記録的暖冬となっている2つの理由
(この記事は投げ銭制のため全て無料で読めます)
2020年1月下旬、福井市に住んでおりますが雪はまったくありません。
マイカーを手にした喜びと、雪のない喜びとで今日は敦賀まで行き、のんびり海を見ていました。
日本海側の冬とは思えない気候です。
駆け出し気象予報士として、
なぜ今季の冬はこれほど暖かくなっているのかを、できるだけ噛み砕き、「中学生にも分かる!」くらいの感じで書いてみたいと思います。
ですので、専門家の方が読むと物足りなさや稚拙さも多々あるかと思いますが、
これを読んで「もっと詳しく知りたい!」と感じてくれる人がいると嬉しいです。
そう感じたあなたは気象予報士の勉強を始めてみましょう。
さて本題です。
今季の暖冬の原因として、
①北極振動
②偏西風の蛇行
この2つの視点から解説してみます。
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①北極振動
早速謎の言葉が出てきましたが、離脱せずにお付き合いください。私もよくわかってません。落ち着いてください。
文明の利器に聞いてみるのが1番です。
「ok. google 北極振動ってなに?」
「北極振動(ほっきょくしんどう、英語:Arctic Oscillation:AO)とは、北極と北半球中緯度地域の気圧が相反して変動する現象のことである」
(wikipediaより)
…そういうことです(ドヤ顔)。
以下、真面目に解説させていただきます。
こちらの説明で書かれている「北半球中緯度地域」ってのが日本だと思っていただければ、少し読みやすくなるかと思います。
つまり、北極と日本は気圧が相反関係にあるということです。
北極の気圧が高いと日本は低い。北極の気圧が低いと日本の気圧が高い。という状態になります。
(なぜそうなるの?ってところは、かなり難しい話ですので今回はスルーしてください!)
次に気圧について。
気圧とは、簡単に言うと空気の重さです。
気圧が高いということは、同じ面積(例えば畳1枚分)の上空から地上までの空気が重い状態となり、密度が高いとも言い換えられます。
(
気象予報士試験でめっちゃ重要な「理想気体の状態方程式」では、
" p=ρRT " と定義されます。
[pは圧力、ρは密度、Rは気体定数、Tは温度]
つまり、圧力と密度は比例関係!!
)
また、
熱いお風呂に蛇口で水を足すと、浴槽内の気温が徐々に時間をかけて均一化されるように、
地球規模においても、偏った密度や気温は均衡させようという力が働きます。
この地球上の気圧を均一化させようという働きが、「風」なんです。
気圧が高い方から低い方へと風が吹くことによって均衡状態となります。
ここで話を戻し、北極振動について。
今のところは北極振動指数が負偏差で推移されていると予想されます。
負偏差とは、平年値から−(マイナス)の値となっていることを意味します。
つまりこの冬の北極は気圧が低いんです。
となると、北極振動の関係で日本付近(北半球中緯度地域)は気圧が高くなります。
そして、気圧の高い方から低い方へ風が吹きます。
つまり、大きな規模で見ると日本から北極へ向かう南風が吹きやすい環境となっているのです。
冬の寒さを決定づける大きな要因は、「北からどれだけ寒気が流れ込んでくるか」です。
つまり北極やロシア(大陸のため乾燥した冷たい風)からの北風が、流れ込みやすければ厳冬になり、流れ込みづらいと暖冬となるのです!!
しかし、この北極振動というものは、短期的な変動があり、予測も非常に難しいと言われています。
現在は負偏差であったとすると、北極の寒気を南(日本へ)放出できずに、今は寒気をどんどん溜め込んでいる状態とも言えます。
これが、(表現が適切かは分かりませんが)爆発し、北極偏差が正に転換して一気に日本へと寒気が流れ込んでくる可能性もあります。
今後は、この北極振動指数というものにも注目してみると天気予報を見るのが少し楽しくなるかもしれませんね!
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うーん、うまく説明できているでしょうか…?
結構長くなってしまいましたので、
②偏西風の蛇行に関しては、後日また書かせてください!
結論、、
気象予報士の勉強は楽しい。
現在わたしは、気象予報士を目指す人たち向けの小グループを運営しており、3名の方が全力で勉強に励み始めました!
ぜひ興味のある方はご連絡ください!無料です!笑
本日もありがとうございました!
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