【Letter for XXX】#20 honto よしやさん
こんにちは、Shihoです。独断と偏愛で他己紹介をさせて頂く3Minutesマガジン「Letter for XXX」。
#20 は honto よしやさんです。
■#20 honto よしやさん/Status:初対面(オンライン)
本の魅力。それは、誰かの知見や思考が凝縮されたコンテンツであり、それらを通して自分自身の思考や想い、大切にしていることを浮かび上がらせてくれるところ。そんなことに改めて気づかされた「ペア読書」を教えてくれたのがよしやさんでした。
現在ハイブリッド総合書店hontoでサービスプロデューサーを務めるよしやさんですが、hontoに関わるのは実は2回目。初めは29歳の頃で、当時はhontoのサービス立ち上げメンバーとしての参画だったといいます。
それまでは戦略コンサルティング会社で4年ほど勤務。20代半ばの勢い、当時最も人気の業界で企業の大きな課題を扱い、同じ会社内での競争もある。そんな当時の自分は、今思えば「勘違い野郎だった」といいます。一人っ子で、親や周囲の望むことを先回りして仕立てることに長けていたというよしやさん。思い返せば「人気の業界だから選んだだけで、本当は誰かの事業に表面的に関わるのは楽しくない」という本音に蓋をして、そこに尤もらしく“ダサくない”理由をつくって自分自身も思い込んでいたといいます。
しかし一度目のhonto立ち上げ後に転職した先のバイオベンチャーで、それらはよしやさんの自覚するところに。社長を務める知人に事業立ち上げの責任者として呼ばれたその会社では、大規模な製造ルートの確保など、営業からマーケティング、アライアンスまで幅広く取り組んでいました。しかし、あくまで「これを事業化しろ」というお題をクリアするためにロジカルに考え取り組んできたよしやさんに、「あなたがこの商品を売り出したい背景はなんですか?」という顧客からの質問が突き刺さります。原体験がない、主体性が無い、なかなか売れない、やりたいことがあるわけでもない…。そんな、本当の意味での八方塞がりから鬱状態も経験したといいます。
「事業を生み出す苦しみとは?」「俺は本当に頑張っているのか?」「この事業に人生を賭けられるのか?」。社長から投げられた問いに向き合い考えた結果、これまでのような「”ダサくない”理由付け」とは離れた道を選びます。そう、それが事業責任者を辞して古巣のhontoへ戻るという選択でした。
そうしてhontoのリニューアルプロジェクトのリーダーとして再び入社したのが4年前。当初はプロジェクト終了後に1年半で辞めるつもりだったはずが、4年たった今でもよしやさんはこのプロジェクトにコミットし続けています。
当初は効率性・絶対性の高い機能をメインに、強豪A社に似通っていたhontoのリニューアルプランを、よしやさんは途中で打ち壊します。既に他で実証されているから当然結果はついてくるだろう。でも、そうやって他社の過去事例を分析して出来上がるものは、何になるのだろう。Hontoを好きな人、そして会員に多い丸善ジュンク堂ユーザーは、本に何を求めているのだろう。そう考えると、おのずとやるべきリニューアルの形は見えてきました。わざわざ本屋で本を探すこと、それは自分の閲覧履歴からのレコメンドを超えた、偶然の出会い。ある意味無駄で非効率な提案かもしれないが、そこにある驚きやわくわくをhontoは提供すべきだと、よしやさんには見えていました。
ちなみによしやさんのストレングスファインダーは、①達成欲⓶戦略性③着想④個別化⑤自己確信。ストレングスファインダーでは34の素質のうち自身が強くもっている素質を知ることができますが、大切なのはその素質を目的達成の手段として使いこなすこと。これまでは「達成欲」「戦略性」がそれ以外を差し置いていたよしやさんでしたが、挫折を経験し、そしてhontoのリニューアルにのめりこんでいく中で、「着想」「個別化」が大きく作用しはじめたのかもしれません。なぜなら、彼はhontoの機能についての「着想」を、「戦略性」を駆使してこっそりと仕掛け、hontoだからこそのサービスの在り方をするりと織り込んでいました。そうして出来上がった今のhontoというサービスをみれば、その仕掛けはわかるでしょう。
本屋のような偶然性を帯びた出会いをもたらすhontoと、読む人の内面をあぶりだす本というコンテンツ。これらをより一層深く体験できるのが「ペア読書」です。よしやさん曰く、それは「人生のヌーディストビーチ」。本を通して自己を知り、自己を開示し、他者を理解する。そこにあるのは思わぬ発見、思わぬ気付き、思わぬ解決策。「自分」に無意識に蓋をしていたあの頃とは違い、そんな自分を変えた「本と人との出会い」をより多くの人に届ける「ペア読書」を広めることは、よしやさん自身にとっての「自己確信」のプロジェクトなのかもしれません。
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Letter for XXXは、不定期かつ独断と偏愛で随時更新していきます。
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