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マゼンタエラー/マゼンタレスとされているひかるミュウの検証

どうもえぼそです。

皆さんはマゼンタエラー/マゼンタレスと言われているひかるミュウをご存じでしょうか?
画像の左が通常のひかるミュウで右がマゼンタレスのミュウです。

私にはただの日焼けカードにしか見えませんが、エラーカードだと思っている人達には数十万円で取引されています。

今回の記事ではマゼンタレスひかるミュウの解説と検証をしていきます。

マゼンタレスひかるミュウとは?

まずはマゼンタレスミュウの解説から。
ひかるミュウ自体はまえのウラ面(通称旧裏)時代のカードです。
コロコロコミック2001年5月号の付録でした。

特に何の変哲もないカードでしたが、発売から20年近くたった2020年5月にヤフオクで青いひかるミュウがエラーカードとして77万円で落札されました。(当時普通のひかるミュウは2000円程度)

当時の出品ページ
https://web.archive.org/web/20200518081938/https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b469759203

エラーであることに予防線を張っていて怪しさ満点の説明文です…

しかし、半月後にひかるミュウのエラーカードを手に入れたという人物がTwitterに現れ、ひかるミュウのエラーカードが存在すると吹聴して回り、検証を始めました。

それがきっかけで知名度が上がった結果
メルカリでマゼンタレスひかるミュウが高額取引されるようになったり

取り扱うショップが現れたり…

現在では一部の人たちの間では完全に存在するものとして扱われています。

しかし、マゼンタエラーであるとする根拠はどれも乏しく、
今年の5月頃になっても薄い根拠で「マゼンタエラーが本物のエラーであることが証明された」という情報が流れてきて、
いい加減腹立ってきたのもあって本格的にマゼンタレスの検証を始めることにしました。

日焼けだと思う根拠

①2020年までマゼンタレスが出てこなかった

現在フリマサイトなどにはマゼンタレスのひかるミュウがそれなりの数出品されていますが、そんなに流出しているのであれば当時から話題になっているはずです。
こんな派手なエラーが見逃されるはずがありません。

②他の日本のポケモンカードで〇〇レス系のエラーが確認されていない

○○レス系のエラー自体は存在しますが、それはどれも海外版のポケモンカードの話です。なんならポケカ以外の日本のTCGでも聞いたことないです。
他に一つでもあればひかるミュウもそうかもしれないと思えるのですが…
勿論たまたまひかるミュウの時だけ流出した可能性もありますが、他にも疑わしい要素のあるマゼンタレスミュウでは疑念を深める材料にしかなりません。

あと、「ひかるミュウは通常個体でも色のばらつきが大きいので、製造過程で何かやらかしているはずだからマゼンタレスが存在する」
みたいな説があるみたいですが、
色のばらつきが大きいのってひかるミュウに限った話じゃないんですよ。
この時代のポケモンカードは全体的に品質が悪く、手元にあるカードをパッと持ってきただけでもこれだけあります。

メノクラゲ(化石の秘密1997)ニョロモ(拡張シート1998)ニョロゾ(遺跡をこえて…2000)

色落ちしにくいとされている青と黒でも全く違うため、経年劣化の可能性は低いです。
ひかるミュウが特別ばらつきが大きいという印象はないですね。
ひかるミュウは絶対何かやらかしているからマゼンタレスが存在するなら、
なんで同じく絶対やらかしているはずの他の1079種類の旧裏のポケモンカードで○○レスがないんですか?という話です。
それに細かい印刷不良がQCをすり抜けたとして、マゼンタレスレベルの目立つ印刷不良がQCをすり抜ける根拠にはなりません。

③マゼンタレスの根拠が薄い

マゼンタレスが日焼けではないという最大の根拠は
「日焼けの場合インクの黄が消えるが、マゼンタレスは赤だけ消えるので日焼けではない」というもの。

ソースはおそらくこちら

私自身はこれに関しては胡散臭いと思っています。というのも、私の実体験になりますが、
オレンジ色のヘイガニのデコキャラシールを外に貼っておいたら、日焼けして黄色いヘイガニになっていたことがありました。黄色が消えるのであれば赤いヘイガニになっているはずでは?
それに日焼けカードを探すと赤だけ消えてるものも散見されます。

赤から消える物もあれば、黄から消える物もあることがわかります。

赤が消えるか黄色が消えるかはインクの種類や加工、光の波長や強さなど諸々の条件によって変わるのと考えられます。
今年の五月に「普通の旧裏のカードを日焼けさせたら、赤と黄がどちらも消えた。マゼンタレスミュウは黄色が残っているので本物のエラーということが証明された。」という検証結果が回ってきましたが、
ひかるミュウは旧裏の中でも珍しい全面キラで表面にキラのシートが貼ってあるような特別な加工のカードです。
カードの加工が全く異なるため、普通の旧裏カードを日焼けさせてもそれは普通の旧裏カードでの結果であって、ひかるミュウに当てはめることはできません。

これに関しては実際にひかるミュウを日焼けさせて検証していきます。

検証

検証方法:スリーブに入れて窓に貼るだけ

検証①

いきなりひかるミュウを日焼けさせるのは抵抗があるので
まずは普通の旧裏カードを日焼けさせてみました。

使用したカードはルージュラ(コロコロプロモ)です。
ペリペリ剥がすタイプで表面はツルツルしています。
厚紙をマスク材にしてカードの一部に光が当たらないようにしました。

日焼けさせたルージュラがこちら

日焼け期間:5/11~7/14

安物の顕微鏡なので見にくいですが、
光が当たった部分は黄色が抜けて赤が残っていることがわかります。

検証②

次にひかるミュウを日焼けさせてみました。
せっかくだからきれいに焼きたいので全体を焼くことにしました。

日焼けさせた結果

日焼け期間:7/14~11/4
左が普通のひかるミュウ、右が日焼けさせたひかるミュウ

黄色が残り赤だけ抜けているのがわかります。
まだ若干赤が残っていますが、赤から抜けることが確認できれば十分なので。
本当はもう少し焼きたかったけど、季節的に日照量が減ってまだまだ時間がかかりそうなので今回はこのくらいで。

結果

普通の旧裏カード(ルージュラ)を日焼けさせると黄色が抜けるが
ひかるミュウを日焼けさせると赤が抜ける。

おわりに

マゼンタレスの根拠は
「日焼けは赤が残るが、マゼンタレスは黄色が残る」
というものでしたが、実際に日焼けさせると普通に赤だけ消えました。

マゼンタエラーが存在しないことの証明は悪魔の証明なのでできませんが、九割九分九厘ただの日焼けでしょう。
仮に本当のエラーであったとしても日焼けさせるだけで再現できるエラーなんて価値あるの?って思います。

ただの日焼けカードが数十万で取引される現状はもうこれで終わりにしたいです。


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