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【詩】ひみつの曼珠沙華(マンジュシャゲ)

夜が静かに深まるころ  
庭の奥に赤い影が揺れる  

彼岸花、彼岸花、誰も知らない場所に咲く  
足を踏み入れた者は、二度と帰らぬと聞いた

その花びらは血のように赤く  
風が吹くたび、囁き声が聞こえる  

「来い、来い、こちらへ…」  
柔らかな声が耳元をかすめるたび  
足が勝手に前へ進んでいく...

近づけば近づくほど、冷たい影が  
背後に忍び寄る、気配がする  

振り返れば、そこには誰もいない  
けれど、花は笑っているようだ  
赤い唇を開き、何かを語りかける...

「ひみつを知りたいの?」  
その声はもう止められない  

彼岸花は微笑む  
そして、もうひとつの足音が森に消える

誰も知らない、誰も戻らない  
けれど奇妙なことに、また足を向けたくなる
 
ひみつの曼珠沙華マンジュシャゲ、赤い光の向こうに  
今日も誰かが吸い寄せられていく...

By MakoCafe

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あとがき





彼岸花に不吉なイメージ持つ理由のひとつとして
古くから墓地の近くに植えられてきたことが挙げられ
また「食べると死後の世界へ行ってしまう」という迷信が存在するのも原因のひとつに
そんなイメージで書きました😊


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