アメリカでは技術者が尊ばれている
何回か続けてアメリカの影の部分を書いたので、アメリカの良い面も書こうと思います。
アメリカのソフトウェア企業には、アーキテクトという職種があり、マネージャー(日本の管理職)と同等の権限を持っています。
僕がいた日本企業の例なのですが、事業部長の様な強い権限もつ管理職は営業畑を歩んで来た人で、技術の事はまるで理解していませんでした。僕の会社だけでなく、他の日本企業も同様だったといます😅
僕が日本で働いていた1990年代後半から2000年代初頭では、日本企業では「二番煎じ戦略」と言うのが行われていて、日本企業は新規分野には挑戦せず、他社が新製品を出したらそれに追随するという事が平気で行われていました😱
僕がいた会社は、今は懐かしいPHS(パーソナルハンディホンシステム、携帯の一種です)を作っていて、PHSのキャリアに依頼されて、メール端末というのを開発していました。
メール端末とはメールを入力するための小型のコンピューターで、開発をしていた技術者全員が、「PHS(携帯の一種)もメール端末もコンピューターなのだから、これらは一つにできる」と「スマホやタブレットの様な物が作れる」ことに気づいていました😲
(実際、シャープからiPhoneが販売される前の2006年にはスマホの原形の様な商品が販売されています)
実は、いくら技術者が斬新なアイデアを提案しても、技術が分からない経営陣や管理職が「責任を取るのが嫌」で握り潰してきたのが、日本企業が「二番煎じ戦略」を取ってきた理由です。
僕は自分の会社で、課長や技術主任の人が一生懸命説得しているのに営業畑出身の事業部長に相手にされなかった現場を何度も見ました😭
「二番煎じ」では価格競争にさらされ、技術者の待遇は良くならず疲弊してしまいます。そのため当時の日本の技術者は、韓国や中国の企業に移ってしまいました。
僕が日本の企業を辞めてアメリカに行ったのも、課長が技術主任が虐げられている現場を目撃したのが原因の一つです😨
僕は2018年頃に東芝で働きましたが、東芝の本社にはプログラムを書ける人は一人も残っておらず、実際に開発しているのは下請けの別会社でした😅
アメリカは日本のサラリーマン社長とは違い、技術者出身の経営者が多く、管理職と技術者に同等の権限を与え、管理職が技術者の提案を握り潰すという事を防いでいます。
待遇もアーキテクトになれば管理職と同等になるので、技術者が管理職に転向する必要がなく、その分野の最先端を極め続ける事が可能です。
以前、鴻海に買収されたシャープの技術者がテレビのインタビューに答えていて、「鴻海に買収されてからの方が自分の意見を尊重してくれて、仕事がしやすくなり待遇も良くなった」と答えていました😅
鴻海は台湾企業なので、たぶんアメリカ式の経営で技術者を尊重しているんだと思います。
僕は、日本の失われた30年間の原因は日本社会の体質に問題があったと感じています😭