8/5暴落時の感情と行動の記録
次の暴落でもっとうまく動くために、暴落時に何を思ったか何をしたか、記録することが重要。記憶は嘘をつくからです。
早く書きたかったんですが、仕事と帰省と猫の病気であわただしく…。
ようやく静寂な時間が取れました。忘れないうちに。
金利や景気サイクルでの暴落の方が気楽
今回、コロナ過での暴落と一番違ったのが、「気楽」だったこと。
コロナ過の暴落には、「営業していない店舗」「開かれないイベント」「使われないサービス」といった、実際に経済活動が発生していない裏付けがあったので、過去のどの暴落よりも焦った。企業が今後、平時と同じように営業利益を出せない、稼げない、EPSが出ないことに、明確な根拠が発生したので、株安に正当な根拠がある。「このまま人類2年ぐらい動かず生活するのかもしれない」というのは、あの時点でありうるシナリオだったので、本気で焦った。
が、今回のような「アメリカ不景気に突入」「日銀利上げ」というのは、通常の経済の波動の範疇。どこかで来ることは理解していた事象だったので、株価自体が暴落しようとも、「何年かに一度くるあれ」ということで、受け止めることができた。
私は、下記の「ジェイソンツバイク『暴落時にすべき問い』」を大切にしています。
株価以外に、何が変わったのか?
もともとの投資根拠はまだ有効か?何が変わったか?
値段が下がった今、もっと買いたいと思うはずではないか?
本当に悪い影響があるかを見極めるために分析すべき事実があるか?
以前この銘柄はこれほど下げたか?その時、売っていたほうが良かったか?
今回、「株価以外に、何が変わったのか?」という問いが、有効だったと思う。コロナ過の暴落時、この問いに明確な答えが出せなかった。世界がどこまでウィルスを重要視して経済活動を制限するか見えなかったので、何が変わるのか着地点や”期限”が見えなかった。
対して、今回の発生事象は、コロナに比べると、未知の事象ではなかったので、「株価以外に、何が変わったのか?」の問いに、しっかりと回答ができた。ここで「あ、前回とは違うな」と気づくこともできた。
暴落時に、不安や焦りを抑えるならば「ツバイクの暴落時にすべき問い」をすると良い。
また、「マーケットは、何が起きるかわからない状況を最も嫌う」。
「日銀金利上げる」「アメリカ不景気になる」は、あんまし受け入れたくはないけど、何が起きるかわからない状況ではないので、そんなに怖くない。
今回、まだ残ってるのは、「大統領選の行方」「短期目線での景気悪化の程度(経済指標のバッドサプライズ)」の2点が、不明瞭感が大きいと思うので、ここのトピックによっては、また揺れ動くかもしれない。
マーケット全体が落ちるほうが気楽
暴落して指数全体が落ちて、自分の持ち株も落ちる。
こういうパターンだと、イライラや不安の感情はだいぶん小さいな、と感じた。強がりではなく、実際フツーに仕事に集中できていたので記録しておく。
8/5の午前中に、さっとインデックス投資も含めた総資産が7200万から6400万ぐらいまで減ったのを確認したが、日経が10%以上下落しているのを見て、「まぁこれだけのパニック相場なら当然か」と。
むしろ関心は「何がより落ちているか」にすぐ移った。
昔と今で、自分が最も変わった部分。
インデックス投資の部分などは、1ミリも売るという発想にはならなかった。
個別株投資を通じて、株式投資の原理を知って、世界中で富が株式によって保全されていることを心底理解したことで、パニック相場にも役立った。
今回の下落でインデックス投資を辞めたくなった人は、個別株やるといいです。インデックスの値動きに一喜一憂する感覚は相当減ります。世界中が毎日受けている恩恵とダメージにいちいち反応するって、冬が寒くてびっくりしているのと同じだって気づきます。
自分の主力株が好決算後に値下がりした日のほうがよほど苦しい気持ちになっている。
もしくは、もし自分が、円安恩恵銘柄に寄せていて今回の円高ショックを食らったならば「なんでこんな時に限って」となって相当メンタルがだめになったと思う。
ようするに自分は、「マーケット全体と同じダメージを、自分も受けるのは平気」なタイプなのだろう。
自分の深層心理を深堀すると、3つの気持ちが支えている。
「この株を買わなかったら、どうせその分だけインデックス投資してたからな」という気持ち。
今、世界中の企業年金運用団体や財団も、ちゃーんと損してるんだから、何も心配するこたないな。という気持ち。世界が受け止めている痛みだから。(なので、自分の個別株だけが暴落していると、ものすごく辛い)
「マーケットの値動きを当てるというのは、絶対にできない」と心底信じているので、「よく考えておけば避けられたかも」という考えがまったくないから。「自分は日経平均の値動き予想できる」なんて発想で投資を続けると大けがする。という思想に属しているから。
ここは、人によって違うのではないか?
自分の性格を知っておいたほうが良い。
「相場の値動きを当てよう」なんて発想は、短期トレーダーでも長期トレーダーでも、全然主流ではない考えだと思う。メディアやSNSでは、さもそういったことを当てることが株式投資のように書かれていてびっくりする。本当に勝っている人でそんなこと言っている人はごく少数派。
そして、副次的効果として、「相場は絶対に当てられない」という前提に立つことで、暴落時のメンタルまで良くなることが今回分かった。
かぶ1000さんの、「フルポジでリスク回避」という名言は、深い。明日の値動きすら読めない。と心から認めているから「とりあえずフルポジにしとけば、資本主義の恩恵、稲妻が輝く瞬間、を逃すリスクはすべて回避できる」と言っているのだ。
明日、「絶対に稲妻は来ない、上がらない」とは、言えない。だからフルポジが一番のリスク回避。深いなぁ。
【反省点】暴落時の銘柄差し替えは、一瞬でも躊躇すると数%もっていかれる
暴落の前段階で、
「PRTIMESを売ろう」「ウルフズハンドが下がったら、差し替える」というプランを立てていた。
なので、暴落時に冷静に、決めておいた価格帯で、差し替えを行っていこうとして、感情的にならずに、冷静にプランを見て動けた。
が、あまりにも値動きが激しすぎて、PRTIMESのほうが売るに売れなくなってしまった。
で、「信用取引でとりあえず、ウルフズハンドを買う作業だけはちょっとだけしておこう」として買ってしまった。
その日の値動きはとんでもなく激しく、数時間先行して買っただけで数%失う結果となった。
銘柄の差し替え作業は、暴落時ほど1日もずらさずやったほうが良い。
なんなら暴落時の差し替えは、やめておいた方がいい。
ただし、感情的に買いかえたわけではないので、そこは成長した。
【評価点】暴落時に恩恵を受ける銘柄を把握し1歩だけ先に買えた
暴落時に、「ツバイクの『暴落時にすべき問い』」にこたえる中で、「円高・食品銘柄」というアイデアがすぐに出てきました。
今回の株価下落の影響は「円安」「アメリカ不景気」だ。逆に、不景気に相対的に強く円高恩恵は、、、。という発想です。知雑ですが、おそらく、このぐらいシンプルな話のほうがいいだろうな、とも思いました。
ほかにも思いつきましたが、自分ができる銘柄、よく知っている業界だけに特化すべき、という教訓も働いて、食品に絞りました。
日清製粉当たり行こうと思ったんですが、自分のよく知っている銘柄であるべきという考えを推し進め、かつて買った時がある、やまみにしました。
で、暴落の真っただ中で買ってみました。
その代わり、海外売上比率が主力株で一番大きい、サトーを売りました。
信用取引で自分のポジションを大きくすることは死への一里塚です。なので、リバウンドあるだろなーと思いつつ、サトーはちゃんと売りました。
今回結果的には、8/5の大暴落の日に、信用買いをしまくるのが正解でしたが、私は2回目がきてもやらない。これはしっかり守ることができました。
暴落時に、信用取引でポジションを増やして買い向かうのは、死への一里塚です。
命綱なしで登頂できたことを喜ぶ登山家はいません。
その時、たまたまうまくいったとしても、何にもうれしくありません。
これからずっと登山し続けるのだから、いつか滑落します。そして命綱なしで滑落すれば死んでしまって、すべての栄光を失うからです。
翌日、決算後と、やまみが順調に上がっていったので、成功したかと思います。
全体がパニックになっている中で、上記に書いた通り、相場を当てたとか外したとか考えないタイプだったので、気にせず、相対的に考えられた。
となると、「相場を読まないこと」の優位性ってホント大きいな、と感じました。
【評価点】投げ売り、感情的な買い、はしないでトレードは少なく終えることができた
感情的に、今考えるとなぜこんなトレードしたんだ、、、というものは、なしで終えることができた。
昔の自分なら、できなかったかもしれない。
自分が書籍を読んで学んだことを書き留めてあるので、これを読み返すことが、一番冷静にさせてくれた。
今後のトレードプラン
みんなも夏休み中だと推察する。本格的なポートフォリオの見直し、決算の読み込みが始まるのは来週から。よって、あと一週間待つ。
何をするにも、出来高がある程度落ち着いた、マーケットが平熱の時のほうが良い。今回のPRTIMESの差し替えで学んだ。
この鉄火場で、即時動くことで超過リターンをとれるとすれば、自分の実力では2銘柄、つまりあと1銘柄が限界。それ以上やると、ポートフォリオが壊れる。
来週まで待って、出来高が落ち着いたら、損切の実行を始める。
今時点で、一度手放しても、やはり今、買っておきたいと思えるか?
この問いの試練を受ける銘柄が何個か発生している。
今回の暴落となった背景。「アメリカ景気不安」「利上げ」「円高」を受けて、自分の主力株のシナリオに変化が発生したか?逆風が吹くようになったか?を精査する。
もし、シナリオに懸念が生じたら、遠慮なく恥も外聞もなく売ること。
損も生まれる。マーケットも損をしているのだから、当然だ。