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【Vol.6】メイクオフをしないパーソナルカラー診断は無効に等しい

パーソナルカラー診断を受けたものの、その色を使ってもしっくりいかない方、使いこなせない方、また受け直す度に違う結果になり迷子になった方は今後ますます増えていくと思われます。このブログでは、現役の男性のパーソナルカラーアナリストが信頼あるパーソナルカラー診断のために、何が必要か?をカラーの専門家の立場から、原因と対策について多くの視点から一つずつ整理しながら、まとめております。

パーソナルカラー診断が正しく行えるか?を一から見直すために、「色が見える原理」にまで立ち返って丁寧にまとめています。
色が見えるための三要素は、下記のように①光源、②物体、③目(人間の視覚、それを認識する脳)が挙げられるのですが、vol.5までは①の光源について書いています。正しい照明(分光分布を持つ光)でなければ、正確な色の分析はできないという内容でした。そしてその次に挙げられる要素が、その照明が当たる「物体」です。

色が見えるための三要素

まずは、この話をするにあたっても①の方が当然のことながら優先順位は高いです。「正しい照明環境で、診断する準備ができた状態」を前提としてこの話は進みます。

ここで挙げられる「物体」とは何を指すかというと、照明が当たるもの、色を発しているもの全てです。診断を受ける人、診断に使うカラードレープ、その他の道具、周りの環境の色、などです。ここでも沢山の原因が考えられるので、まず順番に一つずつ原因を考えていきたいと思います。そしてその初回は、「人」です。

人に原因がある、という言い方をすると誤解を招きそうですが、要はその人に正しい照明が当たっているのに、本来の色が見えるのを邪魔する要素がないか?ということです。ここまで言うとおそらく、「メイク」と気づいてくださるはずです。

"メイクしたまま診断"は受け直しの2大原因

メイクをしたままのパーソナルカラー診断が行われているケースが多いのですが、診断の受け直しの2大理由に挙げられます(もう一つは照明)。メイクをしたままのパーソナルカラー診断は無効と言ってもいいくらい、意味がありません。上にも書いたように、本来の色の見え方を邪魔するものでしかないからです。それどころか、チークの色やアイシャドウ、リップの色は本来のその方の持つ色とは違う色に見せているわけですから、正しい診断にならないことは言うまでもありませんね。

メイクをしたままの診断をするということは、ただその時のメイクに合う服は何がいいか選ぶようなもの。当たり前のことながら、イエベのメイクをしたまま診断を受ければイエベの色が似合いやすいし、ブルベのメイクをしたらブルベの色の方が似合いやすく見えてしまいます。

よく、普段メイクをしたまま服を着るのだから、このままでいいのでは?とのご質問も多いですが、そのメイクの色を見直すきっかけになるのもパーソナルカラー診断なのです。嘘のように聞こえるかもしれませんが、「今使っているメイクの色とパーソナルカラーは違う方が多い」です。全く違う色でメイクをすると、さらに素敵に見えることも多いので、もし現状のメイクのまま診断をすれば、本当はもっとオススメのメイクの色があるかもしれないのに、その絶好のチャンスを捨てたようなものなのです。

ベースメイクなら大丈夫なのか?

答えはNoです。上記の話なら、ポイントメイクの色物を使わなければ問題ないのでは?と思われるかもしれません。しかしファンデーションも肌の色の見え方を変えてしまいます。私たちは、肌の色だけではなく、肌の質感や肌理(キメ)の細かさなど、とても細かい部分まで見ていますので、そこにどんなに薄いものでも、顔を覆うものがあるなら、もうお面をして診断を受けるようなものと思っていただいた方が良いです

色は、光が物体の表面で反射して見えるもの。その表面(人間の肌)に薄くてもカバーするものがあれば、本来の肌の色の見え方は変わります。当店では、基本的にベースメイクは全て、日焼け止めでさえもお取りいただいてから診断を行います。

パーソナルカラー診断では、繊細な違いを見分ける必要があります。本当なら血色が悪く見える色、イマイチなはずの色も、メイクする状態で見るとそう見えず、あまり差がわからなかったり、それどころか全く別の結果になってしまうということが起こるからこそ、メイクオフは必須なのです。
当店では、色が正しく見える照明を使用し、完全ノーメイクで診断を行うので、パーソナルカラーによる変化が、最大限に伝わる条件と環境で行っています。私が何か言う前に、お客様自身が「こっちですよね?」とはっきり答えられることも多いです。

パーソナルカラーは、持って生まれたその方の持つ本来の色を元に、診断するのは当然のことのはず。よく「パーソナルカラーは肌、髪、瞳の色と調和する色です」と言われる割には、本来の肌の色ではない色と調和する色を選んでいることになります。それは何のためになる診断なのでしょうか?

まとめ:メイクを取らない診断は無効と言っても過言ではない

これまでに書いてきたように、メイクをしたままのパーソナルカラー診断は「百害あって一理なし」でしかありません。しかし、メイクをしたまま受けられることは、お客様からすれば良いことのように聞こえるはずです。メイクを取ると言うこと自体が、とても大変なお願いであることは重々承知していますので。メイクしたまま診断をしてくれる人の方が、親切な人、優しい人に感じるかもしれませんね。

しかし、それがお客様のためになるのかと考えるとそう思わないからこそ、メイクオフをお願いするのです。もし、もっと素敵に輝く色があるのにそれが見つからなかったら?今後服やコスメの買い物をしてもしっくりいかず楽しめなかったら?そんなことを考えるとメイクをしたままで診断をすることはできません。しかも、お金をいただいて診断をしているのにも関わらずー

私は、メイクをしたまま診断するということは、そういったその先のことを全く考えていないからだと思っています。イベントで人が集まれば良い、診断料金がいただければ良い、というその場だけのことしか考えていないということ。

ここまでメリットがない、メイクをしたままの診断が、なぜ今尚行われるのか?これに関してはまた次回まとめていきたいと思います。