トウキョウ生まれのフリがしたい
東京の人って白波のように刹那的なイメージがある。
泡のように掴めなくてしゅわしゅわとすぐに消えてしまう。
崩れるか崩れないかの危うい均衡を保ちながら人間関係を作り上げていそう。
都会の人ってきっと日本以外の国でもそうだと思う。
何に反応して何に反応しないかの線引きがすごく上手いんだろうな。
私も東京生まれのフリがしたい時がある。
いい人でいることに疲れた時、とか。
人に優しくできない自分に理由が欲しい。
でも「その人が嫌いだから」という理由は嫌だ。
「嫌い」という自分勝手な感情でその人に意地悪な気持ちを持ちたくない。
いや、持ちたくないなんて大層な言い訳だ。
本当のところ自分がそんな人間であることを認めたくないだけ。
だから生まれた場所のせいにしたい。自分では変えられない何かのせいにしたい。
大きな何かのせいにして「仕方ないでしょ」という顔をしたい。
我ながら呆れてしまうが、まだ生後25年目。
こんな日もあるのだ。
もう一度生まれたい。東京で。
明日から私はトウキョウ生まれのシティーガール。
白波のようにしゅわしゅわ消えていくシティーガールになるのだ。
「面倒かけないでよね」って言いたい。
みんな、いつ東京生まれになった?