「身体の性別」について元絵師が説明するよ
※大変長い記事なので、目次を見て、興味がある所だけ読んで頂いても大丈夫です!
「人の体の性別は見て分かるのか?」
というテーマについて、長年人体を描いてきた元プロ絵師として、お話ししてみたいと思います。
昨今、身体の性別による不均衡を無視し、反差別を謳いながら「身体に性別などない」などという差別的言説を撒く界隈があるため、その卑劣な差別行為に抗うための記事です。
かつて私が働いていたのは成年向け業界(現在は退職済)。
毎日、全裸でも着衣でも人体を観察し、描き続けていました。
いわば人体観察漬けの毎日です。
成人向けでなくとも、性別の違いを描き分けることは、絵師にとって必須のスキルと言えます。
とはいえ、私は解剖学の専門家でも講師でもなく、あくまで「ひたすら人体を観察し続けた人」です。
「学問的に正確な知識が欲しい!」という方には、高額な講座や、難解な専門書をオススメします。笑
ここでは、あくまで「観察者としての意見」を軽くシェアする感じでお付き合いください。
私の解説はさておき、参考記事は品質の高いものを引用できていると思います!
結論から言うと……
ごく稀に、異性にしか見えない人がいるため、100%完璧な判別は不可能。
人体を見る訓練をしていない人の場合、見間違うことも少なくない。
でも、そこそこ高確率で見分けられる。 非専門家でも、ある程度は判別可能で、女性のほうが少し得意な傾向がある(という説があるそうです※個人差あり)。
極端な意見は要注意
「人体の性別は『本能で』見分けられる!」という意見には、私は懐疑的です。
こういうことを言う人に限って、実際は性別を見間違えている場面も少なくないので……。
一方で、「性別の違いは性器くらいしかない!」と主張する一部の活動家には、言うまでもなく、巨大なツッコミどころがあります。
この意見は、身体の性別による社会的不均衡を無視している差別的言説である上に、美術や美容、服飾、トレーニングの分野での知識や観察眼を軽視しすぎです。
人体の「なんとなくおかしい」を感じる理由
突然ですが、この図を見てください。
少し違和感がありませんか?
美術や美容、服飾、トレーニングなど専門的に人体に関わる人なら、原因がすぐに分かるかもしれません。
でも、そうした知識がなくても「何かおかしい」と気づいた人もいるのではないでしょうか。
そして、「理由は分からないけど、なんだか気持ち悪い」と感じる人も多いはずです。
答えはこちらです。
実はこの図、青い人の腕が繋がっていませんでした。
一方で、こちらの修正版の図はどうでしょう?
特に違和感を感じないと思います。
見えない部分の体がちゃんと繋がっているからです。
以上が「無意識に何となく分かる」という感覚になります。
はっきり気がついた人はゴメンやで……
人体の違和感を察知する理由
私が教わっている絵の先生(新卒の若者ながら絵がめちゃくちゃ上手で、知識も豊富!)に訊いた所、「人間は、一度見たものを潜在意識で覚えている。だから、現実の構造と違うものを見ると、脳がおかしいと感じる」と教えてくれました。
たとえ理屈では説明できなくても、「何かが違う」と察知する能力は、みんなの中に備わっているんですね。
ある人気イラストレーターが言った言葉があります。
「人間は、人の体を見ない日は、ほとんどない。
なので、全ての人は、人体を見るエキスパートである」
言われてみれば確かにそうです。
私たちは日々、何気なく自分や他人の体を見て過ごしています。
だから、専門知識がなくても「なんとなく分かる」というのは至極当然のこと。
体の専門知識があれば、「ここがこうだから男性(または女性)の身体である」と説明することができます。
でも、知識がない人でも「理屈は分からないけど、この人は女性(男性)っぽい」と感じたりすることがあります。
それこそが、無意識に積み重ねられてきた観察の結果なんですね。
私は「人体の性別は本能で見分けられる」という意見には賛同しません。
ただし、観察や経験に裏打ちされた「直観」は、割と正確に働くと思っています。
先程の、腕が繋がっていない図を見て「何かおかしい」と思えたなら、それはあなたの中にある観察力のおかげ。
何気ない日々の視線の積み重ねが、あなたの脳を「人体を見るエキスパート」にしてくれているのです。
人体の奥深さ、ちょっと感じられたでしょうか?
実際に見てみよう
この画像を見てください。
パッと見ただけでは、「女性と男性が混ざっている」と気づかない人も多いかもしれません。
でも、もし事前に「女性が3名、男性が3名います」と言われたらどうでしょう?
多くの人が「誰が女性で、誰が男性か」を高確率で当てられるのではないでしょうか。
次に、こちらの動画もご覧ください。
動画の場合、さらに「見分ける難易度」が下がるはずです。
性別が分かる理由は、先に触れた通り、無意識に身体の性差を感じ取るからです。
が、特に動画では、着衣であっても動きの中で「可動域」や「骨格の構造」が視覚的に伝わるため、静止画では分からなくても動いていると察知しやすいのだとか。
ちなみに正解は……
静止画が「左から男女交互に並んでいる」
動画が「左から女男交互に並んでいる」でした。
「身体性別のお役立ち情報」と「例外」のお話
具体的に見て行く前に、「人の体の性別を見る」ために役立つ情報や、ちょっと特殊な例についてお話しします。
まずは、参考になりそうな記事をご紹介します。
絵描き用の講座をはじめ、トレーニングや整体、美容やファッションの分野でも、性別ごとの身体の特徴を解説している良質な記事がたくさんあります。
一般トランス支援サイトは、ごく基本的な身体の性差が分かりやすくまとめられている記事が多く、初心者にも理解しやすい内容です。
昨今、おかしなセクマイ活動家や一部のヤバい当事者による、身体の性は曖昧などというトンデモ言動が目立ちますが、表に出ない一般トランス当事者は、身体の性差に向き合っておられるマトモな人が多いです。
念のために言っておきますが、一つの記事を紹介したからといって、そのサイト全体の意見に賛同しているわけではありません(そう書かないと「すべて支持してるのか」と曲解する人がたまにいるので……)。
専門家の知識は難易度が高いけれど奥深い
日常的に人の体と向き合う専門家たちの知識は、本当に奥が深いです。
その分、難易度が高く感じることもありますが、得られる情報はとても上質。
「乙女塾」は、批判や炎上が多い団体ではありますが、人体に関する情報は比較的高品質なものが多い印象です。
プロの美容家の方が豊富な知識と経験をもとに書かれた記事は、学ぶことがたくさんあります。
一部の記事には「絵描き目線だとちょっと甘いかな?」と思う点もあります。
が、逆に言うと、プロの美容家から見れば「絵描きは甘い!」と思われる部分もきっとあるのでしょう。笑
少し前まで、FTMの画家さんが運営していた素晴らしい情報ブログがありました。
身体の特徴に関する内容が本当に実用的でしたが、残念ながら削除されてしまったようで、今では見つかりません……。
意外なところとして、一部の女装家男性が発信する情報には、解剖学的に正しい内容が多く見られます。
元男の娘セクシータレント・大島薫さんの意見はクオリティが高い。一般の当事者たちの意見も鋭く興味深い印象があります。
(ただし一方で、ものすごく鈍い女装家男性たちも存在していたりしますが……謎多き属性)
こうした知識をもとに考えると、女性と男性の骨格や筋肉には、全身にわたって多くの性差が見られることがわかります。
ただし……
専門家によると、一部の骨格や特徴に逆の性別の特徴が表れている男女も稀にいるそうです。
私自身も、肘や重心といった部分が男性的な特徴に近く、女性の多くが取れるポーズができなかったりします。
ちなみに、男性ならできるポーズも取れません。笑
そうした珍しいタイプも少数存在するので、「絶対に100%」女性だから・男性だからこういう形状、ということは実はないそうです。
とはいえ、性差は頭蓋骨だけでも10か所(以上)、全身では100か所以上に及ぶそうです。
レアケースは存在するものの、やはり解剖学的な違いは無視できないもの。
私の経験からも、身体の一部に異性の身体的特徴を持つ人がいても、総合的に見れば性別を判断できるケースがほとんどだと思います。
私自身も、男性的な身体の特徴があるものの、外見では誰が見ても女性にしか見えないし、婦人科検診でも全く問題ありませんでした。
見ても性別が分からないケースもある
しかし、どう見ても「異性にしか見えない」男女が存在することもまた事実です。
声や見た目から性別を疑われていた女子選手が、数年前に出産し、話題になりました。
この出産された選手、ホルモン値では規定に引っかかってたんだね。何もかも知らんかった……。
人体って本当に不思議です。
ほとんどの場合は見た目や体質により性別が分かるものですが、色んな例があるんですね。
また、女性的な身体特徴を生まれ持った男性が、それを活かして特定の職業で活躍するケースもあります(たとえば声……小声)。
このように、ごく稀に異性にしか見えない人は存在します。
とはいえ、大多数の人は、身体の特徴を見て性別を判断できるものだと思います。
※個人の意見です。
体の性差を見て行こう
ここからは実際に、専門家の解説記事等と共に、身体の性別を見ていこうと思います。
顔の特徴
木村拓哉さんとKokiさん、杉浦太陽さんと希空さんなど、よく似ている異性の親子を見ると分かりやすい気がします。
お父さんも娘さんも同じような風貌の美形ですが、男性・女性それぞれの特徴が顔に現れていると思います。
よく「女性は美しい」と言われることがありますが、美醜に性差はありません。
上記の親子を見れば分かるように、美しい男性・美しい女性がそれぞれいるというだけの話です。
額や眉骨・頬骨や顎などに、性別の特徴が出やすいと言われています。
女性はなだらか、男性は角張っている傾向にあると思います。
また、表面には出ない箇所でも、頭蓋骨の性差は存在するようです。
不敬かもしれませんが……
とてもよく似ていて、顔の性差がわかりやすい親子は、秋篠宮殿下と小室眞子さんではないかと思っています。
血縁者ではないソックリ有名人・山本美月さんと八乙女光さんも、顔の性差が分かりやすいです。
体の特徴
身体には性別によるさまざまな違いがありますが、それが分かりやすく解説された投稿をいくつか紹介しつつ、全身について触れてみたいと思います。
こちら↑が大変分かりやすいと思いました。
細かい形状の違いももちろんありますが、性別による特徴は全身のバランスで判断されることが多い気がします。
これは私が作成した、横から見た図です。
女性よりも男性の方が関節が太いという説がありますが、参考資料を見失ったので真偽は不明……。
ただ、指輪のサイズに性差があるのは有名な話です。
肘については、まっすぐ伸ばした際、女性のほうが大きく曲がる傾向だそうです。
一般的に、女性は胸が狭く腰が広い体型で、男性は胸が広く腰が狭い体型になることが多いです。
「私はゴツい体型」と自称する女性もいますが、客観的に見ると女性の比率に収まることがほとんど。
イカつい女性も、男性と比べれば、しっかり女性の体型であることが多いです。※イカつい女性については後述します
華奢な男性は、女性的だと思われていることもありますが、むしろ細いことで男性的な特徴が際立つ場合があります。※こちらも後述します
元セクシー俳優の大島薫さんは、男性的な骨格を隠すために脂肪をつけていたと話していました。
胸幅と腰幅の比率のため、女性と男性では、ウエストやへその位置に違いが出ることが多いそうです。
また女性の骨盤は前傾し、男性の骨盤は直立していることが多いとか(※諸説あり)。
骨盤の下部(恥骨下角)の角度も、一般的には男女によって違います。
これは私の感想なので正しいかは分かりませんが、お尻の下の骨の突き出し方が男女で違うように見える……気がしています(違ったらごめん)。
男性は筋肉や内臓脂肪がつきやすく、女性は皮下脂肪がつきやすいという特徴があります。
これはホルモンの影響が大きく、外部からホルモンを摂取しても同じような傾向が見られるそうです。
ちなみに、某し〇けんさんが「男性の口の中はニューハーフでも筋肉質で硬い」と話していましたが、これは私はノーコメントで……。
知識を得て観察すると
こちらは、男女二人を簡単に図示したものです。
さて、どちらが女性でどちらが男性に見えるでしょう?
もうひとつ。
これは先ほどの図と全く同じ二人を、髪型や髭、服装などの装飾を取り除いたバージョンです。
改めて見ると、どちらが女性でどちらが男性か、多くの人には、ある程度判断がつくのではないでしょうか。
ただし、先に述べた通り「見ても分からんタイプの人もいる」ため、100%断言できるかといえば難しいのですが……
元の写真をお見せできないのですが、実はこの図、しなやかで中性的な小柄の男性と、筋肉質でがっしりした体型の大柄な女性をモデルにしています。
色のついたラインは、同じパーツの長さを比較したものです。大きい女性でも、肩幅が男性より狭かったりして、私も驚きました。
性別のステレオタイプを逆転させたケースですが、それでも、どちらが男性でどちらが女性か分かる方が多いのではないでしょうか?
こうした性別や身体の特徴について、知識を持って観察することで、見えてくるものがあるはずです。
知らんけど。
ある政治家のスキップについて
れいわ新選組・よだかれん議員がスキップする動画が一時期話題になりました。
批判的な声が上がり、「女性をバカにしている動きではないか?」という意見が炎上したこともありました。
正直、私もその指摘には一定の納得がいきます。
でも、その一方で……
よだ議員があのスキップをした理由は、単なるジェンダーバイアスの問題だけではなく、実は、解剖学的な要素も関わっています。
先ほど説明した通り、女性の体は男性とは異なり、腕が内側に曲がりやすく、太ももも斜めに角度がつきやすいです。
これを踏まえて考えると、女性的な骨格や身体的特徴を意識して、肘を内側に固定し、太ももの角度が斜めに見えるよう動かしているためだと考えられます。
こちらの、モーションアクターの演技をご覧ください。
彼女が男性キャラを演じる際、肘を大きく開いたり、大袈裟なガニ股にすることで、男性の骨格に合った動きが表現されています。
もし女性アクターがそのまま動いたら、関節の角度や可動域の違いから、男性キャラが女性の歩き方になってしまうかもしれません。
また、タカラジェンヌや女形の方々も、異性の動きに近づけるために、長年の研究と工夫を重ねています。
元宝塚男役トップスターで、現在は男性イケメン俳優枠でも活躍している七海ひろきさんは、男性と共演しても所作が自然に馴染むよう、相当な努力をされているように感じました。
かつて役者として活動していたよだ議員も、動きに対する知識はかなり深いはずです。
あのスキップはちょっと大げさすぎる気もしますが、大柄で細身の体型をカバーするために、ああいった極端な動きになってしまったのかな……とも思います。
知らんけど。
「大柄でイカつい」は男の特徴?
確かに、男女の身長や筋肉量などには明確な差があります。
しかし改めて言うまでもなく、大柄でイカつい女性も存在します。
「男性でデカくてイカついと、女装しても女性には見えなくなる」という意見をよく耳にします。
が、人体は不思議なもので……。
大柄でイカつい男性でも、骨格や肉付きに女性的な特徴がある「レア体型」であれば、女装した際に女性的に見えることがあります。
これがまた、なかなかややこしい現象で……(理由あって画像は出せませんが……)。
逆に、細身で中性的で可愛らしい容姿の男性は、レディース服が似合っても、やっぱり細くて可愛らしい男性に見えることが多い気がします。
個人的な感想ですが……。
女性は性別を見抜きやすいが、間違えやすいポイントもある
ある海外の生物学者が、女性の方が身体の性別を見分けるのが得意だと話していたそうです。
(でも、国内の解剖学者に聞いたら「その説は知らない」と言われました)
私個人としては、確かに、そうした傾向があるんじゃないかと思います。
しかし、SNSなどを見ていると、けっこうな数の女性アカウントが、同じような見間違いをしていることに気がつきました。
それは、大きくていかついけれど、骨格としては一般的な女性の体型を持った生得的女性に対して「見るからに男の骨格」と判断するケースが決して少なくなかったことです。
こちらの画像をご覧下さい。
大柄でがっしりした超イケメンの写真ですが、こちらを見て「どう見ても男の骨格だ」と思う人もいるかもしれません。
でも、実際にはママさんコスプレイヤーです。男装していない写真を見ると、体格もガッツリ女性です。
格闘家の女性が「男なのに女と戦っている」と誤解され、SNSで誤情報が拡散されたこともありました。
確かに、男っぽい顔立ちの特徴もありますが、男性と見比べると、先に述べたウエストやヘソの位置・骨盤などに、女性的な特徴がしっかり見えてくるような気がします。
SNS上では、女性が「股間部分が盛り上がっているだけ」で男性と認定されることもよくあります。
ミシェル・オバマさんに関しても「実は男」というトンデモ陰謀論があったりします。
が、男性的に加工されたフェイク画像と、ミシェルさんの元画像を見比べると、男女の顔の違いが非常にわかりやすかったりします。
後天的な医療措置で、男性が、ミシェルさんほどの女性的な見た目に変わることができたなら、最初から身体の性差は問題になっていないのです……。
「下半身がたくましい=男性的な特徴」という意見もありますが、実は男性は上半身に比べて下半身が細くなることが多いです。
男性の体型は胸が広くて骨盤が狭い「▽」形、女性は胸が狭くて骨盤が広い「8」形になるのが一般的です。
確かに、大柄でたくましい体型は男性的な特徴ではありますが、個々人の身体の性差を判断する決め手としては、ちょっと弱いかな……と思います。
けれど私が、性別を見定めるセンサーが鈍いだけかもしれません。
なので、あくまで個人の意見ということで……。
「細くて華奢」は女の特徴?
一般的に、太っているほうが異性に見える確率は高くなると思います。
理由はシンプルで、画像を見るとすぐに納得できるかもしれません。
太めの体型だと、肉で体の性差を隠せるのですよね……。
一方、細くて華奢な体型だと、よほど自己プロデュースが上手な人でない限り、それぞれの性別の骨の特徴がどうしても浮き上がってしまうのです。
FTM(女性から男性への移行)の人たちで、パス度(異性に見える度合い)が高い人は、かなり筋肉をつけていたり、贅肉を増やして、女性的な骨格を隠すようにしています。
肉で骨格をカバーして男性的なシルエットを作り、さらに体毛を濃くしたり、頭髪を薄くすることで、より男性らしい印象を与えている場合が多いです。
これらの方法で男性的な特徴を際立たせることで、女性的な特徴から視線を逸らすことができ、錯視効果を生み出せます。
この方のお話も分かりやすい。
しかし細くて華奢でも、身体の性別特徴をしっかり理解すれば、ぐんと異性の外観に近づけることも可能です。
このコスプレイヤーさんは、天才だとしか言いようがない……。
「美しければ女性に見える」か?
よく「美しい女装家は女性に見える」と言われますが、実際には、どちらかというと逆かもしれません(個人差はあります)。
美形の生得的男性は、比較的、見た目が女性に近づきづらいという傾向があるとも言われています。顔立ちがはっきりすると、男性的な特徴も目立つので……。
先述の木村拓哉さんや杉浦太陽さんのようなフェミニンな美男も、娘さんと比べると、男性的な骨格が目立つことがわかります。
でもプロ美容家の手にかかれば、その特徴も生かすことができるみたい。
凄い。
インフルエンサーのちゅるさんは、元々ものすごく端正な顔立ちですが、女性化手術を受けたとのこと。美形であることと、女性に見えることは別軸の問題だからです。「美形」が「女に見える条件」であれば、顔面ガチャSSRのちゅるさんには整形する理由がないはずです。
ちゅるさんによる解説動画を見れば、男女顔の違いが分かりやすく理解できます。
有名女装家・ひめにぃ様のように、特徴が薄くて地味な顔立ちのほうが、女性的に見えることが多いとも言われています。
人気YouTuber・あんどうさんです。
骨格云々はさておき、見るからに女性的な容貌で、典型的な「パス度の高い美形」だと思います。
そんなあんどうさんでも、男装すると、とても自然に馴染むことに驚きました……。
動画コメントにあるように、堂本剛さん系のイケメンですね。
また前述の通り、顔も、痩せ型よりも太っているほうが、骨格が隠れる分、異性に見える確率が高くなると言われています。
でも顔立ちが地味で太っていても、なぜか生得的性別がわかってしまうような人もいます。
上手く異性に見せる技術や傾向はあっても、絶対的な法則はないのかもしれません……。
「オスとメスはグラデーション」か?
私個人は、実は、グラデーション説を支持している立場です。
疾患などは特に関係なく、そう思っています。
ですが、私の考えるグラデーションは以下の通りです。
この画像には、うっすらグラデーションがかかっており、紫の部分が広範囲に広がっています。
そして、はっきりと境目のない紫の部分も存在しています。
しかし、そのほとんどは赤と青。
紫の部分も、ほぼほぼ赤か青のどちらかに属しています。
これは、保守御用達の生物学者も、性別グラデーション論者の医師も、同じことを言っていたのを確認しています。
けれど私は医学について素人であるため、何も信頼できない素人見解です……。
こちらは医師の方が描いた漫画ですが、私のイメージはコレ。
性にまつわる疾患について
まず最初にお伝えしたいのは、私は医療の専門家ではありません。
そのため、まずは、ぜひ専門医や当事者の一次情報を直接確認していただければと思います。
ネット上では、「専門書を読んだから詳しい」と自称する非専門家の方を見かけることがあります。
しかし、実際の医療現場での経験もなく、患者本人を診たことがないまま「詳しい」と語る姿勢には、私は違和感を覚えます。
野球を一度もプレイせず、試合も見ずに、ルールブックや指南書を読むだけで「自分は野球が上手い」と言うようなものです。
人を見ず、本を読んで得た知識だけで、現実の人間の複雑さを理解できるでしょうか?
私は、そのような人を信頼することは難しいと感じます。
最近話題になった性の疾患についても、現代医学では多くのケースで男女の判別が可能だと言われています。
しかし、人体は定型的な人工物ではなく、自然界に属する生き物です。
そのため、個人差が非常に大きく、時には極めて特殊なケースもあるとのことです。
こちら↑の見解に私は同意しています。
先日、染色体疾患を持つ元男性芸能人が、自身の体が女性の特徴に変化していたことを公表し注目を集めました。
通常、この疾患ではそのような身体変化は稀だと言われています。
が、現実として、珍しいケースも存在します。
これは「この疾患だから必ずこうなる」といった論だけでは説明できない、人間の身体の複雑性を象徴しているのではないでしょうか。
こうした特異な症例に対応するには、臨床経験豊富な専門家による丁寧な観察が必要だと思います。
また、五輪で議論を呼んだ女性アスリートたちの件も話題になりました。
「どう見ても男性」と言う声も見かけましたが、その選手たちには、上記で解説したような女性的な身体特徴も見られ(↑のアルジェリア選手は典型的な女額)、声も女性です。この声で「オレオレ詐欺」電話がかかってきたら「お前は女だろうが」と切ります。
専門外のため、生物的にどうかは私には分かりませんが、単に「見た」だけで判断するなら、男っぽさは確かにあるけれども、「どう見ても男」と言うには女要素が多い。
流出した文書に選手の身体の詳細が書かれていた、というニュースもありましたが、選手らの映像や画像を見る限り、まだ見落としている部分があるように思えました。
医学や科学が見逃した部分を感知することも、芸術や、その他の文化の役目なので……
医学や科学で解明できない部分も、他の視点から丁寧に向き合うことが求められるのではないでしょうか。
一方で、疾患や体質が競技に与える影響やアドバンテージの問題については、スポーツにおける公平性を保つため、何らかの形でクラス分けを行うレギュレーションは必要だと私は思います。
私は↑こちらのご意見に近いです。
「骨格透視」は可能か?
繰り返しになりますが、見た目では性別がわからない方も、ごく一部ではありますが存在します。
そのため、100%確実に性別を判別するのは不可能です。
これは医学と美術の両方に精通している解剖学者に確認したので、間違いないと思います。
とはいえ、多くの人については、骨格や体型の特徴から性別を判断できるケースがほとんどだと思います。
目に見えない部分の骨もありますが、体の表面から確認できる特徴は意外と多く、男女いずれかの特徴が強く出ていることが一般的です。
先に述べたように、専門知識がない人でも「なんとなく性別がわかる」というケースが少なくありません。
無意識のうちに骨格や体型を観察し、その蓄積によって直観的に判断していると考えられます。
そのため、多くの人が、実はすでに「骨格透視」をしている状態と言えるかもしれません。
こちらの図は、一般的な男女を簡単に図示したものです。
肩・ウエスト・腰に引いた線は同じ長さです。
骨格により、同じパーツでも寸法が違います。
細い部分を足すことはできますが、骨が入っている部分を細くすることはできません。
性別によって、服のサイズが合わなかったり、シルエットに違いが生じることもあります。
身体的に、異性のように見せたい場合、服装で工夫することが大事。
しかし、動作や服のシワから内部の身体が垣間見えるため、その視覚情報によって性別が分かることもしばしばあります。
それが「骨格透視」に該当するかもしれません。
ただし、具体的に骨格や身体の特徴を正確に見分けるには、専門的な知識の学習や豊富な観察経験が必要です。
これを怠ると、大柄な経産婦を見て「どう見ても男性の骨格」と誤解するような、間違った判断をしてしまう危険性があります。
専門知識のない人が「この骨格は女性(男性)っぽい」と言うのは、絵を描かない人が「この絵は上手い(下手)」と言うのに似ている気がします。
つまり、あまり信頼性が高いとは言えない(あくまで個人の感想ですが)。
一方で、専門知識を学び、人体観察の経験を積んでいけば、なんとなく感じていた違和感や特徴を、より明確に言語化できるようになるのではないかと思います。
そうなると、「骨格透視」もただの感覚ではなく、きちんとした理論に基づくものとして活用できるようになるかもしれません。
知らんけど。
ちゃんと調べる人は意外と少ない
植物観察家の鈴木純さんが、こんなエピソードを話していました。
植物図鑑には「ヒナゲシの種は1500~2000個」と書いてある。
けれど実際に自分で種を数えてみたところ、2800個強もあったそうです。
もちろん、たまたま種が多いヒナゲシだった可能性もなくはない。
でも、図鑑に書いてある数字ではなく、自分で数えた結果を確かめたかった。
それを著書に書いたところ、読んだ人から「図鑑には1500~2000個と書いてある」と指摘されたそうです。
が、実際に数えて2800個強あったのは揺るぎない事実。
ここで重要なのは、「資料を鵜呑みにしない」という姿勢。
資料は大切ですが、それだけですべてを理解した気になるのは危険です。
自分で確認することで得られる現実的な実感が、物事をより深く知る鍵なのだと思います。
「地球平面説」に反論するときも、「地球は丸い。自分で確認してないけど、そう証明されているから」と言うのでは、平面説を信じる人と同じ態度になっている気がします。
自分で見ること、調べることが、理解への第一歩ではないでしょうか。
人体観察は奥深い
こちらの美術講師の方は、このように語っておられました。
標準きっちりの人はいないけれど、標準的な人体を知ることは有用だと思います。
男女で違う骨格の特徴は、18世紀にようやく発見されたそうです。
割と最近の話ですよね。
現在は、男女の骨格・体型の違いが分かる「参考になる本」ならたくさんありますし、動画講座なども充実しています。
でも、どれだけ知識を詰め込んでも、実際に観察して体験しなければ、理解を深めることはできません。
そして不思議なことに、人体を観察すればするほど「人の体で、簡単に分かることは一切ない」という現実にも気付かされることになります。笑
身体の性別をめぐる論議に思うこと
最近、「身体の性別なんてない」という極端な主張をする差別的勢力が登場したため、身体の性別について議論が盛んになっています。
私自身の感想としては、どの立場の人であれ、共通して「自分の目で人体を観察している人が少ないのでは……」と思うことが多かったです。
もちろん、生物学的性別やジェンダー論に基づく議論は大切です。
でも、人の体について語るのであれば、まずは自分の体を含め、身近な人体から観察してみるのが良いのではないでしょうか。
今ではネットで「男女 骨格」と検索すれば、簡単に参考情報が見つかりますし、画像や動画を見て学ぶことも可能です。
生身の他人をジロジロ見るのは失礼ですが、映像や写真なら……許して……。
たとえば「推し」の体を改めて観察してみると、意外と見落としていた特徴に気づくかもしれません。
人間は、どんな生活をしていても、自分や他人の体と切り離して生きることはできません。
隠遁している人も、聖地で修行する人も、自分の体と向き合うのは避けられないのです。
普段は何気なく見ている人の体。
丁寧に観察することで、新鮮な発見がたくさんありますよ。
ソッカ先生は完全無欠の神絵師ですが、「男は骨格によって座ったとき足が閉じにくい」という眉唾情報も書いてあるので、やや注意が必要かも……?
※この記事には、七海ひろきさんが繰り返し出て来ます。もちろん七海さんのことは好きですが、私自身は明日海りおさん推しです(無駄情報)。