運動と脳機能との出会い~100kmマラソン挑戦編⑦~

100km完走に大切な三つの”ぼう”

年齢は60歳くらいだろうか。意気消沈していた自分に声を掛けてくれた。70km以降はその方と一緒にゴールを目指すことになった。

話を聞くと、何度もウルトラマラソンを完走している方だった。その方も疲労で歩くことを選択していた。一緒に歩きながら言われた。「ウルトラマラソンを完走するためには三つの"ぼう”が必要なんだよ。」と。

3つの"ぼう”、、、疲労しきった自分の頭には、何も浮かばなかった。

3つの"ぼう”とは、希望、相棒、辛抱だと教えてくれた。長い道のりを歩むためにはこの3つの"ぼう”が必要だと。まず、ゴールできるという希望をもたないといけない。次に、孤独であってはいけない。相棒がいるからゴールできる。最後に、いことをえ込んで進まなければならない。つまり辛抱が必要になる。

ここまで80km。残り20km。制限時間まではまだ余裕がある。歩いてもまだ間に合うだろう。絶望から希望に変わった。どうやらこのランナーの方も同じペースで進むらしい。ゴールまで一緒に行くこととなった。一緒にゴールまで歩む相棒を得た。ここにきてめちゃめちゃ苦しい。どうやったって、この苦しみからは逃れられない。逃れらないななら、抱え込んでゴールしようと、辛抱する決意はできた。

決意が固まれば、前に進むことができた。その方の色々話したが、今覚えていることはその三つの”ぼう”の話だけだ。

ようやく18周走り終え90kmまで到達。ゴールまでは残り10kmとなった。