【8914】エリアリンク 2020年12月期 第3四半期 決算分析

資料

2020年12月期 第3四半期 決算説明資料

2020年12月期 第3四半期 決算短信

着目点1:ストックビジネスの成長◎

適正株価算出時の前提は以下の通り。

ストレージ運用営利:19億
その他ストック営利:4億
固定費による営利下げ:-12億
底地ビジネス:7億(直近はもっと出るだろうが確約できるのはこのぐらい)

これが「エリアリンクの岩盤の営利」という前提で投資をしている。会社予想の営利23億に対して、18億と結構低い。

今回決算で、この前提が正しいか検証してゆく。

ストレージ営利が1Q分4.5億程度から6億程度に急成長している。要因は以下。

・ キャンペーンの抑制を継続、値引率が改善
・ コンテナの買取、地代減額要請による原価低減
出典:2020年12月期 第3四半期 決算説明資料

キャンペーン抑制は一過性の事象ではない。出店を抑制して質で勝負する方針。キャンペーンで室数を稼ぐ流れには当面もどらないだろう。なにせ、これでも稼働室数はいいペースで増加している。

風の噂で流れていた「地代値下げしてくれ」ペラ1枚。これで四半期2億稼げたら苦労しない。これはコロナが終わると戻るのかな?なんにせよ営利+2億のインパクトとなった主要因とは考えづらい。

コンテナ買取により営利が向上したのが一番の要因だろう。これは確実に一過性要因ではない。今後も営利として乗り続ける。

総じて、一過性要因ではない増加。ストレージ運用営利は通期で21億との会社発表からも、次の4Qも引き続き6億の営利が出せる見込みになっている。

ストレージ運用というガチガチのストックビジネスが、QoQで約1.5倍の営利成長となった。「ストレージ運用営利:19億(=4Q*4.5~5億)」という前提が、24億(=4Q*6億)に急成長。確約EPSが大きく上方修正できる。

着目点2:底地の在庫圧縮はネガティブサプライズなし(○70点ぐらい?)

底地は営利9億、予算未達。うん想定内。というか「ほれみたことか」。在庫を70億も抱えた後で「在庫圧縮!」って、要するに投げ売りしてでもストレージ買い戻すキャッシュ作らなあかんってだけやろ。

とはいえ、自分の予想では赤字になりながら底地をぶん投げてのドヤ顔ネガティブ報告を覚悟していた。フツーに底地在庫を減らせているだけで御の字。残り1Qでさらに13億の在庫圧縮は大変そうだが、まぁちょい未達でもOK。十分良い流れが作れてる。

ここで、2019年12月期の通期決算での発表を振り返って見る。

2020年12月期 業績予想 底地事業:営業利益16億!!
底地事業拡大、19年下期に仕入れた在庫が業績寄与を開始!!

今回決算発表では通期10億予定とのこと。当初の営利16億は?ぜんっぜん結果ちがうやん。自分の想定通り。底地ビジネスって、仕入れありきだし、権利関係でスムーズに売れなけば数字が読めないし、底地の営利は期待しないことが一番。

底地って仕入れないと当然21/12期の売上げ立たないわけなので、やっぱり「底地は営利7億がせいぜい」の評価は来期も変えない。今期3Q時点で営利9億でも変えない。仕入れがあって成り立つし、今後仕入れが回るかの時点で謎。

その他ストックビジネス、固定管理費は、大きなブレなし。

着目点3:買戻損失引当金はネガティブサプライズなく消化◎

自分から見ると、何も問題なく消化しているように見える。ひとまず1/3は解決したかな。ここからが難案件ばかりなのだろうか。

ざっくりと、あと90億分ぐらい買い戻しがありうるのかな。全案件買い戻しは想定しがたいので、半分と考える。

戻入益で一過性のEPS上昇、これは毎年確約のEPSではないので、適正株価には反映させない。

想定シナリオとの比較

何もサプライズが起きなければ、想定シナリオ通り。
具体的には
・買戻損失引当金50億の問題が、対して問題もなく収まってゆく。
・CFは、19/12期の形を継続できる。
・BSは、底地30〜40億に在庫改善。借金は、手持ち現金と同額程度。
・底地で、営利7億達成する。

上記の想定シナリオに対して、営利が上昇する嬉しい話の他は、特段予想外のことなし。

「CFは19/12期の形を継続できる」の部分は、想定と乖離。これほど買い戻しが起きること自体イメージできていなかった。営業CFがマイナスになるかもしれないが、この理由であれば、決して評価を悪くするべきではない。

ストレージ稼働室数の純増+5%程度を維持。

問題なし。

リスクシナリオとの比較

特にリスクシナリオにふれるような結果なし。

決算を受けての適正株価の修正

必要あり。別記事作ります。

追記

その後の通期決算の分析


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