【旧約聖書:13】サムソンとデリラ②
その後、サムソンはソレクの谷にいる女性、デリラを愛した。
ペリシテ人たちは、彼女の元を訪れ、言った。
「サムソンを口説いて、彼の力の源を調べよ。
どうやったら、彼に打ち勝てることができるのか。
そうすれば、あなたに銀1100枚あげよう。」
そこで、デリラはサムソンに言った。
「どうか私に教えてください。
あなたの強い力はどこにあるのでしょう。
どうやったらあなたを苦しめることができるのでしょう?」
サムソンは答えた。
「まだ干していない新しい弓の弦で私を縛るなら、私は弱くなる。
並みの人間になるだろう。」
そこで、ペリシテ人は、干していない7本の新しい弓の弦を彼女に渡し、
彼女はこれでサムソンを縛り上げた。
彼女は、奥の部屋に人を待ち伏せたまま、彼に告げた。
「サムソン、ペリシテ人があなたを襲ってきます。」
しかし、サムソンはわけない様子でただちにその弦を解いた。
デリラは言った。
「あなたは私をだましたのね。
今度こそ本当のことを教えてください。」
サムソンは答えた。
「もし、使ったことのない新しい縄で私をしっかり縛るなら、
私は人並みの力の者となるだろう。」
そこで、デリラは新しい縄を使って彼を縛った。
しかし、今度も、彼はたやすくその縄を解いた。
また、デリラはサムソンに同じことを聞いた。
すると、「機(はた)の経糸(たていと)と一緒に私の髪の毛7房を織り込み、
機のおさで締め付けておくならば…」と彼は答えた。
しかし、今度も彼にはその効果はなかった。
彼女は、彼に言った。
「あなたは私のことなどちっとも愛してなんかいないのだわ。」
そういって、毎晩彼を責め立てた。
そして、ついにサムソンはすべてを彼女に明かすことにした。
「私の頭には、カミソリが当てられたことがない。
もし、私の髪の毛が剃り落とされたら、私の力はたちまち弱くなるだろう。」
そこで、彼女はサムソンを眠らせ、人を呼んで、彼の髪の毛を剃り落とさせた。
すると、彼の力はなくなった。
そこに、ペリシテ人が彼に襲い掛かり、彼の両目をえぐり出した。
そして、ガザに引き連れていき、青銅の足かせをつけさせて臼を引かせた。
しかし、牢に繋がれている間にも、サムソンの髪はどんどん伸び始めていた。
その頃、ペリシテ人たちは、サムソンを捕らえられたことに喜び、
宴を催していた。
彼らは上機嫌になり、サムソンを見世物にしようと企んだ。
サムソンは連れてこられ、笑いものとなった。
しかし、そこでサムソンは自分の手を固く握っている若者に言った。
「私の手を放して、神殿を支える柱に寄りかからせて欲しい。」と。
その時、神殿にはペリシテ人約3000人の男女がいて、
サムソンを笑っていた。
サムソンは、神に向かってこう言った。
「神よ、どうか私を心においてください。
もう一度だけ、私を強くしてください。
私はこの失われた目のために、ペリシテ人に復讐したいのです。」
そういって、サムソンは神殿を支える2本の柱を探り、左手に1本、右手に1本手を当て、
それを力いっぱい手で押し広げた。
すると、神殿はもろくも崩れ落ち、民の上に落ちた。
こうして、サムソンもそれと同時に死んだ。
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