【Letter for XXX】#2 yoloz 片山由隆さん
こんにちは、Shihoです。mixiの紹介文カルチャーをもう一度…ということで独断と偏愛で他己紹介をさせて頂く3Minutesマガジン「Letter for XXX」。
#2 は株式会社yolozの代表・片山由隆さんです。
■#2 yoloz 片山由隆さん/Status:初対面
「エモくて長い文章を書くのが苦手。だって、大切なことをどれだけ凝縮して伝えられるかが営業じゃない?」。
そんな、ともするとちょっと冷たく感じられそうな真理を、曇りのない笑顔で軽やかに言葉にしていく片山さん。新橋のスタバに約束時間の30分前にお互い集合してしまったことで、たっぷり1時間半ほどお話をお聞きしました。
片山さんが代表を務める株式会社yolozは、量り売りの八百屋「HACARI(ハカリ)」やデリバリー、ケータリングなど、産地直送で新鮮な野菜を届ける複数のサービスを展開するスタートアップ。創業して約1年、彼曰く「運が良かった」にしては順調すぎるほどの勢いで事業を広げています。
起業家といえば「エモくビジョンを語る」のがある意味王道なスタートアップ。ただし、掲げた「理想」の持つ引力によって時にコントロールを失うこともあり、表面的な便利さを目指していないか?本来的に必要なものを見据えられているのか?は、文明の行き過ぎた中で私たちが忘れがちな部分でもあります。片山さんはそんな中で、解決すべき課題を解決すべき形で解決できていない「農業」の世界に、自分が参入することで変化を起こせる面白みを感じたといいます。
片山さんの経歴はまるでくねった道のようで、海外の大学を卒業後、日本に戻り光通信系の会社の営業からカフェ店長、会社立ち上げ、スタートアップで営業、外資に就職するも希望退職に合わせて辞めたあと、医療系企業でマーケティング職、外資の商社…などなど、10社近くを渡り歩いていたそうです。商社で農業界の流通構造の不健康さに触れたことで起業。内部の事情を知っているからこそ、表層的な支援ではなく、より根本的に「野菜を届ける」という流通の歪な現状を変えるべくコミットして事業を展開しています。
「ITで生活は便利にはなるけど、根源的には不要なもの。衣食住、生命維持に関わるものが最大の“消費財”」という片山さん。「使命感ではなく、儲かりそうだからこの事業で起業した」と余裕のある笑顔でおっしゃる彼のその“儲かる”という表現が、商売というものがそもそも「価値提供に対する対価の発生」だという本質的な真理から出てくる言葉であることは明白でした。
昔の「拡大家族」を前提とした規格にいまだに縛られた農業の不健康な流通構造を打破し、世の中が正しく循環するように促すことには価値がある。その価値を、内部の構造を知り、そして営業という職業でトップをとり続けてきた自分なら提供出来る。だから儲かる。ある意味凄くシンプルに世界に必要なことだけを見つめている姿は、清々しく頼もしく感じます。
ちなみに「なんで皆営業できないの?」とさえいうその力量は、少しお話しただけで納得。1週間あれば、様々な人に聞いた話を煮詰めていく事でその業界の共通課題を洗い出すことが出来る。そして、扱う商材が相手に対して価値を提供できると信じるからこそ営業する。それを迷惑そうに電話でガチャ切りされたら、もう一度電話するし、「あなたには断る権限があるんですか?」と聞く。それはTIPSでもノウハウでもなく、シンプルに本質だけを見つめ続けたからこそ出来る片山さんだけの営業力。
そんな片山さんが最近始めた新しい取り組みが「旅するチーズケーキ」。
フルーツの生産者の方へ付属のハガキを返信することができるこのチーズケーキ。生産者の方が作物に込めた想いが流通構造上重視されていない、購入者もそれを知る手段がない、そんな中でのアナログ回帰としてリリースしたサービス。書かれたnoteは確かにエモさという軸ではないかもしれないけれど、そこには「価値を提供できる」という片山さんの確信が詰まっています。
「どれだけ凝縮して伝えられるかが営業じゃない?企業概要を長々読む営業なんてダメでしょ。お客さんが知りたいと言って初めて資料の出番。自己紹介も一緒。」
片山さんのことを知りたい人はたくさんいるはず。このnoteが、そんな時の自己紹介代わりになってくれますように。
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Letter for XXXは、不定期かつ独断と偏愛で随時更新していきます。
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