルから転用され、人が乗っても安全なように様々な設備が整えられました。
例えば、
①宇宙船に搭乗している飛行士に危険を知らせるためのシステム
②ある機械が故障した時に、別の機械でバックアップ(助け)できるようにする機能
などが搭載されました。
アポロ計画の前段階で使われるロケットでした。つまり、このロケットの成功率がアポロ計画の成功へとつながったに違いありません。
(ここでは、ジェミニ計画は扱いません。いつか別の企画で「妥協することなく」これまでの宇宙開発の歴史を説明します。)
<参考文献>
<写真>
NASA
WIKIPEDIA