友達と丁寧に会う

社会人になると、友達と毎日顔を合わせることがなくなる。気が向いてふいに呼び出したり、呼び出されたりすることも少なくなる。だから友達と集まったりするのは、大抵前もって日程を決めてからだ。

日程を決めないと会えなくなってしまったことを寂しくも思うけれど、最近は事前に予定がわかっている方が都合がよかったりもする。お腹の調子や身だしなみを整えて、準備をすることができるから。

女友達に会うためにおしゃれをする時間が好きだ。かわいい服を着て、念入りにメイクして、濃いめのリップを塗ったりして。そうして「丁寧に会う」ことができるのは、日程が決まっているからこそだ。

いっとき、何のためにメイクをするのか、という話がTwitterで頭をもたげた。たしか、男のためや社会の目のためじゃなく、自分がテンションを上げるために化粧をしているとかそんな内容だったような気がする(詳しくは覚えていない)。

自分はいったい何のためにメイクをしているのか考えた。それはたぶん、かわいい女友達の隣に並ぶ自分のためだ。

かわいく着飾った友達と、おいしいご飯やお酒を嗜む。根拠のない強気で(あるいはたまに弱気で)恋愛の話をする。時たま写真を撮る。そのすべてを心から楽しむために、きっと私はメイクをしている。

下北沢、18時15分。今日も前もって決められた日時に友人と会うために、準備をしている。丁寧に会いたいひとがいることのしあわせを噛みしめながら。

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