【新約聖書:34】最高法院での裁判
人々はイエスを捕らえると、大祭司のところへ連行した。
そこには、律法学者や長老たちが集まっていた。
ペトロは遠く離れたところでイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで行った。
そして、事の行方を見届けようと、下役たちとともに座っていた。
祭司長と最高法院の全ての人間は、イエスを死刑にしようと
不利な偽証を求めていた。
偽証人は幾人も現れたが、証拠は出てこなかった。
最後に二人の者が来て、言った。
「この男は、神の神殿を打ちこわし、3日あれば再建できると言いました。」
そこで、大祭司はイエスに告げた。
「何も答えないのか。
このものたちがお前に不利な証言をしている。
さて、答えよ。」
イエスは黙っていた。
さらに、大祭司は言った。
「神に誓って答えよ。
お前は神の子、救世主なのか。」
イエスは言った。
「それは、あなたが言ったことです。
しかし、私は言う。
あなたたちはやがて、人の子が全能の神の右に座り、
天の雲に乗ってくるのを見ることになろう。」
そこで、大祭司は服を引き裂きながら言った。
「神を冒涜した。
それでもまだ証人が必要だろうか。
諸君は今、冒涜の言葉を聞いた。
どうだろうか。」
人々は答えた。
「死刑にすべきだ。」
そして、イエスの顔に唾を吐きかけ、殴り、あるいは
平手打ちしながら、言った。
「救世主よ、お前を殴った者はだれか、
さぁ言い当ててみろ。」