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中川政七商店様の強みの凄さを調べてみた(後半)
中川政七商店様のビジネスモデルのユニークな点は、
業界初の工芸品のSPAとなったことに加えて工房と
産地へのコンサルティングを組み合わせたことです。
SPAとは、Specialty Store Retailer of Private Label Apparel
の略称です。
「製造小売業」と訳されることがあります。
SPAは、商品の企画から製造、販売までを垂直統合させたビジネスモデルで、自社の生産・物流設備を持たず、商品の原材料調達から製造、販売までを一貫して行うことで、消費者ニーズに迅速に対応できることが特徴です。
SPAのメリットは、販売店などの中間流通を介在させずに
自社商品を消費者に直接届けることで、中間マージンが省けることです。
デメリットは、小売業の運営と、基本的に完成品の在庫は
全て自社で抱える必要があることです。
そのため、SPAでは商品の企画力と、適切な生産計画
(品切れを起こさず、同時に作り過ぎず、かつ工房の稼働を平準化する)
の2つが重要となります。
通販化の直接顧客の声を聴いて企画製造し販売するに近い概念です。
商品企画力についてはよいコンテンツを生み出す力です。
これはSPAとコンサルティングに共通している、事業経営上の核となる能力です。
つまり、SPAとコンサルティングは表面的にみると違うビジネスですが、
それを成功させるうえで求められる核となるコアの発掘能力は同じです。
そのコアとなる能力は問題解決・社会課題解決能力です。
話を元に戻しますが、SPAは化粧品業界が良く使うODMに近いです。
商品の企画・製造・販売に関わる点は同じです。
直営販売のチャネルを持ち、そこで販売する製品は
全て自社の企画によるものであるため、
SPAのビジネスモデルも通販化と言えます。
中川政七商店様は工芸メーカーのコンサルティングだけに止まらず、
商品の流通機能を持っていることが強みです。
2022年現在は約60の直営店を運営し、
流通をサポートする合同展示会「大日本市」も開催しています。
https://www.dainipponichi.jp/shop/default.aspx
大日本市には小売店向けの卸販売サイトもあり、
こうした出口があるからこそ、実効性のある経営支援が可能となりますし、
お客様の心の声も聴けるのです。
そう考えると、こうしたビジネスモデルは、
サステナブル経営のひとつの「型」になるかもしれません。
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