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『生殖記』を読んだ

朝井リョウ(小学館)

とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、
同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため——ではなく、
寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんな
ヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、
おそらく誰も読んだことのない
文字列の集積です。

小学館 HPより

感想(ネタバレあり)

どんな話だか全く想像できなかったけど、なるほど。生殖器が人間に語りかけてくるなんて初めて。

自分に重ねて考えて、重なる部分も重ならない部分もある。尚成の生きづらさ、葛藤、諦め、「しっくり」を見つけて生きてきたけど小さい希望を抱いて揺らいでしまって……。そういうのって性的マイノリティだけではなくきっと色々な人にある。社会に歓迎されていない立場の人ってたくさんいる。

自分はまだこの本にハッキリした感想を抱いて言語化できる段階にないなあ。私は共同体の拡大、発展、成長を願って、寄与したい立場なのかも分からないし共同体感覚が強いほど幸福度が高くなるのかもよく分からない。まだもっとずっと幼いところにいるなと思った。将来、”次”を考える時、考えなければいけない時、周りが考えている時になったらこの本のことを思い出すかもしれないなあと思った。

最後に尚成が幸せだなあと感じているのにはうるっときた。幸せでいてほしいなあ。

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