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【海上牧雲記】碩風蘇赫が好き

海上牧雲記の推しの話、2回目です。

前回は皇帝一族の不憫でクソ真面目な次男坊、牧雲陸殿下。あの後も不憫につぐ不憫で精神が心配なんですがそれは置いておく。

▲前回の記事

今回は草原の民、碩風一族の心優しいシャーマン、蘇赫。主人公の一角である碩風和葉(このドラマのコナン・ザ・グレート)を助ける純朴で優しい青年です。つくづく主人公よりも脇役を推す傾向にある。

蘇赫について、公式アカウントの解説が以下。

海上牧雲記、星占いで国の大事を取り仕切るだけあってファンタジー要素が濃く、巨大な星占い機で計算してる占星術を信じる他に、プリミティブな自然神信仰も存在する。舞台になる地方の北方、瀚州に住む八つの部族が信じる盤韃神だ。

その盤韃に祈る少年祈祷師として、蘇赫は登場します。公式Twitterの画像2枚目の姿がそれです。この服に埋もれた感じ、巫覡少年の扱いを分かってるなぁ! って感じで最高なんですよ。二次性徴前の少年少女を巫覡に持ってくるのは嬉しい。小さい頃は他の子どもたちより体が二回り小さくて、少年というより児童って感じなのもよくてな。

印象的なシーンが序盤にある。主人公和葉と蘇赫の部族、碩風部族が、住みよい土地を求め掟を破って侵略戦争へ向かう前夜。男たちは命を落とすかもしれない戦に出るため、結束を高める宴を催した。戦に出る男たちを祝福するため、シャーマンの蘇赫は子どもながらも参加が許される。族長を言祝いだ後、その大きな肩に担がれて、草原の男たちが強いて明るく飲み明かす現場にいる。

その後、侵略が発覚し一族の大人たちは全員が軍によって殺戮され、子どもたちは散り散りになっていく。

次に蘇赫が出てくるのは、話も中盤に差し掛かってからだ。主人公のひとり、碩風和葉が父母の敵討ちと草原の覇者になる野望を胸に蛮族→闘奴を経てかつて散った仲間と再会を果たすところ。かつて同じ釜の飯を食っていた子供たちは、今や上下関係と恐怖と蛮勇が支配する、凶悪な押し込み強盗蛮族集団となっていた。そこで奴隷として鎖につながれていたのが、青年となった碩風蘇赫だ。

その蘇赫が、色々あって和葉とともに旅に出る。その体に瀚州八大部族の秘密を秘めた大シャーマンとして。

蘇赫、そのものすごい才能を折々に発揮するんだけど、基本彼が何考えているのかって途中まで分からないんですよ。シャーマンという存在は神様の器なので、彼自身の意志が読み取れないのかな、と思ってたんだけど、和葉と行動を共にするにつれ、彼の意志が見えてくる。蘇赫は和葉の覇道を助けると決めたのだ。

それはきっと、蘇赫だけが知っているあの宴に由来する。戦に向かう碩風の男たちが何を話し、どんな感情を交わしたかを今や蘇赫だけが知っている。その碩風族長の血を受け継いだ和葉が瀚州を平定すると立ち上がった時、その傍らに立ち、難を排し祝福をもたらすのだと。その決意が見えると蘇赫に対して「おまえはすごいやつだ」という畏敬の念を抱き、以来推しています。

蘇赫のすごいところ、基本的に「祝福」で全てのよこしまを退けることだ。和葉が呪いの矢を受けた時には、呪詛の詳細を和葉から聞き出し、一度祝福にしてから打ち返す。曰くつきの森で呪われた一族に襲われた時も、盤韃を祝福する祝詞で追い払う。和葉を慰めたり、諫めたり、対等にしゃべっているシーンでの柔らかい笑顔を見ると、確かにこの子は祝福の似合う青年であるな……という説得力がある。

この純粋さは役者さんの役作りによるところが大きいんだと思う。澄んだ目をしていて、ちょっと舌足らずな喋り方だけど声は優しい。命と引き換えにパワーを解放する時も、その純粋な顔で笑うから「お前は善性でできているのか?」と思ってしまう。このドラマにおいて善性の塊であるってすごい、偉業なんですよ。蘇赫、いつまで和葉のそばにいてくれるかな。明日からの放送も楽しみ。