【活動報告書06】360度カメラによる水都大阪撮影:道頓堀川(道頓堀橋、戎橋、太左衛門橋)
【活動報告書05】では、「水辺のまちづくり」の素案を作成しました。
【活動報告書06】では、「水辺のまちづくり」の360度カメラによる水都大阪の撮影活動の様子を報告します。
活動内容は、ノダさんに作成していただいた企画書に基づきます。
1.「水都大阪」の成り立ち
大阪が「水都」と呼ばれるようになったのは、その地理的特徴と歴史的な発展に深く関係しています。
1-1.古代からの発展
大阪は古くから水運に恵まれた都市でした。
飛鳥時代には「難波津(なにわづ)」と呼ばれる港があり、大陸や諸国との交易拠点として栄えました。
淀川や大和川などの河川が市内を流れ、これらの水路を利用して物資の輸送が行われていました。
1-2.江戸時代の繁栄
江戸時代には「天下の台所」として知られ、全国から集まる物資が大阪の市場を通じて流通しました。
この時期の大阪は、大阪城の西側地域において縦横に張り巡らされた堀川や運河によって、さらに水運が発展し、経済の中心地としての地位を確立しました。
なお、大阪城については、下記の記事をご覧ください。
1-3.近代の発展と再生
明治時代後半には、洋館やビルディングが水路に面して建ち並び、その景観は「東洋のベニス」とも称されました。
しかし、戦後の都市開発により一時は水辺の魅力が失われましたが、2000年代に入ってから再び「水都」としての再生が進められました。
2001年には都市再生プロジェクトに指定され、親水空間の整備やにぎわいづくりが進められました。
1-4.現在の取り組み
現在、大阪では水辺を活かした都市づくりが進行中です。
道頓堀川沿いの遊歩道整備や中之島公園の再整備など、さまざまなプロジェクトが展開されています。
これにより、大阪は再び「水都」としての魅力を取り戻しつつあります。
大阪の水辺の歴史とその再生の取り組みは、都市のシビックプライドとして重要な役割を果たしています。
これからも水と共に生きる都市として進化し続けるでしょう。
なお、筆者は水都大阪の川・堀沿いをまめに散策しています。
その様子については、下記の記事をご覧ください。
2.道頓堀川の成り立ち
道頓堀川の成り立ちは、大阪の歴史と密接に関わっています。
2-1.開削の始まり
道頓堀川の開削は、1612年(慶長17年)に安井道頓(やすい どうとん)により始まりました。
道頓は私財を投じて南堀川の開削を進めました。
難波(なにわ)商人の心意気です。
(江戸・東京には、この様な男気のある人物はいません。お上の予算を当てにする人間ばかりです。)
しかし、大阪夏の陣で戦死してします。
2-2.工事の継続と完成
道頓の死後、従弟の安井道卜(やすい どうぼく)が工事を引き継ぎ、1615年(元和元年)に運河が完成しました。
この運河は、開削者の名前を取って「道頓堀」と名付けられます。
2-3.江戸時代の発展
江戸時代に入ると、幕府の都市計画により道頓堀の南側に芝居小屋が集められ、道頓堀は芝居と飲食の街として栄えました。
芝居に人が集まることで、食べ物屋も繁盛し、大阪の町人文化の中心地となります。
2-4.近代から現代まで
近代に入ると、道頓堀はさらに発展し、現在では観光地としても有名です。
戎橋周辺のネオンや、湊町リバープレイスなどの近代建築が立ち並び、賑わいを見せます。
道頓堀川は、大阪の歴史と文化を象徴する重要な存在です。
なお、筆者は道頓堀川沿いをまめに散策しています。
その様子については、下記の記事をご覧ください。
3.道頓堀川を撮影
今回、360度カメラを持参して改めて道頓堀川沿いの主要部を撮影することにしました。
3-1.撮影範囲
撮影範囲は、下図のとおりです。
3-2.「道頓堀橋」から撮影
下の写真は、360度カメラで道頓堀橋から道頓堀川上流側を撮影した様子です。
360度写真・動画データをGoogle Photosにアップロードしました。
360度写真データ閲覧は、下記をクリックしてください。
3-3.「とんぼりリバーウォーク」から撮影
「とんぼりリバーウォーク」は、道頓堀川沿いの水辺遊歩道のことです。
下の写真は、「とんぼりリバーウォーク左岸」に360度カメラを設置し、道頓堀橋から戎橋までの区間を撮影した様子です。
3-4.「戎橋」から撮影
3-5.道頓堀商店街を撮影
道頓堀商店街の様子を撮影しました。
4.WHERENESSによるコンテンツ作成
360度カメラで撮影した静止画、動画は、「WHERENESS」というアプリでまとめました。
5.まとめ
チーム企画「水辺まちづくり」を始めることになりました。
水都であるヴェネツィアと大阪を、様々な観点で比較するコンテンツを制作します。
・歴史的な背景
・街との調和
・独特の水上交通
・人々の日常生活
・防潮堤防
に至るまで、5つのテーマを考えます。
今回は、大阪における「川と町との調和」という観点でまとめてみました。
今後も上記の5つのテーマに基づき、現地取材を試みます。