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#工事内訳書とは #工事内訳書書き方 や様式は?公共工事や住宅改修の時に提示が必要な書類 #工事内訳明細書記入例
建設業などに携わる方の中には工事内訳書を作る事を求められる方もいらっしゃるでしょう。建設作業においては様々な費用が発生してしまう為、細かな名目を記述した書類が求められます。
しかし、何の資料か分からない方も少なくないでしょう。工事内訳書とは、様式、さらに注意点などについて解説します。
工事内訳書とは?
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基本的には、該当する建築に関係している内訳をまとめた文書です。一般的には住宅建築や住宅改修で提示が求められる事が多く、これらの各種建築の費用などを内訳として示すような内容となっています。
工事内訳書の特徴としては、内訳部分自体が何段階かに分かれている点です。以下のような種別ごとの合計などが分けて作られた一覧です。
金属工事
左官工事
その建築に関係する費用を明確に提示する為にも重要な書類とされているので、虚偽の記述や記入漏れなどはトラブルの原因になります。担当になった場合、正しい様式での文書提示が求められます。
必要な理由とは?
工事内訳書が必要な理由は、大きな公共事業での入札する際の不正予防です。工事内訳書が必要な建築を、以下に示します。
都道府県が一般競争入札する公共工事
指名競争入札により発注する公共工事
注意点
指示に沿った様式で作っても、無効となってしまうパターンがあります。無効となってしまった場合は公共工事に入札出来なくなるので、仕事を受注出来ません。
ここからは、無効にならない為の注意点をまとめていきます。様式を詳しく知ってミスなく作る為にもチェックして下さい。
工事内訳書が無効になる場合
様式を誤って無効になってしまうパターンに、提示側が定めている注意事項に抵触した場合が可能性として挙げられます。その為、作る際は提示先が提示している注意点や留意点を鑑みた様式が求められるのです。
パターン①金額の不一致
まず、多くあるのが工事費内訳書の合計金額が入札書の金額と一致しない場合です。これは、明らかに修正が必要な内容ですので確認すべきでしょう。
パターン②記入漏れ
そして、作業名だったり業者名などの基本的な部分の記入漏れがあるものは無効とされるので注意です。互いに分かっている内容であっても、口頭で伝えて直すというのは危険です。
この部分は必ず守るように作った方が信頼を得やすいと考えられます。
パターン③端数調整している
次に、端数調整を行っているものなどです。単価や数量自体に小数点以下の値が含まれているのであれば別ですが、細かな計算が分からないという理由でざっくりまとめた様式をしてはいけません。
パターン④一式表示にしている
そして、建築関連工事を除く、設計図書である工事数量総括表で一式表示となっていなのにも係らず、一式表示としているものも無効になる可能性がある注意点です。
パターン⑤その他
上記の無効なパターン以外にも、無効と判断されてしまう点は沢山存在します。
値引き表示
縦横計算に違算がある
設計図書における工事数量総括表に記述している項目が未記述
など…
様式を守らない様式は信頼を失う
上記のような記述ミスがあまりにも多いと信頼を失墜させてしまう上に、無効となってしまいトラブルになる可能性が多いに出てきてしまいます。細かな部分であるからこそ、トラブルを回避する為に細部まで徹底した様式を心掛けるようにしたいものです。
無効のパターンは公共工事が行われる都道府県によって異なる場合も!
上記のように無効になってしまう様式について列挙しましたが、都道府県で全て一緒という訳ではありません。公共工事を請け負う都道府県市区町村に確認するのが一番確実です。
工事内訳書の様式
ここからは、様式の基本的な部分について考えていきます。なかなか普段作る機会がない書類のひとつです。その為、ある程度様式の流れを踏まえておく事が正しい資料を作る上では重要になってきます。
提示年月日
提示年月日の項目を作ります。
入札者や代表者の情報
入札者の所在地や商号や名称、代表者の氏名や印鑑などが記述出来る項目をつくります。
回答者の情報
回答が可能となる人に氏名や営業所などの項目をつくって下さい。
工事の概要
重要なのが工事名や工事場所です。分かっているからと記述せずに提示してしまうと、工事内訳書自体が無効となるリスクがありますので注意して下さい。
土木関係工事の情報
次に土木関係工事の工事区分、工種、種別、細別を記述します。建築工事積算基準によるもので書き記します。
建築一式工事の情報
次に建築一式工事の種目、科目、中科目を記述します。建築工事積算基準によるもので書き記します。
建築関係工事(建築一式工事以外)の情報
次に建築関係工事(建築一式工事以外)の種目、科目、中科目、細目を記述します。建築工事積算基準によるもので書き記します。
その他の情報
その他の工事について記述します。その他の積算基準によるもので書き記します。
非常に慎重に漏れなく間違いない様式が大切!
必要事項を明確に漏れなく記述していなければ無効となってしまいますので、不明な部分がある場合は担当に必ず確認しましょう。
内訳明細
内訳明細の様式や様式に決まりはありませんが、一般的な項目についてお伝えします。
レベルを意識した様式で!
工事内訳書の内訳明細にはレベルが存在しています。各建築に置いて必要なレベルを以下に示します。
一般的なもの…一番上位の項目から4段階下のレベル
建築一式…一番上位の項目から3段階下のレベル
明細を振り分けていく
工事に関わっている設計書の各項目に応じた、以下の情報を記述します。
項目名
単位
数量
アイウエという大見出しで作っていく場合、アは土木関係工事になります。そして、①②といった形で分けて、工事区分に工種や種別や細別などを分けます。
さらに、建築一式工事をイとした場合、種目や科目や中科目という形で明細を振り分けていきましょう。
定められた様式をしっかり守る!
様式についてはA4(縦や横自由)などといった形で、提示側が決めている場合もあるので忘れずに守るようにします。
中には、「出精値引△○円」という様式をした場合は無効とするというルールを示している場合もあるので、細かい部分まで注意して様式には慎重になりましょう。
もちろん金額等が間違っていると無効となるので、ミスのない様式が必要不可欠となる書類です。
入札に必要な工事内訳書の様式
様式は、入札を担当している地域の工事担当課に連絡や確認するのが確実です。決まった様式がある場合とない場合があるので、必ず問い合わせて確認しましょう。
工事内訳書に記述しなければならない項目も確認する必要があります。気配りが行き届いてる市区町村は、工事内訳書の様式に関しても項目に関してもしっかりと記述されているところがあります。
インターネット上でも見つからない場合は、必ず地域の工事担当課に問い合わせる事が必要です。
工事内訳書は正確さが命!
様式については、無効にならない為にまず正確さに留意する点が重要です。細かな部分や計算も複雑になっていきます。専門家に相談しながら作るのもひとつの手段です。
上記でも記述したように、積算など数字を計算しなければならない作業も発生しますので、専門家や数量計算が出来る人に意見を聞きながら作る事が必要です。
ただ、この作業は勉強になりますので、意味も同時に教わる事が大事です。様々な種類の建築がありますので、毎回一緒ではありません。
パターンで覚える事も重要ですが、深く意味を噛み砕く事の方が更に重要なのです。特に資料が無効になっては全く意味がありません。
資料が作れない場合は、出来る先輩に確認しながら様式を教えてもらいながら作るのが一番良いでしょう。