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【旧約聖書:13】サムソンとデリラ①

ヨシュアの死後、ユダが先陣を切って戦った。
そして、エルサレムを攻めて討ち取った。
その後、イスラエルの民は悪事を行い、神への信仰を忘れたので、
民は大いに苦しむこととなった。
当時、エルサレムを支配していたのはペリシテ人だった。
その頃、マノアという女性がいた。
彼女は、不妊であり子供を産んだことがなかった。
しかし、そこに神の使いが現れ、
「お前は今後男の子を産むであろう。しかし、今後気を付けなければならない。
葡萄酒や強い酒を飲んではならない。
頭にカミソリを当ててはならない。
彼はイスラエルの民を救うことになる。」と告げた。
やがて、彼女は男の子を産み、”サムソン”と名付けられた。
神は彼を祝福した。

サムソンは成長し、ペリシテ人の娘を見初めた。
彼は、両親に彼女を妻にしたいと申し出た。
ある日、トラが吼えたけりながら彼の元へ突進してきた。
がしかし、彼は素手でその獣を八つ裂きにしてしまった。
すると、トラの死骸の周りにミツバチの群れが寄ってきた。
それを彼はかき集めて、両親に食べさせた。
それから、彼はペリシテ人の娘と話し、気に入り、彼女を妻にした。
サムソンの父は宴を催し、客を30人連れてきた。
そこで、サムソンは彼らに言った。
「さぁ、あなたがたに一つの謎をかけよう。
 もし、あなたがたがこの謎を解いたら、亜麻布30着と晴れ着30着を差し上げよう。
 しかし、もし解き明かすことができなければ、それらをあなたがたが私に差し出さなければならない。」
彼らは答えた。
「よし、聞こう。謎をかけなさい。」
サムソンは彼らに言った。
「食らうものから食べ物がでた。
 強いものから甘いものがでた。」
客人たちは、この謎を3日間解くことができなかった。
7日目になって、彼らはサムソンの妻に言った。
「夫を口説いて、謎の答えを聞き出せ。
 さもないと、お前とお前の父の家を焼き払ってしまうぞ。」
妻は、夫サムソンに泣きすがって言った。
「あなたは私をちっとも愛していない。
 私に謎の答えを教えてくださろうともしない。」
しかし、サムソンは頑なに拒否したが、
妻は7日間彼に泣きすがった。
しかし、あまりにも彼女が彼にせがむので、
7日目にとうとうそれを解き明かした。
それを、彼女は客人たちに伝えた。
人々は、7日目日没前にサムソンに言った。
「蜂蜜よりも甘いものは何か。
 トラよりも強いものは何か。」
すると、サムソンは彼らに言った。
「もし、私の雌の子牛で耕さなかったら、
 あなたがたはこの謎を解けなかったであろうに。」
その時、神の霊がサムソンに降りてきて、彼らを討ち殺した。
それを見て、サムソンの妻の父は、彼の娘を客人の一人のものにした。

その後、サムソンは妻の元を訪ねた。
しかし、彼女の父親は娘に会わせようとしなかった。
「私は、あなたが私の娘を嫌ったものだと思った。
 そこで、客の一人に与えたのだ。
 妹がいるので代わりに彼女をあげよう。」
しかし、サムソンはそれを聞くと、ジャッカルを300匹捕らえて、その尾と尾をつなぎあわせ、その間に松明(たいまつ)をくくりつけた。
そして、その松明に火をつけ、麦畑の中に放りこんだ。
積んであった麦から、オリーブ畑まですべて燃えた。
ペリシテ人たちは噂した。
「誰がこんなことを。
 あのサムソンという男だ。
 舅が彼の妻を取り上げて、客の一人にやったからだ。」
そういって、彼(舅)と娘を火で焼き殺した。
サムソンは言った。
「私はお前たちに必ず復讐する。
 そのあとで、手を引こう。」
サムソンは、彼らの足腰を打った。
その後、ペリシテ人はユダに攻め入ってきたとき、こう言った。
「サムソンを同じ目に遭わせてやる。そのために来た。」
そこで、イスラエルの民はサムソンに言った。
「お前は、私たちの支配者であるペリシテ人になんてことをしてくれたのだ。
 私たちはお前を縛ってペリシテ人の手に渡すためにきた。」
そういって、彼を縛りあげた。
すると、神の霊が下り、サムソンを縛る縄はいともたやすく解けた。
サムソンは、ロバの顎の骨を見つけると、それを使って千人打ち殺した。

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