【7520】エコス 適正株価算出
「エコス」を分析して、Evy式で適正株価を算出してみます。株式投資の自分メモです。今回、長くホールドする気持ちがないので超テキトーです。
適正株価:2640 = 基準PER11*確約EPS240
実際株価:2211【21/01/08】
割安率:16%
参考
https://www.buffett-code.com/company/7520/
1.ビジネスモデル
+1 本来0、得意分野と嗜好を反映しての1
北関東〜東京郊外の地場スーパー。わかりやすい商売。ポーターでいうところのfragmented industry。
川上(メーカー)に対して強く出れない規模、プレイヤー過多、ネットスーパーやドラッグストアからも攻勢を受け、価格競争激しい、人口減少、人件費上昇。
はい、評価ゼロ。こういう切磋琢磨して頑張るビジネスほど、投資家に利がない。、、、で終わってしまいそうですが。
「既存の生活様式を変えない、スーパーに通うことが主な消費」という老齢層により、緊縮しきった国内消費の中で岩盤のような需要が維持される。ここは唯一にして最強の強み。資産も人口もすべて高齢者に偏った社会。彼らが困らない限り、彼らは生活習慣を変えない。企業も、彼らのための消費スタイルを残し続ける。
年金という源泉から湧き出た水が、昔作られた溝を流れ続けるイメージ。ここに置かれた水車がずーっとチビチビ発電し続けるイメージ。とっても電力は小さい(利益は小さい)が、必ず水が流れ発電は続けられる。
エコスは、ここでうまく縄張りを守ることに長けているらしい実績が見られる。たいして旨味のある話ではないが、この国の湧水「老齢層の必需消費」の中で、エコスはチビチビと儲け続けられる。という点を評価して1点。
これからも地方郊外の年金をもらったおばあちゃんにずーーーっと利用される。エビデンス?うちの親。
美味しいビジネスか?成長があるか?成長ドライバーがあるか?堀があるか? そこは、期待しない。
2.財務指標
0 良化しているが、それでこれなら、なおさら商売柄の限界を感じる
配当:1.8%
配当性向:17%
増配傾向:8年増配(予定)。
財務体質の改善と一緒に配当も微増してきた8年間。体質の良化は素晴らしい。とはいえ、これでも配当は物足りない。
営業利益率:3% (21年2月期はコロナ特需で参考にならず、ただし改善傾向
借金改善、増配、利益率改善、と全て良い方向に行っている。とはいえ、それでもこの程度。努力はしているが、そもそもこういう商売。
一人当たり税引き前利益:3百万円
従業員数:1300人
同上。
BS。うん、まぁフツーのスーパー。経営側なら精査したいところだが、投資側にとっては「ま、こんなんならおっけ、ぽい。で店の強みは何よ?」って感じ。
CF。安定。顧客から毎日現金もらってる商売だし、この商売でここがぐちゃぐちゃしていたら、投資対象に絶対しないので最低ライン。直近に借金返済&自社株買い。
PBR:1.4
過去平均PBR:1.2〜1.6
ネットD純利益比率:3
可もなく不可もなく。
うーん、努力してます。でも、それでこんな程度ですよねぇ、、、。って感じ。非常に良化していて1を付けたいところだが、客観的にみると並、並なら0。
つくづく「そもそも、どうやっても儲かっちゃう会社」の方がいいな、と痛感させられる事例。生まれた時から美人、的な。
3.競合優位性
0
特に言及できる要素がなければ0点
の典型例。
レッドオーシャンであり、今伸びていれば、今度はやられる側に回る業界。永遠に維持できる「堀」があれば良いが、「すばらしく努力している企業」というレベルだと、ここでは永遠の戦いを強いられる。
「今、伸びている」ってこの業界で常にどっかで発生してる。「今、ヒットチャートの上位にいます!」って投資家にとって魅力的な要素だろうか。デビュー前を買えるならともかく。
これだけ成長しているので、もしかしたらエコスは、食品スーパーの歴史を変えるビジネスモデルを創造したのかもしれない【未調査】。がそうであればこのPERで評価されているとは思えない。
4.業績安定性
+2
PLグラフより。
5.成長KPI
+2 CAGR4%級
売上5yCAGR:5% 直近:5% 今期:5%
営利5yCAGR:15% 直近:11% 今期:3%
売上の過去5年CAGRそのまま。めっちゃ適当。
PL,BS,CFの美しさから見て、自分たちが安定して成長できるペースを自覚していると見る。エコスの成功パターンの範疇で「店と人材を増やせるペース」は、ある程度決まっていて、それを自覚して守っている感じに見える。
「M&Aして自分達流に変えて改善できるペース」も無理せず守ってるとみる。
となると、自分たちの成功パターンでやれるペース=売上成長ペースになるので、売上CAGR見ていればいいかぁー、という感じ。
営利の成長はM&A後の営利率の改善タイミングによってブレる。ここは、分析に時間かかるし、評価としては、売上成長をグネグネと追ってくれればOK。
そもそも短期で投資しているので、そういう指標で見てたら投資できない。
6.成長期待
0 CAGR0%級
いつか、競合他社の領土とぶつかる。詳しく分析すれば5年はいけそう、とかあるかもしれないが、自分としては、いつ起きてもいいぐらいの保守的見解で投資する。
本質的な「堀」がないと、「努力して拡大してきた」というレベルでは、早晩天井にぶつかる。アスリートみたいな世界。
7.その他PER評価
なし
8.基準PER
基準PER:11 = 6+1+0+0+2+2+0+0
過去平均PER:7〜9ぐらい
2項目以上0点となった場合、原則として投資対象としない。
評価低い。Evy式投資法の上記ルールに抵触してます。うーん、、、投資対象としてはギリギリだが、本当によいのか。
9.確約EPS
確約EPS:240 (コロナ前の業績に成長を加味)
計画未達:1/6
未達レベル最大:-3%
ほぼコロナの特需影響がない20年2月期のEPS234から、4%ぐらい成長しているとして、キリがいいからEPS240とします。テキトーです。
10.【7520】エコスの適正株価と割安率
適正株価:2640 = 基準PER11*確約EPS240
実際株価:2211【21/01/08】
割安率:16%
是非投資したい企業! ではなく「割安な企業」という評価。
11.チャート
OK?
週足MACD:C16 D1 -
月足MACD:A8 B2 -
2021年からMACD中心でチャートを見ることにします。自分が時間かけてやっていたローソク足と移動平均線の6パターン変遷分析は、結局のところMACDと同じような判断になることを痛感したので。
週足での一番早い先行状況を確認、この後シグナルをクロスすると見て、入ります。
12.投資判断
買い 500株 @2190 [21/01/08]
長期ホールド前提ではなく、「週足レベルでここから割安が是正されるかな」という、「安いという理由での超テキトーな買い」。MACDの肌感覚を身につけるための練習です。
13.想定シナリオ
売上+4%級の成長。前年超え、会社計画超えの好業績を出す。
14.リスクシナリオ
コロナ禍だが業績不振。会社計画超えの好業績を出せない。
株価が1970(買いから-10%)まで下がる。もしくは3ヶ月停滞。今回のテキトー分析&株価算出に自信はないし、マーケットの過去評価を見ると、成長に対して株価が追いついてない。これが是正されるのでは?というのが今回の賭け部分ですが、そうならなければ、自分が間違っていたと判断して売ります。さらに細かく調べたいほど魅力を感じていない。
リスクシナリオではないが、割安率が5%程度まで是正されたら、MACDを見て売り時になったら売る。今回投資のトレードプランは「短期でテキトー」「MACDを経験してみる」なので、シナリオ欄にあらかじめ書いておく。こういうトレードプランなのでマーケットに激震があれば、真っ先に売る。
自分メモ
年末年始にオニールとミネルヴィニを読みました。格言の連発で自分の投資信念が揺らぐような良い体験させていただきました。
また、MACD本も読んで、自分が考えてる「なんとなくトレンドと入るところ読めればOK」という人にこそ使いやすいと考えました。
上がったばかりの株を買うって、確かにやりづらいですね。エコスで練習的に買ってみます。
【21/08/09追記】
買って、その日に、特損発表。ぐあああ