4.76章 またね
「でね!ここがモニター室なんだ!」
そういって、案内された部屋には、一面にモニターがあり、GNO-LAND中の風景から情報、音声データ全てが映し出されていた。
勿論、それは、意識体としてのソラナ達にわかりやすいようにフィーが加工したものにはなるのだが、それらが意味することは、明確だった。
「これって、立派な覗きよね」
「いい趣味しているわ」
「寂しい思いをしていた友達を捕まえていきなりいうセリフがそれ!?」
「何よ。寂しかったから、出て来たのでしょ?ならば、今は寂しくないわよね」
「そ、そうだけれど、でも!」
「それに、あなたが勇気を出して一歩踏み出したからこそ、そのモニター越しだった出来事も全て現実に出来たのよ」
「だから、友達も出来たし、あなたは寂しい人ではないわ」
もっと、自分を誇りなさい!
と強くソラナは言った。
「私、そんな風に言われたの初めて」
「そう」
「私ね。ソラナちゃん達を見たときに思ったんだ。この子達と友達になりたいって!」
「確信犯ね。狙って飛び出してきたのかしら?」
「うう、」
「図星みたいね」
「それは!!」
「別に怒っていないわよ」
「ただ、そうね。もう少し、落ち着いた出会いでもよかったかしらね」
「う、うん」
「それに、あなたが勇気を出して踏み出した一歩ですもの、誇らしく思えど、それを非難する気持ちはわたくしにはないわ」
「あ、ありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
「こちらこそ、あなたと知り合うことが出来て、とても楽しいんだから」
「そんな風に見えないけれど!?ソラナちゃん」
「そうかしら?」
「わたくしだって、同い年位の子と雑談に興じたり、恋愛の話しや憧れの先輩についてのお話しだってしてみたいと思っていたわよ」
「いた?」
「だって、もう、叶ったでしょ?だから、いた。よ」
「へーー、そうなんだ。ソラナちゃん、そうなんだね」
「何よ、ニトロ。随分と引っかかるわね」
「ううん。なんでもないよ」
そういって、ニマニマとして、微笑んでいるニトロ
「まぁ、いいわ」
「わたくしも、そうしたかったのだから、こちらこそ。なのよ」
そう、ソラナは締めくくり部屋を出ていった。